二度目の家庭内別居,  君への想いを,  第14章

二度目の家庭内別居③

第14章

二度目の家庭内別居③

 

 

 

 

智 『ニノッ・・・頼む、話を聞いてくれっ』

和 『・・・』

智 『あのネックレスは後輩がどうしても見せてくれって言ったから
外して見せてあげたんだ。その後トイレに行って
時間見たら大変な事になってて・・・それでつい、
ネックレス返してもらうの忘れちゃったんだ。
俺は居酒屋とカラオケに行っただけで、浮気なんかしてないよ。
本当だから・・・信じてよ』

和 『・・・』

智 『ねえ、ニノ・・・。返事をしてくれよ』

和 『・・・』

俺は返事をしないニノに向かって
暫くずっと一方的に話し掛けてた。
マジで立て篭もり凶悪犯に
人質取られて説得してる気分だよ。

智 『信じて貰えないんだ・・・。分かったよ。
だったら気が済むまでそうしてれば・・・』

どうせ、今は何を言っても信じてくれないよな。
俺は諦めて一人で寝室に戻った。
それから、その夜はとうとう
ニノの顔を見ることはなかった。

翌朝、ニノが階段を下りる足音で目が覚めた俺は
急いで自分も後を追い掛ける様にリビングへと下りた。

ニノは俺と言葉も交わさなければ
目も合せようとはしない。

だけど、間違いなく夕べあれから
ずっと1人で泣いてたんだと思うけど
ニノの目が真っ赤に腫れていた。
もしかしたら、眠れなかったのかもしれない。
俺は自分がやってしまった失敗の
事の重大さに今頃気が付く。

俺の浮気の疑惑は
昨日俺が部屋の前で全てを説明したところで
全然解決にはなってなかった。
おそらく、ニノは俺が都合の良い様に
適当な言い訳を作って並べてる程度にしか
思ってないんだろう。

ニノは忙しく洗面所やキッチンを歩き回り
俺の存在を完全に無視するように
仕事に行く準備をしている。

ジャケットを羽織って
スマホをポケットに入れ、バッグを持って
そのまま出掛けようとしてるニノを呼び止めた。

智 『ニノッ・・・』

ニノは背中を向けたまま一瞬足を止めた。

智 『お前・・・寝てないの?』

和 『・・・』

智 『なんか・・・ゴメンな。』

ニノは俺に振り返りもせず、
そのまま仕事に出掛けて行った。
俺ってどうしてここまで馬鹿なのかな?
ニノが怒ってるのは
俺の事を好きだからって証拠なんだよ。
眠れないくらい
辛くて悔しかったんだ。
そう思っただけで、堪らなく胸が締め付けられて
苦しくなった。

俺にはニノしか居ないのに。
大事にしてあげてるつもりだったけど
何処かで一緒に住むようになってから
それが当たり前になって
完全に油断してたのかもしれない。
出来もしない約束をしてしまった事への後悔、
ニノがいつも傍に居てくれるという
俺の心の甘えが引き起こしてしまった
今回の疑惑は信頼の回復には相当時間を要するかも。
どうしよう・・・

しかもこのまま放置しておいて
果たして時間が解決してくれるんだろうか?
俺達は事務所と公約を結んでる以上
もう別れる選択肢は残されていない。

だからといって一緒に居る以上
この先も喧嘩しないとは言い切れない。
こうなると、ここでただの家庭内別居って事にだって
なり兼ねないわけで・・・
俺はニノが好きで
ニノも俺の事が好きで・・・
二人の間に障害なんて本当は何も無い。

ただ、俺が招いてしまった誤解が有るだけだ。
この誤解を一体どうやって
晴らしたらいいのか・・・?

まだ何も具体的な解決策も見出せないまま
俺はその日の仕事に向かった。

俺と昨日、一緒に飲んでいた
後輩の伊野尾君から電話が入る。

伊 『あ、もしもし?先輩?俺ですけど。昨日のネックレス、
後で現場まで持って行きますよ。』

智 『マジか。助かるわ。でもお前も仕事だろ?』

伊 『俺、今日15時頃には時間が空くんで』

智 『そうか。それなら俺テレビ局に居るからさ。』

伊 『分かりました。それじゃ後ほど伺います。』

智 『悪りいな。』

ネックレス・・・
仮に返してもらってそれを身に着けて帰って
ニノに見せたとしても
逆にまた浮気相手と外で逢ったとしか
思わないだろうか。
今は何をやってもニノの神経を逆撫でするだけのような気がする。

この誤解を解くには
俺はいったい、どうしたらいいんだ?
仕事中もずっとその事ばかりを考えていた。

つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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