第19章
恋人が妊娠?⑤
智 「嫌だなぁ・・・。翔ちゃん、ニノは男だよ。
そんなことあるわけ無いでしょ?」
翔 「だよねー。ゴメンゴメン、今のは忘れて(笑)」
潤 「あんま大野さんが子供欲しいとか言うから、想像妊娠させた
とかじゃないよね?」
智 「う・・・」
雅 「想像妊娠??」
潤 「男でもそれなら俺も聞いたことあるから。まさかとは思うけど。」
翔 「ええええっ?」
雅 「そ、そうなの?」
智 「いや・・・あの・・・」
俺が皆から責め立てられてたら
ニノが気まずそうにリビングに戻って来た。
和 「もおー。リーダーのお喋りっ」
智 「ちっ、違うよっ。俺は何も言ってないぞ!」
和 「もうバレちゃってるのと一緒じゃないの。」
雅 「ねえ、ニノ?今のまさか本当なの?」
和 「違いますって言っても、もう誰も信じないよね。」
翔 「そ、それってどういうこと?」
和 「想像だから実際は子供なんか産めないよ。」
翔 「そりゃそうだろうけど、今のって、いわゆる妊婦さんとかが
経験する’つわり’だよね?」
和 「多分ね・・・///」
潤 「吐き気だけ?」
和 「いや・・・だいぶ身体に異変が起きてる。」
雅 「例えば?」
和 「喰いつくな(笑)」
雅 「だって、俺自分の周りで初めてだもん。」
和 「俺だって初めてだよ。」
翔 「嘔吐以外に何が起きてるの?」
潤 「女性ホルモンが分泌されるんじゃない?」
翔 「ええええっ?」
和 「胸が若干膨らんで来た。あと、この頃はお腹も・・・」
雅 「そういえば、以前よりもふっくらしてきてるね。」
潤 「放っておくとどうなるのかな?マズイんじゃない?」
和 「だよね・・・でも病院とか恥ずかしくて行きたくないんだよ。」
雅 「それって産婦人科ってこと?」
翔 「俺の大学の友達で医者になったやつが居るから
聞いてあげようか?」
智 「本当?それ、助かるよな・・・」
和 「うん、お願いしてもいいかな?」
雅 「コンサートも控えてるから、早くなんとかしないと
大変な事になっちゃうよね。」
潤 「身体、相当辛いの?」
和 「なんかもう慣れてきちゃってる(笑)」
雅 「どうせなら、本当に産めるならいいのにね。」
翔ちゃんが、席を離れてその友達とやらに
電話をし始めた・・・。
翔 「あ、もしもし久し振り。元気にしてた?
うん、俺は相変わらず。
悪い、ちょっと聞きたいことあるんだけど・・・」
さすがに翔ちゃんは広範囲に知り合い多いから
頼もしいよな。
逆に皆にバレて正解だったかも。
だって、恥ずかしいとか言ってられないもの。
翔 「あ、そう・・・。うん、分かったわ。有難うな。
また連絡するよ。はーい、それじゃまた・・・」
翔ちゃんが電話を終わらせて
元の場所に戻って話しを始めた。
翔 「あのさ、ニノ・・・」
和 「何か分かった?」
翔 「それは婦人科に診せても駄目らしいよ。」
和 「そうか、そうだよね。」
翔 「ただ、放っておいてもなかなか治らないんだそうだ。」
智 「ええ?それじゃニノはこれからどうなるの?」
翔 「俺の友達が医者の知り合いに治療法を尋ねておいてくれるって
そう言ってたから、また連絡が入ると思う。」
智 「治療法はあるんだね?」
翔 「そりゃ、それって病気は病気だからね。」
雅 「なんか大変そう・・・」
和 「お腹が膨らむのはさすがにマズイものね。
テレビで隠せなくなったら大変だもの。」
智 「参ったな・・・」
潤 「あなたが参ることないでしょ?」
和 「そうだよ。大体なんで俺なんだよ?
元々はリーダーが欲しいとか言ってたんだから、
リーダーが妊娠するのが普通なのに・・・」
翔 「まぁまぁ、落ち着いて。興奮するとお腹の赤ちゃんに響くよ。」
雅 「翔ちゃん、赤ちゃんはいないんだってば(笑)」
翔 「あっ・・・それもそうだな。だけどちょっぴり残念だな。
どうせなら見たいよな。二人の子供・・・」
潤 「めっちゃ悪そうだな(笑)」
雅 「絶対俺も男だと思う・・・」
翔 「あ・・・それは俺も思う。」
智 「ちょっと・・・皆勘弁してよ。ニノにこれ以上
想像させる様なこと言わないでよ」
潤 「そうだったね、ごめん(笑)」
和 「本当にいっその事リアルに出来てくれた方がイイのに・・・」
智 「ニノ・・・」
雅 「あー、もうゴメンだって。とにかく早く治療法が分かるといいね。」
翔 「電話有ったら、直ぐに連絡入れるよ。」
智 「宜しくね。翔ちゃん」
ニノがそれからすっかり元気無くなっちゃって
これも妊娠特有のマタニティブルーっていうヤツらしいけど
こんなに大変なら俺が代わりにそうなれば良かったって
この時ほど思った事はなかった。
新居へのメンバー招待の飲み会は
結局、ニノの想像妊娠騒動の話題だけで
終わってしまった。
つづく