第10章
新生活③
雅 『でさ、何でリーダーの靴なわけ?』
和 『相葉さんだってわけ分かんない靴の画像だったじゃん。』
雅 『あの時リーダーも一緒に居たの?』
和 『まさか(笑)そんなわけないじゃん。あの画像はリーダーに
転送してもらったんだよ。』
雅 『本当にぃ?』
潤 『ニノは役者だからな。見抜くの大変だよな~』
和 『何言ってるの?私は事実をお話してるだけですよ(笑)』
俺はこの会話には入りたくない。
ソファーから立ち上がろうともせず
俺は台本を開いて知らんフリし続けた。
そういや、翔ちゃんの靴・・・。
今日もあの画像のと同じだ。
やっぱり気になるよなぁ。
翔 『大野さん?俺の顔に何か付いてます?』
智 『あっ、いや・・・別に』
翔 『嘘、あなたさっきからずっと俺の事見てるよね?』
智 『えっ?気のせいだよ(笑)』
俺がそんな事言ってたら
またニノが俺の隣に腰掛けて
和 『絶対、靴の話には触れるなよっ』
って小声で言った後、
何も有りませんって顔色ひとつ変えず
またゲームを弄りだす。
俺はこの時思った。
もしもニノが浮気とかしたとして
俺に嘘ついたとしても
俺は絶対にそれを見抜くこと出来ないなって。
それは、ある意味怖い。
そして、ニノが何とか相葉ちゃんの疑いを回避してくれた事で
俺への質問責めはどうにか免れた。
だけど、問題は松潤・・・。
相変わらず疑いの視線が降り注ぐ。
その日の番組収録が始まると
松潤はわざとだと思うけど
やたらニノに今日も絡んでる。
手を借りなきゃならない場面でも
どう考えても翔ちゃんとか相葉ちゃんの方が近いのに
潤 『ごめん、ニノ。手伝って』
と、わざわざニノを指名する。
ゲームでコンビを組む時も
やっぱりニノを指名して
わざとらしく肩を組んで俺に見せ付けて
ニヤリと笑って見せる。
何なんだよ?
俺は仕事に全然集中出来ず
気の利いたコメントが言えなくなり
皆から呆れられて笑われる始末。
それでもなんとか収録は捲きで終わることが出来て
俺は急いで楽屋に戻り、私服に着替えて
帰る準備をしていた。
すると、その後からニノと松潤が
何やら話をしながら楽屋に一緒に戻って来た。
さすがにこれだと、俺とニノが
一緒に楽屋を出るのはマズイ。
仕方ないから、先に行っとくって
ニノに目で合図を送り
智 『それじゃ、お先に。お疲れ様でした』
と言って先に送迎の車に向かった。
マ 『お疲れ様です。あれ?ニ宮さんは一緒じゃないんですか?』
智 『うん、松潤に捕まってたけど、直ぐに来ると思うよ。』
それから10分以上経つけど
ニノはなかなか現れない。
せっかく早く終わったんだから
とっとと帰りたいのに何やってんだよ。
ちょっと苛立ちを感じ始めたその時
やっとニノが現れた。
和 『ごめん、ごめん。お待たせしちゃって。』
智 『おせーよ』
和 『だから謝ってるでしょ。』
智 『何やってたんだよ?』
和 『Jがね、俺に話が有るっていうから。』
智 『また俺達の事聞かれたのか?』
和 『違うよ。仕事の話だよ』
マ 『それじゃ、出発していいですか?』
和 『はーい。お願いしまーす』
ニノが俺の隣に座って
指を絡めて俺と手を繋いだ。
ニノはもうマネージャーにはバレてるから
全然平気になっちゃって
よせって言ってもベッタリ俺にくっ付いて来る。
今も俺の肩に凭れて
目を瞑ってる。
智 『眠いのか?』
和 『そうじゃないけど、帰ってから眠れないといけないでしょ。
だから今のうちに寝ておこうと思って』
んん?それってどういう意味?
勿論そういう意味だよな?
俺は勝手な想像して思わず顔がニヤけてしまう。
さっきまで待たされてイラついてた
俺は何処へやら?だ。
家に到着すると
冷え切ったリビングにニノが「さむっ」って
背中を丸めながらエアコンのスイッチをいれた。
俺は風呂を溜める。
飯は弁当が出たから
今夜はもうゆっくり出来る。
部屋がほどよく暖まって
俺は上着を脱ぐと
ソファーに寝転んで伸びをした。
ニノも上着を脱いで
俺の上に覆いかぶさるから
その身体を抱き締めた。
智 『あ・・・松潤の仕事の話って何?』
和 『ああ・・・なんかね、Jの企画で今度旅レポするらしいんだ。
それに俺も一緒にってご指名が来たの。』
智 『ええっ?旅レポ?何それ?』
俺は驚いて身体を起こした。
和 『え?そんなに驚くこと?』
智 『だって、どうしてお前と二人なの?』
和 『知らないよ。だけど仕事だし、スタッフも大勢着いて来るよ。』
智 『冗談じゃないよ。なんでお前が一緒に行くんだよ?』
和 『まさかリーダーが指名されたかったの?』
智 『違うよ。旅レポってなんだよ。なんでニノなんだよ?』
和 『だから、仕事だよ。』
智 『駄目っ、絶対そんなの俺が許さない!』
俺はそのままニノを押し倒し
熱い唇を押し当てた
つづく