第13章
風邪に効く薬③
俺がマスクして時々咳き込んでるの見て
メンバー達が、直ぐに風邪だと気付き
皆俺の事を心配してくれる。
雅 『おおちゃん、大丈夫なの?』
智 『うん、ここに来る前に病院寄って点滴受けてきたから。』
翔 『ここんとこ寒かったからなァ・・・』
雅 『おおちゃん、裸で寝てたんでしょう?うひひひっ』
智 『ゲホッ・・・ゴホッ・・・ゴホッ・・・』
俺が咳き込んでるの見て
相葉ちゃんが的を得てるのを聞いてウケたんだろう、
ニノが大笑いした。
真実を知ってるのはニノだけだもんな。
それにしても随分今朝よりはマシになってる。
解熱剤も効いてるのかも。
薬のせいで若干眠くてぼんやりしてるけど
それはいつもの事だからな。
潤 『踊れるの?』
智 『うん、大丈夫』
和 『カメラ割りを少し考えてもらったら?』
潤 『そうだね。咳き込んだりしてるとこは映るのマズイだろうから。』
雅 『インタビューもおおちゃんは今日は大人しくしといたら?』
翔 『俺達でとにかく今夜はあなたの事は全面フォローするよ。』
智 『うん、すまない・・・』
皆が俺に優しくしてくれる。
そして誰よりもニノが俺の心配してるのが分かる。
リハーサル終わって楽屋に戻って来ると
和 『リーダー、平気?』
と顔を覗き込んで心配してくれる。
和 『夕飯どうする?普通に食べれないよね?』
智 『うどんとかがいいかも。』
和 『そうだね。消化にはいいよね。出前、うどんにしよっか。』
もう、ほんとビックリするくらい
俺の世話を焼いてくれる。
ニノってこんなに優しかったっけ?
たまには病気もしてみるもんだなって思ったりした。
本人にそんな事思ってるのバレたりしたら
確実に引っ叩かれるだろうけどね。
本番30分前、俺達は衣装に着替えて
スタンバイを始める。
ニノがまた俺の額に手のひらを当てて
体温チェックする。
和 『やっぱりまだ完全じゃないね。1時間だから
なんとか頑張ってよね。』
智 『だーいじょうぶだって・・・。ゴホッ・・・』
和 『無理することないからね。』
そしてようやく本番が始まって
メンバーのフォローでなんとか最後まで乗り切った。
だけど、終わって楽屋に戻った時は
もう薬の効果も切れかけてまた発熱し出した。
潤 『大野さん、顔が赤いけど・・・』
和 『またぶり返してるんだ。』
翔 『明日も仕事入ってるんでしょ?』
雅 『もう急いで帰って寝た方がいいよ。』
智 『うん・・・そうするわ。皆、今日はありがとうね。』
潤 『お大事に・・・』
和 『それじゃ、俺もお先に。』
俺は私服に着替えると
ニノと急いで送迎の車に乗り込んだ。
再び寒気がしてガタガタと震え出した俺を見て
ニノがおでこをくっ付けた。
和 『また酷くなってるな。解熱剤飲んだ方がいいかも。』
智 『なんで?せっかく調子戻ってたのに・・・』
和 『普通は安静に寝てると治りも早いだろうけど
俺達の場合寝てられないからな・・・。』
智 『久々だわ・・・こんな酷いの。』
和 『これでもう十分懲りましたよね?』
智 『えっ・・・』
和 『風呂上りにさっさと服着ないからこういう事になるんだよ。』
智 『分かってるよ。言われなくても・・・』
和 『自己管理が足りないって思われるの嫌でしょ?』
智 『分かってるよ・・・』
和 『それじゃ、治るまでは寝室は別々で・・・』
智 『ええええっ?』
マ 『大野さん、ニ宮さんの言うとおりですよ(笑)
ニ宮さんにまで移したら大変ですから。自粛してください。』
智 『だっ、だって・・・』
そんなぁ。
俺にとって一番の特効薬はニノなのに・・・。
ううっ・・・
こうなったら何が何でも速攻で治してやる。
だけど、一緒に寝れないのかと思ったら
俺のテンションは一気に下がり
それとは真逆に俺の熱はグングン上がっていった。
つづく