真夜中の虹 25

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真夜中の虹 25

 

 

「こ、今夜も?」

「うん。」

どうしよう。夕べは確かに一緒に寝たりしたけど、あれは本当に緊急事態だったからそうしたわけで、流石にこの流れで泊ってって言われると、色々マズいんじゃないのかって思うのが当然で・・・。

「あ、えーっと・・・今夜はちょっと知り合いと会う約束しててさ・・・」

これはまんざら嘘ではない。だって俺は今夜確かに相葉さんに電話をするって約束してる。

「そうなんだ。」

大野さんは急にテンション下がった様子。俺はまだ泊まれないと返事をしたわけじゃない。なのにそこまでガッカリするって何よ?そうか・・・なるほどね。こういうところなんだ。この人に関わる周りの人間を勘違いさせてしまうこういった言動。なんか、不覚にもこの俺まで勘違いモードに入りそうになってしまった。だけど、悪いけど俺は騙されないから。誰にでも優しいって最初から聞いてるわけだし、この人はきっと寂しがり屋なだけなんだ。

「あの・・・一度戻るんで少し遅くなるかもしれないけど、それでもいい?」

「え?いいの?」

そ、そんな嬉しそうにしないでよ。マジで俺まで勘違いしそう。

「う、うん。」

「全然時間とか気にしないで良いからゆっくりして来なよ。」

「あの、大野さん?」

「なに?」

「それで俺は何したらいい?」

「え?何って?」

「仕事ですよ。俺は一応ここに仕事で来てるんですけど。」

「今んとこ暇だから遊んでて良いよ。」

「は?でもそれじゃいくらなんでもお給料が貰えない。」

「心配しなくても給料はちゃんと支払うよ。」

「本気で言ってます?」

「もちろん。」

「いや、でも・・・」

「んふふ。ニノは真面目だな。」

「何もしないでお金頂けるんなら、帰ってゲームでもしようかな。」

「あ、それは駄目。」

「何で?遊んでて良いって言ったのはあなたですよ。」

「ゲームならここですればいい。」

「あ、そういうこと?」

「ここに居てくれることでニノの報酬は発生する。」

「そっか・・・それじゃ、もういちいち通うの面倒だから、俺ここに住み込みさせて貰おうかなぁ。」

「えっ?」

「だって、家賃とか光熱費も馬鹿になんないし。」

こっちからグイグイと厚かましくいけば、流石に引くんじゃないの?って思って言ってみたんだけど

「マジで?うん、是非そうしなよ。おいらは全然構わないよ。」

「えっ・・・ほ、本気?」

「なんだぁ。それを最初から考えてあげれば良かったんだよね。うんうん、そうしよ。それじゃ今日は実家へ行くのやめて買い物に変更だな。ニノが来るなら色々必要な物を買い揃えないとね。」

「え・・・」

「ほら、ぼやっとしてないで行くよ!」

「いや、それは何も直ぐでなくてもさ・・・今日は予定通りあなたの実家に・・・」

「慌てなくても実家は逃げないし、いつでも連れてくよ。」

それってどういう意味?俺は逃げるとでも思ってるの?っていうか、俺マジで大野さんに気に入られちゃった?それはそれで有難い話では有るけど、肝心な仕事してくれないとマジで困るんだけど。

「空き部屋が無いからアトリエ部屋を片付けてそこをニノの部屋にしよう。」

「えっ?」

「大丈夫だよ。綺麗に片付ければ使えるから。」

「あ・・・いや、そういうことを言ってるんじゃないんですよ。」

流石にマズいでしょ?だってアトリエ部屋潰したらあなたは今後何処で仕事するのよ?

「ん?あ、ゴメン。おいらそういうのホント気付かなくて。付き合ってるんだから部屋は別ける必要ないか。おいらと一緒がいいよね?」

えっ?誰もそんな事言ってませんけど。アトリエ部屋潰すのは何とか阻止出来たけど、俺のプライベートは完全に無くなるのと同じ。今ならまだ断る選択肢も有りだろうけど、自分から言い出したことだから後に引けない。俺は仕方なく張り切る大野さんに引っ張られてショッピングモールへと出掛けた。

 

 

 

つづく

 

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投稿者: 蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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