ラブソングは君と,  第3章

争奪戦⑥

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争奪戦⑥

 

それから俺はなるべくニノから遠ざけて身体を洗って、もう一度湯船に浸かった。ニノと一緒に脱衣所には行きたくないから、ニノが先に上がるのを確認して暫く様子をみてから自分も上がった。

何もそこまで意識する必要ないんだろうけど、なんかちょっとでも裸を見ちゃったら、悪いことしてるような罪悪感に苛まれる気がする。

相当頑張って時間ずらしたから、流石にニノももう脱衣所には居なくって、俺はちょっとホッとして服を身に着け、ドライヤーで髪を乾かした。

風呂の入り口の所にちょっとした休憩場所が設けてあって、俺はそこの自販機で野菜ジュースを買ってベンチに腰掛けて火照った身体をクールダウンした。

暫く経ってから部屋に戻ると、ニノが奥の部屋の布団の上に大の字になって寝てた。畳の上にシングルの布団が二枚ピッタリとくっ付いて並んでる。それを目にした俺は慌てて一つの布団を引っ張って間を空けた。

 

ニノは浴衣に着替えて大の字で寝てるから、裾がはだけて白い太腿が露になってる。胸元も大きく開いてて、とんでもなく色っぽい。俺は思わずゴクリと喉が鳴る。

いかん、いかん・・・何考えてんだ。彼は男だぞ、と自分に言い聞かせ、頭をブンブンと左右に振り、自分で自分の頬を叩いた。

「うっ・・・んっ・・・あ、おーのさん、戻ってたの?」

「えっ・・・あ、ゴメン。疲れてたんだろ?寝てていいよ。」

「なんか、ずっと腰が辛くって。」

「マジか?揉んでやろうか?」

「いいの?」

「うん、明日も運転して帰んないといけないからさ。」

「悪いね。それじゃ、ちょっとだけお願いしようかな。」

ニノは布団にうつ伏せになった。俺はニノのケツの上に跨って、ニノの腰をマッサージし始めた。

「はあ~っ、そこっ、気持ちいいっ。」

「そ、そうか?」

なんか、変な気分だ。知らん奴が声だけ聞いたらきっと怪しい事してるって勘違いされるかも。

「上手ですね、おーのさん。」

「昔は母ちゃんに良く揉んであげてたから。」

「で?どうして布団離したりするの?」

「え・・・」

「さっき、こんなに離れてなかったよ。」

「そ、そう?最初から離して敷かれてたんじゃない?」

「いや、それは無いな。」

「気のせいだって。いいじゃん、布団なんてどうでも・・・」

「どうでもいいのにどうして離すの?」

「だからそれは気のせいだよ。」

「そんなことないよ。だって布団敷いたのはこの俺だもん。」

「えっ」

「どうでも良くないから離したんでしょ?」

「ま、待ってよ。可笑しいでしょ?男二人で布団くっ付けて寝るって・・・」

「おーのさん、昨日はそんなこと言わなかったのにな。」

「き、昨日はおいら、すげえ酔ってたから。」

「でも、俺が布団に入ったら真っ先に抱き着いて・・・」

「そ、それ以上は言わなくて大丈夫だから。」

「でも、知りたいでしょ?夕べ何があったのかを。」

「そ、それは・・・」

そこまで言われると気になるが、ニノには悪いけど、今俺はニノのことを完全に信用できないというか・・・

「おーのさん、もう少し上の背中の方、お願い出来ますか?」

「えっ?あ、うん。ここか?」

「うん、そう。その辺り・・・」

薄い浴衣一枚だから、触れるとめっちゃ生々しいというか、身体の線が分かるから妙にドキドキする。

ああ、駄目だ。俺は一体どうしちゃったっていうの?もしかして、マジで意識しちゃってるのか?

「おーのさん、ゴメン、もう少し力緩めてくれます?」

「え・・・あ、痛かったか?すまない。」

「ううん。凄く気持ちいいです。」

あ、駄目だ。その声聞いたら何か理性みたいなものを全て失っていくのが分かる。

「に、ニノ・・・おいら・・・」

堪らず俺はニノを背中から抱き締めていた。

「おーのさん・・・?」

「はっ、ご、ゴメン・・・」

俺は一瞬その腕の力を緩めた。ニノがその瞬間クルリと身体を返して仰向けになったから、完全に俺はニノを見下ろす格好になってた。ニノは俺に何も言わずにニッコリと微笑んでる。そして俺の首に両腕を回して目を細め、キスを強請るように唇を尖らせた。

これはきっと夢の中に違いない。俺は露天風呂で逆上せて倒れちゃったとかだ。そうに決まってる・・・

そうだよ。これはきっと何かの間違いだ。俺はそう言い聞かせながら彼の唇に自分の唇をそっと重ねていた。

 

つづく

 

 

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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