第10章
新生活④
松潤のヤツ・・・。
遂に仕掛けてきやがったな。
仕事を利用するなんて汚すぎるだろ。
絶対俺のニノと二人で旅行なんて行かせない。
ニノは俺だけのもんだ。
他の誰にも指1本たりとも触れさせやしない。
和 『ンハッ・・・ハッ・・ンンッ・・・』
智 『ンンッ・・・かずっ・・・ンッ・・・』
和 『ちょっと・・・待ってって・・・ハァ・・ハァ・・・』
俺はキスをやめない。
だけど、ニノが俺の下で必死に抵抗してもがいてる。
何で?いつも抵抗なんてしないじゃん。
俺はニノの唇を解放して
ニノの顔を見下ろすと
不満そうな顔をして俺を睨んでる。
智 『な・・・何だよっ』
和 『ちゃんと話聞いてってば!』
智 『話なんか聞かない・・・』
またそう言って唇を近付ける。
そしたらニノが両手で俺の顔を捕まえて
力一杯それを阻止したから、
俺はもの凄い不細工な顔になったのか
ニノがそんな俺を見て大笑いし出す。
なんか凄くシラケてしまい俺はニノから
身体を離して、ソファーにキチンと座りなおした。
和 『なぁ、聞いてよ・・・』
智 『やだっ』
和 『いい大人が駄々捏ねてるんじゃないよ。』
智 『松潤はわざとニノを指名したんだぞ。』
和 『そうでしょうね(笑)』
智 『そうでしょうねって・・・』
和 『だから、Jは俺とあなたの関係、もう分かってるんでしょ。』
智 『勘付いてるよ。』
和 『だから、あなたのことおちょくってるだけですよ(笑)』
智 『なんでそんな事しなきゃなんねえんだよ?』
和 『ハッキリ聞けないから、逆に面白がってるだけだよ。』
智 『だからって旅番組をわざわざお前と行くか?』
和 『あなたがそうやってヤキモチ妬くのも想定内なんですよ。』
智 『お前は平気なの?違う男と旅行だなんて・・・』
和 『その言い方やめろよ(笑)』
智 『浮気じゃねえかっ』
和 『はぁ?メンバーと二人で仕事する事が浮気なの?』
智 『旅行だし・・・』
和 『仕事じゃん』
智 『やだっ』
和 『じゃあ、聞くけど、あなたも今後メンバーと二人でロケとか
行った場合は浮気なわけね?』
智 『おいらは違う。絶対浮気なんてしない。』
和 『それなら俺も一緒だよ』
智 『やだっ。松潤は信用出来ないっ』
和 『何だよっ。もう俺、了解しちゃったんだから、そんなに言うなら
あなたがなんとかして撤回でも何でもすれば?』
智 『ニノぉ・・・』
和 『知らないっ。もうリーダーとは話になんないっ』
智 『だって心配じゃん・・・』
和 『俺の事信用出来ないんだろ?』
智 『うっ・・・』
和 『ほらねっ。』
何でかな?
好きで好きで仕方ないのに
信用してるのか?と聞かれたら答えられない。
それは・・・多分・・・
俺が自分に自信が無いからなんだ。
こんなに一緒に居ても
俺の事本当に好きなんだろうか?って
いつも不安で仕方ないんだ。
そういえば
一度も聞いたこと無いんだよな。
どうして俺の事好きなのか?
智 『あのさ・・・』
和 『俺、風呂入るね・・・』
智 『おいらも・・・』
和 『いい。今夜は一人で入る・・・』
怒らせちゃった・・・。
こんなつまんないことで
俺たち喧嘩なんかしてて大丈夫なのか?
まだ、新生活はスタートしたばかりなのに。
やっぱり、ここは俺が折れるしかないのかな。
松潤は俺をからかってるだけなのか?
それが本当なら安心して送り出せるのか?
そういう問題じゃないような気もするけど。
俺は一人寂しくリビングに取り残され
暫くその事を冷静に考えてた。
和 『お先しました。リーダーも入って来なよ』
智 『うん・・・』
ニノは俺の目を見ようとしない。
まだ怒ってる?
はぁ・・・何なんだよ?くそっ・・・
俺は風呂に入ってもずっとその事を考えた。
一人で入ってもつまんねえな・・・。
せっかく何時もより早く帰って来たっていうのに。
なんでこんな目に遭わなきゃなんねえの?
風呂から出ると
ニノの姿が見当たらない。
多分寝室に先に上がっちまったんだな。
俺は冷蔵庫からビールを取り出し二階へ上がった。
部屋は既に真っ暗。
ニノはベッドに潜り込んでる。
智 『ねえ・・・まだ怒ってるの?』
和 『・・・・』
智 『ニノってば・・・一緒に飲もうよ』
和 『・・・・』
マジか・・・。
ハァッ・・・て俺は大きく溜息付いた。
智 『もう分かったよ。謝るよ。俺が悪かったから許してよ』
和 『・・・・』
智 『おいらさ、お前の事マジで好きだから心配なんだよ。
頼むからそれは分かってよ。お前の事誰にも取られたくないんだ。』
和 『本当に?』
ようやく布団からチラッと顔を出した。
俺は立て篭もり強盗を説得してる刑事か?
やれやれ・・・
俺はそのまま布団に潜り込んで
ニノの身体を抱き寄せた。
ニノも俺の身体に抱き付いてギューと力を込めた。
俺の方から謝るの待ってたな?
全く持って知能犯め!
つづく