誕生日企画
Birthday story 7
東京とは違って、ここはとても静かで落ち着く。
幸運にも今日はお天気も良くて、木々の隙間から木漏れ日が差し込み
余計な騒音とかも一切無くて忙しい毎日を忘れさせてくれる。まるで異次元の世界にでも来ているみたいに癒される。
何だかんだ言いながら、リーダーとキスもしちゃったし・・・
まあ、俺としては十分満足。理由はどうであれ、きっかけをくれた知念には感謝してる。
それにしても、よく俺なんかにデートの権利を譲ったりなんかしたもんだ。
そこがいまだに不思議で仕方ない。
俺だったら何が有ったとしても絶対に譲んないけどな・・・
あのリーダーが他の後輩なんて自分から誘う訳がないのに。
あいつは俺が最も安全圏だと思ってる?馬鹿な奴だよな・・・
分かってるようで分かってない。
とはいえ、今のこの状況は何なの?
家族湯入りに来ておいて、別々に入るって可笑しくないか?
深い所を追求していくと、リーダーにとっては俺は知念と立ち位置一緒ってこと?
絶対そういうことだよな。
仮に知念とここに来てたとしても、こうやって風呂は別々に入ろうってなりそうじゃん。
まぁ、間違いなくそうなるだろう。
で・・・俺も笑い事じゃなくて、実際そうなんだよ。
何か不安を感じた俺は風呂場から部屋の中の様子を伺う。
けど、リーダーの姿は見えなくてテレビでも見てるのか妙にシーンと静まり返ってる。
俺は気になって、風呂から上がり浴衣を羽織ると部屋の中に戻った。
N「リーダー?お先でした。」
そう言って部屋の中に戻ったけど、リーダーが見当たらない。
慌てて部屋の奥のベッドを覗いたら、リーダーが布団のど真ん中に大の字になって寝てた。
N「り、リーダー?」
寝ちゃってるよ・・・この人・・・
俺が声を掛けても起きる気配はない。
お腹いっぱい食べて眠くなるって赤ちゃんみたいだな・・・
N「んもう・・・せっかくこんな所まで一緒にきてるのに寝るってどういうつもりだよ?」
小声で呟いた俺は、リーダーの真横に添い寝するように肘を付いてリーダーの寝顔を暫く見てた。
俺に見られてるのも知らないで、スースーと寝息を立てて眠ってる。
それにしてもなんと無防備な事。
何だよ。子供みたいな寝顔しちゃってさ・・・
この人のこういう所が母性本能みたいなのを擽るんだよな。
腹立つ・・・
俺はリーダーの顔にギリギリまで自分の顔を近付けた。
一向に起きる気配は無い。
それならば・・・と、俺はリーダーにもう一度キスを挑んでみようと、
恐る恐る唇を近付けた。
すると、パチッとリーダーの目が開いて俺とバッチリ目が合った。
そして次の瞬間、リーダーがニヤリと笑うと俺の後頭部を押さえ付け、そのまんま思いっきり唇同士が重なった。
N「っん・・・んんんっ?!」
ビックリした俺は必死に抵抗しようともがくけど、リーダーの力には到底かなわず完全に身動きが取れなくなってしまった。
えっ?もしかして・・・今の寝たふり?
そう思う間もなく俺はリーダーに身体の上下を逆転されて両腕をロックされてしまった。
N「あ、あの?もしかして・・・起きてました?」
俺の質問にも答えず、リーダーは無言でそのまま俺に濃厚なキスを始めた。
お互いの舌先が激しく絡み合い、角度を変えては噛みつくように夢中で貪り合った。
男同士でこんなキスしちゃマズくないか?と思いつつも、完全に初めからそれを期待してた俺が居た事も事実で
もう自然に俺の腕は熱い吐息を吐きながらリーダーの背中を力強く抱き締めていた。
つづく