第21章
リアル復活ラブ③
俺は駄目もとでニノの携帯に電話を入れた。
運転中だから出ないかな?
おそらくまた実家にでも戻ってるんだろう。
10回位コールしたら
思いもよらずニノが電話に出た。
智 「もしもし?ニノ・・・」
和 「ごめん、後でかけ直す。」
智 「う、うん・・・」
出ると思ってなかったから
逆に俺はビックリした。
しかも自分からかけ直してくれるらしい。
もしかして、家出したと思ったのは
俺の勘違い?
コンビニとか何か買い物しに行ったのか?
だけど、それならちゃんとその旨を伝えてから行くだろう。
それから20分位してから
ニノが電話をかけて来た。
和 「もしもし・・・」
智 「ニノ?何処に居るの?コンビニか?」
和 「ゴメン・・・暫く1人になりたい・・・」
智 「ど、どうして?あの事、怒ってるの?」
和 「べつに俺はあなたに怒ってるんじゃないよ。
俺さ・・・なんか自分に腹が立ってるの。
仕事だし、あの事も事故だって分かってる。
だけどどうしても許せないの・・・」
智 「ニノ・・・ニノの気が済むんなら
俺の事殴ってくれても・・・
何したって全然構わないよ?絶対怒んないから!
だけど、出て行くのだけはやめろよ。
そんなことしても何の解決にもならないよ。」
和 「あなたは優しすぎるんだよ。
それに引き換え俺は・・・
あなたの仕事を理解しようともしてあげられない。
きっとあなたに俺はふさわしくないのかも。」
智 「んもう!何バカなこと言ってるの?
いいからとにかく早く戻っておいでよ。」
和 「ゴメン・・・」
智 「ゴメンじゃないよ。いいな?絶対戻って来いよ。」
和 「ゴメン・・・」
智 「ま、待って・・・ニノ?まさか俺と別れたいの?」
和 「・・・また、気持ちの整理がついたら連絡する。」
智 「えっ?ニノ・・・ちょっと待ってって・・・」
そこで電話は途切れてしまった。。
マズイな・・・。
ちょっと、この前の喧嘩とは質が違うっていうか。
思い詰めちゃってるのが分かる。
あんなドラマの仕事なんか引き受けなければ良かった。
何がアイドルだ・・・
何がタレントだ・・・
どうして仕事で自分の私生活まで
めちゃくちゃになんなきゃならないんだ?
まさか、このまま別れる方向で
考えちゃうとかないよな?
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
せっかく二人でちょっとずつ積み重ねてここまで来れたのに。
今更ニノが居ない生活なんて俺には考えられないよ。
俺は、成すすべもなくそれから夜中まで
1人で不安を打ち消す為に酒を飲んでいたら
スマホに着信が入った。
ん?またニノからか?
智 「もしもし?」
翔 「あっ・・・大野さん?俺だけど。」
智 「翔ちゃん?どうしたの?こんな時間に・・・」
翔 「急いで来て・・・。ニノが大変なんだよ。」
智 「えっ?ニノどうかしたの?」
翔 「交通事故に遭ったんだ。今救急医療に来てる。」
智 「事故?う、嘘だろ?」
翔 「突然俺に話が有るって電話してきたからさ、
待ち合わせしてその場所に向かってたんだけど、
そしたら通り掛かった近くの交差点で騒動になってて
ニノが・・・・とにかく直接話すから
あなたも今すぐ病院へ来てよ。」
俺は頭の中が真っ白になった。
とにかく直ぐにタクシーを呼んで
俺は教えられた病院へ急いだ。
ニノ・・・俺のせいだ。
俺のせいでニノが・・・
つづく