第11章
初めての危機④
家に帰り着くと同じタイミングで
ニノからの連絡が入り
今日も家に帰れないって知らされた。
もう、状況が状況だしな・・・。
この大雪の中で無理して帰ろうとして
事故にでも遭ったら、そっちの方が困る。
完全に諦めた俺は一人寂しく飯を食って
風呂を溜めて入ることにした。
その後でゆっくりニノと電話で話そうって思った。
さすがに二晩連続で眠らないわけにもいかない。
風呂から出て
時計を見たら夜の9時を回ってた。
俺はニノに電話を掛けてみた。
風呂にでも入ってるのかな?応答がない。
着信履歴を見れば向こうから掛けてくれるだろう。
ところが、30分経っても電話は掛かっては来なかった。
もう一度電話を入れてみる。
やっぱり出ない・・・。
松潤と一緒なのか?
この時間に?
だとしたらやっぱり二人で飲んでる?
マジかよ。
まさか部屋に二人っきりとか勘弁してくれよ。
ニノのヤツ、どうして電話に出ないんだ?
どんな状況だろうが
折り返し掛ける事は可能なはずなのに。
ついでにLINEも入れておく。
=なんで電話出ないんだよ?=
夜11時を廻っても連絡が無い。
あんまりしつこく着信履歴残すものなら
後からストーカー呼ばわりされるのもしゃくだから、
このLINEで最後にしようと思ってLINEを開くも
さっきの文章が未読のままだった。
=ニノ、何かあったの?=
俺が心配してる事はこれで十分伝わるだろう。
とにかく俺は夕べ一睡もしてないから
さすがに今夜も眠れないのはマズイ。
強めの酒を飲んで
寝室のベッドに横になった。
広いダブルベッドが余計に広く感じる。
ニノとこういう関係になる前は
一人で寝るのなんて
寂しいとか思ったことも無かったのに。
だけど今は違う・・・
横にニノが居ないとなんか落ち着かない。
俺は右に左に寝返りを繰り返し
仕舞にはうつ伏せの状態でなんとか落ち着き
スマホを枕元に置いて
いつの間にか眠ってた。
けれど、その日の夢見は最悪だった。
俺の心配がそのまま夢になって
映像化されてしまったんだ。
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{智の夢の中}
そこはホテルの一室。
多分松潤の部屋の中・・・。
和 『お邪魔しまーす』
潤 『ニノは何飲む?』
和 『あ、俺ビールで・・・』
潤 『ニノは大野さんと仲イイけど、付き合ってるの?』
和 『まさかぁ。俺達プライベートで会った事もないよ。』
潤 『そうなの?俺テッキリ二人はそういう関係なのかと思ってた。』
和 『ないない。絶対それは無いよ(笑)私にも選ぶ権利は有りますよ。』
潤 『俺さぁ、昔からニノは可愛いって思ってたんだよね。』
和 『ええっ?』
潤 『俺はニノから選んで貰えないのかな?』
和 『えっ、それはどういう意味?』
潤 『そんなの言わなくても分かれよ・・・』
松潤の手がニノの両肩をガッツリ掴み
ゆっくりと顔が近付いて
その大きな瞳で見つめられたニノは
身動きが取れなくなって
遂にその唇が・・・・
☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.
智 『うわああああっ・・・やめろぉー!』
俺は自分の悲鳴と同時に目が覚め
ベッドから身体を起こして暫く呆然としてた。
あ・・・夢・・・?
何なんだ?この夢・・・最悪。
めっちゃ悪夢じゃん。
俺は両手で頭を抱え込んだ。
俺はふとスマホに視線を落す。
時計は深夜3時過ぎ。
着信は入ってないけど
LINEが既読になっていた。
つづく