第19章
恋人が妊娠?⑥
それからその翌日の夜に
翔ちゃんからニノに連絡が入った。
和 「あ、翔ちゃん?・・・うん、ゴメンね。治療法って分かった?」
翔 「友達は専門じゃないから、色々と知り合いに
聞いてくれたみたいなんだけどさ。
それはかなり精神的な事が関係してるらしくてね・・・」
和 「そうだよね・・・。」
翔 「カウンセリングとか催眠療法ってのも有るらしいんだけど
ハッキリ言ってそんなに時間取れないって、
友達にそう言ったらさー・・・あのね///」
和 「えっ?何・・・?」
翔 「うん、そのさ・・・///」
和 「うん、何?」
翔 「うああ~もお、すげー言いにくいんだけど・・・」
和 「えっ?何なのよ?」
翔 「つまりだな・・・おたくら二人、そういう行為をしてる時って
ニノが・・・そのぉ・・・つまり・・・女性のような
体位というか・・・」
和 「あっ///なるほどっ・・・」
翔 「分かるよね?///・・・だから、一度逆になってみろって・・・
まあ、そういう話なのよ・・・」
和 「言ってる事はなんとなく分かるよ///」
翔 「結局、ニノも大野さんと同じ男な訳だから、
元々男って遺伝子を残す為にそういう行為をするわけじゃん。
でもニノの場合は女性の様に受けてばかりいる筈だから
男性ホルモンの働きが低下してしまって
そういう現象が起きちゃうらしいんだ。
男性ホルモンを活発にする方法として・・・
そういうやり方も試してみる手はあるらしい。」
和 「ええーでもさ・・・」
翔 「だよなぁ・・・急にそういう事しろって言われてもな」
和 「催眠療法って効果有るのかな?」
翔 「俺もそこらへん詳しくは分かんないけど、受診してみるか?
予約入れといてあげるけど。」
和 「一度マネージャーにもスケジュール的なこと
聞かないといけないしさ、リーダーにも相談したいし・・・。
この件、またこっちから連絡していいかな?」
翔 「ああ、俺の方は何時でも大丈夫。仕事中な時は
メール入れてくれれば折り返し電話するよ。」
和 「うん、色々面倒掛けてゴメンね。」
翔 「いやいや・・・。ニノも大変だけど頑張れよ。」
和 「うん、有難う・・・」
ニノが電話を切った後
ビール飲みながらテレビ観てた俺の隣に座り
和 「あのね、今翔ちゃんからだったんだけど・・・」
智 「うん。何て?治療法、見付かったって?」
和 「あなたと俺と逆転しろって・・・」
智 「はあ?」
和 「意味分かる?」
智 「やっ・・・分かるけどさ、翔ちゃんふざけてるの?」
和 「ふざけてなんかいないよ。」
智 「だけど・・・」
和 「俺も、それは今更無理だって思う・・・」
智 「無理だよ。俺がニノにやられんの?
そんなん、ニノもイメージ出来ないだろう?」
和 「だから、それは無理って言った。」
智 「それ以外方法はねえのか?」
和 「あとは催眠療法とか言ってた。」
智 「催眠術?ああ~それは有りかもな。」
和 「でもね、俺言われなくても分かっちゃったんだけど・・・」
智 「分かったって何が?」
和 「結局正気ではお互い逆で出来ないからさ
催眠術で無意識に逆転させるって事じゃないのかな?」
智 「ええええ?」
和 「だから、催眠術掛かるのは俺一人でも駄目なんじゃない?
おそらくあなたにも掛けるんだと思うよ(笑)」
智 「マジか・・・」
和 「どっちみちそれしか治す方法ないんじゃない?」
そんな・・・。
俺がニノにやられるんか?
ようは、ニノが男性的な行動で
男性ホルモンを目覚めさせない限り
想像妊娠は治らないって事か・・・。
もし、俺がそれを拒否したとしたら
ニノのお腹はどんどん大きくなって
世間にバレちゃうだろう。
俺じゃなくて
他の奴とそういう行為をしたって
治るのは治るんだろうけど
そんな事は何が有ってもさせらんないしな。
ということは・・・
やっぱり俺が腹を括んないと駄目って事だよな。
でも・・・マジかぁ。参るよな・・・。
だけど、俺達にそんな事考えてる余裕は無い。
こうしていても
ニノのお腹は日に日に目立って来てて
世間にバレるのも時間の問題。
智 「なあ・・・本当にそんなんで治ると思うか?」
和 「分かんないよ」
智 「ふぅ・・・おい?今からやってみるか?」
和 「えっ?何を・・・」
智 「何時もと逆の事をだよ」
和 「はあ?」
俺が真顔でそう言うと
ニノはもの凄く驚いた顔で俺を見た。
つづく