新生活②

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第10章

新生活②

智 『おい、ニノ。いつまで寝てるの?いい加減起きないと遅刻だぞ!』

和 『んっ?あ・・・もうそんな時間?』

智 『早く顔洗って来いよ。

ニノが俺の声で慌てて飛び起きて
洗面所に走って顔を洗いに行く。

トレーナーを被りながら
ムッと口を尖らせて俺の顔を覗き込む。

智 『なんだよっ(笑)』

和 『騙された!まだ1時間もあるじゃないっ。』

智 『1時間しか無いよ。』

和 『ふざけんなよー。あー慌てて損したぁ。俺の時間返せよぉ。』

智 『いいから、朝食食べるぞっ。』

和 『起きて直ぐは無理だよぉ』

智 『いいから座れっ』

和 『なんなんだよぉ・・・』

ニノはめちゃくちゃ寝起きはご機嫌が悪い。
寝癖で髪はぐちゃぐちゃだし
普段は頭の回転物凄くイイやつだけど、
朝は思考が働かないらしくて口数も少ない。
だけど、俺はそんなだらしないニノも可愛くて好き。

智 『んふふっ・・・
これからは出来るだけちゃんとしような。』

和 『朝飯食べることがちゃんとする事なのかよ?』

智 『そう。はい、俺が愛情込めて作ったんだから、残さず食えよ。』

俺はニノの目の前に
炊き立てのご飯と味噌汁と焼き魚を置いた。

和 『ご飯盛り過ぎ・・・』

智 『つべこべ言うなよ。頂きますは?』

和 『いただきまぁす・・・』

めっちゃテンションは低い。

和 『人に勧めてお前は食べないのかよ?』

智 『おいらはとっくに食べたし。』

和 『は?いったい何時に起きたの?』

智 『6時には起きて、物置のダンボールの荷解きもしてた』

和 『マジで?なんでそんな元気なの?』

智 『わかんないけど、ニノと暮らすようになったら
なんか早く目が覚めるようになった』

和 『いよいよ、私お爺ちゃんと暮らしてるみたいで
怖いんだけど・・・そんな元気あるんだったら
仕事中眠そうにするのやめて下さいよね。』

智 『仕事中休まないでいつ休むんだよ(笑)
ちゃーんと洗濯物だってしてんだぞ。』

和 『ほんと?凄いなっ。
俺、凄いシッカリものの嫁さん貰ったみたい(笑)』

智 『だろう?大事にしてくれよ。』

和 『いいよ。俺の事大事にしてくれたらねっ』

智 『じゅうぶんしてるわっ』

和 『ついでだからコーヒーもお願いします(笑)』

智 『調子に乗るなよ。自分でコーヒーくらい淹れろっ』

って言いながら過保護な俺は
自分も飲みたいからコーヒーを淹れてやる。

和 『フフフッ、優しいなぁ。ありがと。』

俺のほっぺにチュッと音を立ててキスをした。
俺も単純だから、フニャッと顔が緩んで
思いっきり目尻が下がるから
ニノはそんな俺を見て笑いたいの堪えながら
食べ終わった食器を洗ってる。

智 『いつもはやんないからなっ』

和 『はいはい。分かってますよ(笑)』

ちょっとだけゆとりのある
二人の朝を過ごして
出発の時間が来たから
迎えの車に乗り込んだ。

今日はまたメンバー全員での収録だった。

智 『なんか皆に会うの嫌だなぁ。』

和 『どうして?』

智 『どうしてって、お前がこの前余計な事するからだよ。』

俺の靴の画像を相葉ちゃんに送ってるから
きっと疑ってるに違いないんだ。

和 『ああ、靴の写真?』

智 『そうだよっ』

和 『だから知らん顔しとけば大丈夫だって(笑)』

智 『何か聞かれたらどうすんだよ?』

和 『俺から画像送るように頼まれたって言えばいいよ。』

智 『そんなんで信じるのかよ』

和 『絶対自分から言わないならバレないですってば。』

智 『お前なぁ・・・』

和 『もう、わたしはお仕置きされましたから、
これ以上は対応できませんよ(笑)』

智 『あんなのお仕置きって言わないだろうがよ。』

和 『知りませーん。』

智 『今日、また余計な事したらお仕置きじゃ済まないからな。』

和 『ええっ?怖いな(笑)』

俺、嘘付くの下手糞なんだよ。
何でか知らないけど、直ぐにバレちゃうもん。
だけど、今回の件だけは
何が何でも自分の口から言わないようにしないとな。

テレビ局に到着した俺達は
今日も早めに楽屋に入り
俺は台本、ニノはいつもの様にゲームをしてた。

翔 『おはよう~。やっぱり早いなぁ、二人は』

雅 『おっはよ~。あっ、ニノ、この前の画像のことなんだけどさぁ』・・・

ヤバイ・・・
早速その話じゃんか。

相葉ちゃんの足元に目をやると
あの画像の靴と同じものを履いてた。

智 『あれ?相葉ちゃんが履いてる靴ってさ、翔ちゃんのと
同じだよね?』

翔 『うわっ、本当だ。もしかしてまた被っちゃったの?』

そんな翔ちゃんの言葉でさえ
胡散臭く聞こえるのは
俺だけなんだろうか?
もう何を言っても
誤魔化してるように聞こえてしまう。
きっと、俺とニノもそうなんだろうな・・・。
そんなこと考えてたらちょっと嘘付いてる事に罪悪感が芽生えて
自然と俺は相葉ちゃんと
視線を合わさないようにしてた。

つづく

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投稿者: 蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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