第19章
恋人が妊娠?④
あれから数日が過ぎて
今日は5人で収録の日だった。
収録後に皆がうちに飲みに来る事になってる。
ニノはというと、相変わらず
その『つわり』の症状みたいなのはが治まらなくて
胸の膨らみも薄めの服からは
なんとなく分かっちゃうみたいで
厚めのトレーナーみたいなのを
わざわざ選んで着ていた。
家飲みも本当は断ろうかと言ったんだけど
ニノが、約束は守らないとって言うから、
収録が終わると皆が真っ直ぐ我が家へと集合した。
雅 「へえ・・・すげー広いね。」
翔 「これマジ凄くない?二人で住むには贅沢すぎるだろ。」
潤 「いいねえ。ここ敷地相当あるよね。」
智 「んふふっ。俺達も最初ビックリしたもん。」
翔 「あれれ?ニノは?」
智 「あ~直ぐに戻るよ」
スタジオを出てから
いつもの吐き気をもよおして
先に戻っておいてと言うから
心配だったけど、俺はメンバーと先に戻ってきてた。
持ち寄ったビールやツマミを
リビングのテーブルの上に広げ
飲み会の準備を皆でしていたら
そのうちニノも遅れて帰って来た。
和 「ただいまぁ・・・」
雅 「遅かったね。もう始めるところだったよ。」
和 「ちょっと寄り道してたの。リーダー、ちょっといい?」
俺はニノから呼ばれて寝室へ上がった。
智 「どうした?吐き気は治まった?」
和 「うん・・・なんとかね。それがね・・・」
智 「ん?」
和 「ちょっと触ってくんない?」
ニノが俺の手を握ってお腹に当てた。
俺は驚いてニノの顔を観た。
和 「マズイよね。お腹まで膨らんで来たの。
ね、どうしたらいい?」
智 「これって、マジで生まれるんじゃないの?」
和 「まさか・・・」
智 「ねぇ、やっぱり医者に診せようよ。」
和 「もう、限界だよね。こうなると・・・」
智 「そうだよ。恥ずかしいとか言ってらんねえぞ。」
和 「はあ・・・なんであなたじゃなくて俺なんだよ?」
そりゃ・・・
俺がそういうことしてるからだよ。
と、言ったら怒られるから言えないけど。
智 「この話は皆が帰ってからまたしよう。」
和 「うん・・・」
俺達はとりあえずリビングに戻った。
雅 「ちょっとー、イチャイチャすんのは俺達が居ない時にやってよぉ。」
潤 「そうだよっ、早く飲もうぜ!」
智 「ごめん、ごめん・・・」
それぞれのグラスにビールを注いだ。
翔 「あれ?ニノは飲まないのか?」
雅 「本当だ、どうして自分だけオレンジジュースなの?」
智 「ニノ、最近体調良くないんだよ。」
雅 「そうなの?それじゃ仕方ないか・・・」
和 「うん、俺の事は気にしないで。」
潤 「それじゃ、二人の門出に?乾杯~」
皆 「かんぱーい」
翔 「なんか最初は驚いちゃったけどさ、こうやって
皆でメンバーの家で飲むこともそうそう無かったわけじゃん。
外飲みだと人の目とか気にしちゃうし、そういう意味では
マジで有難いよね・・・。」
潤 「本当だよね。しかもここ広くていいよなぁ。」
智 「時々集まって飲もうよ。」
雅 「だけど、二人の生活感が溢れちゃってさ・・・
なんかこっちが恥ずかしくなんない?いひひひっ」
翔 「相葉さんが言うとなんかやらしく聞こえるよなぁ(笑)」
和 「なんも溢れちゃいないだろ?(笑)」
智 「そうだよ。おいらの前のマンションの家具とか丸ごと
持って来てるから、どちらかというと、前の俺んちだよな。」
和 「そうそう・・・ホント、俺の荷物なんてゲーム機くらいだもん。」
雅 「だけどさデビュー前から考えても相当俺達って
一緒に居るわけじゃん?
毎日さ、顔見てても嫌になんないの?(笑)」
潤 「そりゃ、愚問だわ、相葉さん。」
雅 「そうか・・・そうだよね。愛し合ってるから
一緒にいるんだもんね。ゴメン、ゴメン。」
翔 「それよりさ・・・さっきからニノ、どうしてレモンとか
平気でかじってるの?
もう、俺見てるだけで生唾半端ないんですけど(笑)」
雅 「本当だよ。オレンジジュースとかレモンとかさ、なんか
妊婦さんみたいだよね~(笑)え?あああっ?」
その言葉で一瞬皆が固まった・・・。
そして、最悪のタイミングでニノが口元を両手で覆って
洗面所に走り込む。
やっべぇ。これは完全にバレちゃうな。
ニノがその場に居ないから
3人が一斉に俺の顔を覗き込む。
智 「なっ・・・何だよ?」
潤 「リーダー、なんか俺達に隠してるでしょ?」
智 「えっ?」
相葉ちゃんが立ち上がってニノの様子を見に行こうとしてる。
俺は慌ててその相葉ちゃんの腕を捕まえた。
雅 「ちょっと、リーダー?」
智 「ニノは大丈夫だから・・・座っててよ。」
翔 「ごめん・・・まさか?とは思うよ。
思うんだけども、当たってたらごめんなさい。
もしかして本当にニノっておめでたなの?」
翔ちゃんがストレートに俺にそう聞いた。
つづく