第二章
心の扉開くとき②
智 「帰るって・・・今から?」
和 「そう、だって大野さん迷惑そうだし・・・」
智 「迷惑だなんて、おいら一言も言ってないじゃん。」
和 「怒ってるみたいだし。」
違うんだ。俺は本当は内心ドキドキしてんだよ。
それに気付かれないように必死だから機嫌悪く聞こえたのかも。
和 「それじゃ、本当に泊めてくれる?」
智 「ああ、だから帰るなんて言うなよ。」
和 「それじゃ、あと1本貰っていい?」
智 「まだ飲むの?」
和 「さっきも言ったじゃない。俺、最近寝付きが悪くて・・・」
智 「そうか、それじゃ俺もちょっとだけ付き合うよ。」
俺は貰いもののワインを空けてグラスに注いだ。
眠れない時は少し強めの方がぐっすり眠れるだろうと思ったから。
和 「え?ワインとか有ったの?」
智 「うん、こっちの方が効けるから多分爆睡出来るよ。」
和 「大野さん?ひょっとして(笑)」
智 「な、なんだよ?」
和 「俺の事酔わせて、何かしようと思ってるでしょ?」
智 「そうだな。それもいいな・・・うふふふっ。」
和 「なっ///」
あれ?ニノが真っ赤になった。
なんで?今の冗談のお返しだったんだけど。
こっちの方が急に恥ずかしくなって、俺はグラスの中のワインを一気に飲み干した。
智 「さっ、そろそろ寝ないと明日寝坊しちゃうぞ。」
俺はソファーの上のクッションを枕代わりに
頭の下に敷いてさっさと寝転んだ。
和 「ホントにそこで寝るんだ?」
智 「うん、お前は俺のベッド使っていいから。」
ニノは暫くソファーに腰掛けたままボーっと何か
考え事するように一点を見つめてた。
それから立ち上がると俺の方にゆっくり近付いてきて
和 「ねぇ・・・本当に寝ちゃうの?」
智 「なんだよ?眠くならないの?」
和 「うん。あのさ、大野さん。俺に何か言い忘れてない?」
智 「え?あっ・・・おやすみ。」
和 「そうじゃなくて。」
智 「何かって・・・」
和 「だってJはさ・・・何も無くて今日みたいなことわざわざするかな?」
智 「あ、その事?」
俺はソファーから起き上がって再びそこに腰掛けた。
ニノも俺の横に座った。
智 「おいらは松潤が何考えてるのかはわかんないや。」
和 「俺はなんとなくわかるんですけど・・・」
それって、つまり俺がニノに特別な感情を抱いてるって事に
ニノ自身も気が付いてるって事?
まさか・・・だよな。
和 「俺ね、回りくどいの苦手だから単刀直入に聞くけど・・・
大野さん、俺の事どう思ってる?」
智 「えっ?」
和 「俺はただの仕事仲間ですか?」
智 「ニノ?酔っちゃった?」
和 「うん。酔ってるかもしんない。」
智 「ほら・・・寝室はあっちだよ。」
俺はニノの手を掴んで立ち上がった。
そしたら、その手をぐっと掴まれて
俺はソファーに再び引き戻された。
和 「逃げないでちゃんと答えろよ!」
智 「こ、答えるも何も・・・」
和 「何も?」
智 「おいらは昔っからニノの事好きだよ。」
和 「うん、それは知ってる。」
智 「ええ?」
和 「知ってるけど」
智 「そうか。それじゃもう答えたから寝よう。」
和 「ん、待って。好きだから俺とどうしたいの?」
智 「やっぱ酔ってるね。」
和 「俺とさ、こうしたいんじゃないの?」
ニノはそう言うと、俺の顎を片手で引き上げて
目を細めてなんとも色っぽく近付いてきた。
そして・・・
ゆっくりとその唇が俺に重ねられた。
つづく