恋愛小説,  黄色い泪

黄色い泪⑦

恋愛小説

黄色い泪⑦

 

 

 

俺と大野さんはファミレスの奥の席に案内されてテーブルを挟んで向かい合わせに座った。

それぞれにメニューを開いて、注文を何にするかあれこれ悩んだ。

「はぁー腹減ったな。何にする?」

「俺は・・・ハンバーグセットかな。」

「んふふふ・・・何か可愛いな。」

可愛いと言われて単純に喜んでしまう俺は、女子かよって自分で突っ込みたいくらい。

大野さんは呼び出しベルを押して、店員を呼ぶとオーダーを伝えた。

ドリンクバーに飲み物を取りに行って料理が来るまでの間、何話そうかって俺はちょっと緊張してた。

「カズさぁ・・・」

ドキッ・・・大野さんからカズ呼びってまだ慣れてないから、何かいちいちドキドキする。

「は、はい?」

「野球出来なくなって辛くない?」

「それは・・・勿論悔しいけど、考えてもどうにもならないから・・・」

「強いんだな。カズは・・・」

「いえ・・・」

「それよかさ、もう直ぐ夏休みじゃん。」

「あ、そうですね。」

「演劇部で合宿有るの知ってる?」

「合宿・・・ですか?」

「うん、毎年やってるんだよ。軽井沢。」

「へえ・・・まだ聞いて無かったな。」

「来れるよね?」

「え・・・も、勿論です。」

「俺らにとっては最後だから。」

「あっ・・・そうか。そうですよね・・・」

最後とか言われてなんか急に寂しくなった。まだ知り合ったばかりなのに・・・大野さんとこうやって一緒に居られるのもあと僅かってことか。

「あ、あの・・・大野さん?質問していいですか?」

「え?うん、何?」

「大野さんは付き合ってる人とか居ますか?」

「は?いないけど・・・カズは?」

「俺は居ないです!」

「そうか・・・俺も居ないよ。」

「でも大野さんって凄くモテそうですよね?」

「えええ?俺ぜんぜんモテないぞ。」

「そんなこと無いっしょ?なんか、いっぱい告られてそうなイメージですよ。」

「そんなモノ好き居ないよ。」

「ここに居ますけど!」

「え・・・」

「あ、いや・・・」

「お待たせしました。ハンバーグセットとビーフカレーのセットになります。」

うっ・・・どーしてこんな時に持って来るかな?あともうちょっとで告白まで出来そうだったのに。

「あ、そうそう。こないだ話してた高橋ってヤツの事なんだけど・・・」

「え?あ、はい・・・」

「そいつの兄貴が俺と同じクラスでさ。」

「はい?」

「何か、カズのことがとにかく好きみたい。一目惚れらしいよ。」

「え?」

「何を勘違いしたのかしんないけど、俺とカズが親しいと思って、急に仲を取り持って欲しいとか言ってきやがって。」

何、それ・・・そいつの事を大野さんが気になってたとかじゃなかったんだ?良かったぁ・・・って、全然良くないじゃん!

「と、取り持つって?」

「あ、勿論そういうの間に入るのは俺あんまり得意じゃないから断ったけど・・・」

「じょ、冗談ですよね?」

「いや、あいつマジだったぞ。俺なんかよりカズの方がよっぽどモテるんじゃないの?」

「モテるって・・・相手男だし。」

「うちは男子校だからな、そういうの周りいっぱい居るんだよ。」

「あの、申し訳ないんですけど、俺付き合ってる人は居ませんけど、心に決めてる人は居ますから。」

「えっ・・・そうなの?」

「そうです。だって、俺は・・・」

「あ、待って。俺ドリンクお代わりしてくる。カズは?」

「え・・・あ、いえ、俺はまだイイです。」

何だよ。ちゃんと聞いてくれよ。俺は今あなたに告白しようとしてるのに。もしかして、大野さんが俺を飯に誘ったのはその事を俺に伝える為だったの?

俺の事、気になってくれてるって思ったのは、完全に俺の勘違いだったのか。ショックだな・・・

結局、俺はその後大野さんとただ他愛もない話をしながら飯を食っただけだった。

「それじゃ、帰るか?」

「あ、はい・・・」

大野さんが伝票握ってレジに向かった。

「お会計はご一緒ですか?」

「あ、はい。」

「え?俺の分は自分で・・・」

「いいよ。俺が誘ったんだから。」

大野さんはそう言って、俺の分も支払いを一緒にしてくれた。

「あの・・・ご馳走様でした。」

「ううん。付き合わせて悪かったな。」

「そんなこと・・・ありがとうございました。」

「それじゃ、家まで送るよ。」

「え?」

「ほら、遅くなっちゃったし、夜道は危ないからさ。」

大野さんはやっぱり優しいんだよな。きっと俺だからじゃなくても、皆に優しいんだよ。

「ん?どうした?何か元気ないな?」

「大野さん、聞いて貰えますか?」

「ん?腹でも痛いのか?」

「ちが・・・俺、さっき心に決めた人居るって言いましたけど・・・」

「ああーそれか。」

「俺が好きなのは・・・その・・・大野さん、あなたなんです///」

ついに、俺は大野さんに告白してしまった。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

2件のコメント

  • 3240

    こんばんわ
    お話し楽しく読んでます。
    カズは意外と積極的ですね!
    案外、肉食系なのかな?野球部だったってこともあるかもしれないけど、大野先輩とこんなに早く親しくなれるなんて、思ってもいなかったんでしょうね!

    • 蒼ミモザ

      3240様、コメントありがとうございます。
      変わらずのご愛読にも感謝です・・・そうですね。今回のカズくんはどちらかというとグイグイ頑張っちゃうタイプでしょうか(^^)
      智くんが3年ということと、ライバルが多いという松本君情報から、若干なりとも焦りがみられますね。
      この後、急ピッチにお話は展開して参ります。お楽しみに!

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