第二章
心の扉開くとき⑤
松潤に昨日の事・・・
ニノとどうなったかと問い詰められる羽目に合う。
俺はニノと打ち合わせした内容に忠実に答える。
ニノとは1時間位飲んでそれぞれに帰った。
そう言っても、勿論松潤は信じていない。
俺が言わないならニノにってコソコソとニノの耳元で
恐らく俺への質問と同じこと聞いてる。
和 「大野さんがそう言ってるなら、そうなんじゃない?(笑)」
俺の顔をチラチラと観ながら
わざとかって位大きな声でそう答えてる。
もう、その話には触れたくないから
俺は自然と二人から遠ざかって
知らん顔するしか出来なかった。
番組の収録が無事に終わり
控え室に戻って着替えてたら、
潤 「ちょっとちょっと、大野さん?」
智 「えっ?」
潤 「えっ?じゃないでしょ」
智 「なっ・・・なんだよ」
潤 「人がせっかくお膳立てしてやったのに、駄目でしょうが!」
智 「はぁ?」
潤 「大野さん、年は幾つなの?」
智 「35だけど?」
潤 「そんなの分かってるよ(笑)」
智 「もうさ~松潤勘違いしてるんだよ。」
潤 「へえ・・・そうなんだ?俺の勘違いなの?」
めちゃくちゃ悪い顔で薄ら笑みを浮かべる松潤。
な・・・なんだよ。
潤 「それなら、俺がニノに告っても文句言わないのね?」
智 「ええっ」
潤 「だって、あなたニノに特別な感情が有るとばかり俺は思ってたし。
それが勘違いだと言うんなら、俺が遠慮する必要は何処にもない
わけでしょう?違います?」
智 「ちょっ・・・待ってよ。ホント何なの?」
潤 「何なのって?俺は本心を述べてるだけですけど。」
智 「松潤もニノの事好きなの?」
俺は自分で口を滑らせて思わずしまったって
思いっきり顔に出してしまう。
まんまと松潤の誘導に乗せられてしまった。
潤 「あははは・・・だろっ?俺知ってんだからね。
嘘付いても無駄なんだって。」
智 「・・・」
潤 「何度もお膳立て出来ないよ。ニノは勘がイイやつだから。
恐らく俺がどうして昨日呼び出したのかも全部分かってるんだよ。
リーダー、しっかりしろよ。」
智 「しっかりしろとか言われても・・・」
潤 「本当は昨日なんかあったんでしょ?」
智 「何もねえよ。」
潤 「鉄は熱いうちに打てって知ってる?」
智 「それが何なの?」
潤 「冷めてからじゃ遅いってことだよ。」
智 「おいらの頭で理解できる事言ってくんないかな。」
潤 「まぁ、もたもたしてたら、冗談抜きで俺じゃなくても誰かに
横取りされるって事だよ。」
智 「・・・」
潤 「とにかく、そうならないように頑張りなよ(笑)」
俺の背中を軽く叩くと
松潤は帰って行った。
俺も荷物を持って迎えの車に向かおうとしていたら
もうとっくに帰ったと思ってたニノが
控え室に入ってきた。
智 「えっ・・・まだ居たんだ?」
和 「あれ?大野さんもまだ居たの?」
智 「え、ああ。もう帰るとこだけど。」
和 「そこでディレクターに捕まっちゃってさ。」
智 「いつも一番に帰るお前が珍しいな。」
和 「あ、待って。一緒に帰ろうよ。」
智 「えっ?だって迎えの車別々だろ?」
和 「あのさ、俺大野さんとこに昨日の着替えとか
置きっ放しなんだけど。」
智 「そんなの俺が今度持って来てやるよ。」
和 「もう、マネージャーに迎えいらないって電話したんだけど。」
智 「本当に?」
和 「明日も収録一緒だから、今夜も泊めてくれるよね?」
智 「こっ、今夜も泊まるの?」
和 「うん。」
松潤の言った言葉が頭を過ぎった。
そうだよな。松潤の言う通りかもしれない。
このまま呑気にしてると、確かに他の誰かに横取りされるかも。
嫌われるとか、引かれるとかにビビッて
今まで我慢してたけど・・・
ニノが自分から俺に近付こうとしてくれてるのは
俺にもなんとなく分かるし、本当は嬉しいんだ。
逃げてばっかじゃいけないのかも・・・
もしもそれで気まずくなったとしても
ハッキリさせた方が今後の為なのかもしれない。
俺は自分の中の堅く閉ざされた心の扉をゆっくりと
開けることに決めた。
智 「丁度良かった。おいらニノに大事な話があるんだ。」
和 「何?あらたまって・・・怖いな・・・」
智 「いいから早く帰ろう。うちで話すから。」
俺達は再び俺のマンションへと向かった。
つづく