ラブソングは君と,  第2章

急接近⑦

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急接近⑦

 

俺はひとまず、急いでベッドの横に脱ぎ散らかした自分の服を慌てて身に着けた。

ニノはそんな俺を見てクスクスと笑ってるから、もしかしたら俺の記憶が飛んでるのをいいことに、ただからかってるだけなのかもしれない。

「シャワーは使わなくていいんですか?」

「えっ・・・」

「だって、そのまんま寝たんだもの。シャワー浴びた方がいいと思うけど。」

「そ、そのまんまって・・・ね、マジでおいらニノに何したの?」

「知りたいですか?」

「あっ、やっぱいいや・・・」

聞くに堪えられないワードがもし出てきたりしたら、堪らない。気にはなるけど、それ以上を聞く勇気が無い。

「浴室は何処?」

「あ、玄関から右側のドアのとこ。」

「借りるよ?」

「うん。どーぞ。」

俺は浴室を借りてシャワーを浴びた。特に体に変化って無いんだけど。強いて言うなら、若干飲み過ぎで二日酔いの頭痛がするくらい。

ニノの話だと、最後まではやってないって言ってた。ってことは、チューとかはしたって事かな?それを頭で想像しただけで顔がカアッと熱くなった。それより、何だか自分に腹が立ってくる。何でそういうことしたならしたで、少しでも覚えてないんだよ?めちゃくちゃ損した気分じゃん。

「おーのさん、タオル置いておきますよ。」

浴室のドアの向こうからニノが俺に話し掛ける。

「えっ?あっ・・・わるいな。」

「背中流しましょうか?」

「え、駄目、無理、来ないで!」

「うふふふ、冗談ですよ。」

質の悪い冗談だ。ただ、一つだけ思い出せたことが有る。それは、潤君が帰った後に、連絡先の交換をした。そして、その後に俺はニノをカラオケに誘ったって事。

そうだよ。3件目はカラオケに行ったはず。多分・・・覚えてないから自信はないけど、そういう話にはなったのは覚えてる。

俺は浴室から出て服を着て、ニノが居るリビングへ戻った。

「あの、タオルありがと。」

「あ、そこ座って下さい。朝食の支度してるんで。」

「え・・・」

「いいから座って。」

「朝食まで悪いよ・・・」

「俺、あまり普段料理しないんで、大したものは作れないけどね。」

テーブルにはロールパンと目玉焼きとコーヒーが置かれた。

「はい、食べましょうか。頂きまーす。」

「い、頂きます。」

「おーのさんって好き嫌い有るの?」

「えっ・・・いや、そんなには・・・」

「ふうん。好きな食べ物は?」

「あっさり目なもの・・・」

「料理とか自分でするの?」

「いちおう・・・あ、あのさ、昨日なんだけど・・・」

「はい?」

「俺達、カラオケに行った?」

「あぁ・・・その話、もう忘れてくれていいですよ。」

「ええっ?」

「覚えてないのに思い出そうとしても無理ですよ。」

「だ、だって、さっき責任取れって・・・」

「取ってくれるんですか?」

「あ、いや・・・その責任ってどうすればいいの?」

「俺が女の子だったなら間違いなくそう言われるよね。あ、でもあれだけ泥酔いのおじさんに最後まで付き合う子はいないかぁ。」

「ゴメン。でも、ホントおいら何も覚えてなくて。」

「だから忘れてイイって言ってるのに。」

「カラオケ、本当に行ってないんだ?」

「ここから俺が色々と話しても信じて貰えなければ、ただ単に俺があなたに嘘を付いてるって話になるでしょ。だから、何も無かったことにしましょうって言ってるの。」

「でも・・・」

「俺とあなたは3件目で大衆居酒屋に行きました。カラオケよりもまだ飲みたいと言って、あなた聞かなかったんだ。それから何とかあなたをタクシーに乗せて、ここに戻るしかなかったの。だって俺はあなたの自宅が何処なのかも知らないしね。千鳥足のあなたを何とか引き摺って家に連れて帰ったけど、残念ながらうちには客用の布団っていうのが無くってね。あなたはあなたでベッドまで連れてきたら、さっさと服脱いでベッドに潜り込むし、途端にいびき描いて寝るし。仕方なく狭いシングルベッドで俺はあなたと一夜を共にした。以上です。」

「えっ?その・・・つまり・・・」

「何もしてませんよ。」

「えっ?」

「少なくともあなたが心配してるようなことは何もしていないって言ってるの。」

「ど、どうしてさっきあんなこと。」

「だって、あなたが何も覚えてないみたいだったから、ちょっとからかってみたくなっただけです。」

「な、なんだぁ。そうだったのか・・・そうかぁ。そうだよね。」

と言いながらも、やっぱり今のニノの話を全部信用していいものなのか?ちょっと不安ではある。

「俺と関係持ったって思った?」

「え・・・う、うん。」

「フハハハハ・・・」

「だけど、やっぱりニノに迷惑掛けちゃったのは事実だよね。」

「ん、まあ大変でしたけどね。」

「何でもお詫びするよ。」

「え?ホントに?」

「う、うん。」

「それじゃ、俺も一度あなたの家に行ってみたい。」

「ええっ?うちに?」

「駄目かな?」

「いや、駄目とかじゃないけど・・・」

何でうち?

 

 

 

 

つづく

 

 

 

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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