同棲②

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第8章

同棲②

 

 

そして、ニノと暮らし始めてから
ちょうど2ヶ月が過ぎようとしてた。

ようやくニノの仕事も落ち着いてきて
久し振りにニノは休みが貰える事になった。

その日午前中に仕事を終えたニノは
午後から仕事へ出掛ける俺と入れ替わりで
家に戻って来た。

和 「ああ~やっと休めるよぉ。」

智 「お疲れ・・・頑張ったな。」

和 「これから仕事?」

智 「ん。ちょっと帰り遅いかも。」

和 「そうか・・・」

智 「寂しい?」

和 「べつに・・・」

智 「んふふっ。なるべく早く帰るよ。」

和 「だからべつにって言ってるのに。」

智 「強がるなよ(笑)」

俺はニノの腰を抱き寄せて
その生意気な口を塞いでやった。
そして、そのキスが濃厚になる前に
唇を離してニノの顔を覗き込むと
まだ続きが欲しそうなそんなうっとりした表情で俺の目を見つめた。

智 「続きは帰ってからね(笑)」

和 「何でだよっ?お前から仕掛けたくせにっ!」

智 「んふふっ・・いいからお前は寝てろっ」

和 「あーもう、あったま来た。言われなくたって寝てやるよ。」

膨れっ面のニノを残して俺は仕事に出掛けた。

俺が居たんじゃまたイチャイチャ始まって
きっとゆっくり休めやしないだろうから
丁度いいんだよ。

それじゃなくてもニノは睡眠不足続いてたから。
とにかく今はゆっくり眠らせてあげたかった。

マ 「大野さん、社長が準備された新居、何時ごろ見に行かれますか?」

智 「あーっ、そろそろ見に行きたいなぁ。」

マ 「場所は伺っていますから、大野さんの都合の良い時にお連れしますよ。」

智 「それじゃ、明日ニノも休みだからおいらの仕事終わってからでも行こうかな。」

マ 「分かりました。それじゃ、明日ご案内しますね。」

智 「うん、宜しくね。」

そう、そろそろ引越しの準備もしないとな。
まぁ業者に頼めば俺はたいしてなにもしなくて
いいんだけど。

今の俺のマンションでも不自由なく二人で暮らせてるけど
せっかく社長が用意してくれたんだから
見るだけは見ないとな・・・。

マ 「大野さん、ところでそろそろ連ドラの打ち合わせ始まるんで
台本お渡ししておきますね。」

智 「あ、忘れてた・・・」

マ 「今度は大野さんがお忙しくなりますよねえ。」

智 「なんでおいらに来たんだろう?
こういうのって、別においらじゃなくても良くない?」

マ 「それはもう、お仕事なんで仕方ありませんね(笑)」

俺はマネージャーから初回の台本を手渡されて
ちょっとだけ憂鬱になった。

恋愛もんとか、マジでニノの機嫌悪くなりそう。
だけど仕事って分かってるから
ニノだって理解してくれるだろう。

だけどなぁ・・・
5年位前に「怪物くん」の映画で川島海苛ちゃんが
ほっぺにチューってシーンがあったんだけど
確かあの時、ニノのやつ
数日口を利いてくれなかったな。

あんな子供にヤキモチ妬くくらいだから
次はマジでヤバイかもな。

そんな事を考えながらその日の仕事を済ませて
家に戻ると、家の中はシーンと静まり返ってた。

俺は連ドラの台本をリビングのテーブルの上に無造作に置いて
寝室を覗きに行った。

真っ暗な寝室のベッドの横には
脱ぎ散らかされたニノの洋服。
頭まで潜り込んでるから
誰が寝てるのかも分かんない。

そっと布団を捲って顔を確認すると
すやすやと気持ち良さそうに眠ってるニノがいた。

智 「んふっ・・・可愛いや。」

そっと髪を撫でて鼻先に唇を近付ける。
やっぱりキスしたくなって
その柔らかい唇に、起こさないようにそっと唇を重ねたら
後頭部を思いっきり上から抑え付けられて
がっつりお互いの前歯がぶつかった。

智 「っつ・・・痛てぇよっ。つうか、起きてたの?」

俺の下で噴出して笑い出すニノ。

智 「んだよっ、寝たふりなんてしやがって。」

和 「寝てましたけど(笑)」

智 「嘘付け!」

和 「人が気持ちよく寝てるのに起こすからだろっ(笑)」

智 「んじゃ、もっと気持ちよくしてやる。」

和 「何言ってるの?(笑)」

智 「続きは帰ってからって約束したじゃん。」

俺はニヤリと目を細めてニノの両手首を捕まえた。
薄茶の大きな瞳をキラキラに輝かせたニノは
たっぷり睡眠もとれて、元気が回復した証拠。
そんなニノに俺はゆっくりとキスを落とした。

つづく

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投稿者: 蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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