リアル復活ラブ⑥

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第21章

リアル復活ラブ⑥

 

 

それから結局ニノは
事故から3日間で病院を退院することが出来た。

レントゲンやCT検査では何処にも
大きな異常は見られなくて
記憶が無くなってるのも不思議だと先生は
俺に話してた・・・。
だから、一過性のものだから
暫く自宅で静養しながら様子を見て
それでも記憶が戻らない時は
病院を紹介する・・・という事で
ひとまず俺はニノを自宅へ連れて帰った。

なんだかあの日の事が嘘みたい。
まるで何事も無かったかのように
ニノが我が家へと帰宅した。

記憶が無くなったというものの
本人から言わせると
断片的には覚えてるらしくて
でも、肝心の俺との事は・・・
俺と同棲してた期間は丸ごとニノの記憶から消えていた。

智 「俺はこれから仕事だから
一緒に居てあげられないけど・・・
ここは、俺とニノが生活してた家だから
好きなように使っていいんだよ。
戻ったら、消毒と包帯捲くの手伝うから
俺が帰って来るまで待っててね。」

和 「すみません。色々ご迷惑お掛けしちゃって。」

智 「絶対何処へも行かないって、これだけは約束して。」

和 「ああ・・・うん、分かりました。」

まだ包帯も頭や身体にグルグルに捲かれてて
痛々しくて、だけど話す口調は
以前と何も変わらなくて。
俺は堪えきれずに
ニノの身体を思わず自分の胸に抱き寄せた。
じっと抵抗もしないでされるがままにしてるニノ。
俺はそのままゆっくり彼に唇を重ねた。
ほんの一瞬だけのキスをして
顔を離してニノの顔を覗き込んだら
なんだか少し困った顔をして
照れくさそうに上目遣いに俺を見た。

和 「えっと・・・あの、せめて俺が思い出すまでは、
その・・・そーゆーことするのは・・・
もう少し我慢してもらっていいですか?」

智 「あっ、そうだよね・・・つい・・・ごめん。」

和 「いえ、こっちこそなんかすみません・・・」

俺から顔を背けてそう言った。
なんかその時一瞬だけど
ニノが笑ったような気がしたのは俺の気のせいか?

智 「それじゃ、行ってきます。」

和 「いってらっしゃい・・・」

不自然な感じが気になったけど
俺はニノが戻って来てくれたその事だけで
嬉しかったから、
そんな事はどうでも良かった。

俺は本来スケジュールでニノが行くはずだった
ロケに代わりで向かう事になってた。
そのロケ地に向かう途中で
俺は担当のディレクターの口から
ショックな事実を耳にした。

デ 「ニ宮さん、大変でしたね。」

智 「心配掛けて本当、すみませんでした。」

デ 「怪我もたいした事なくて良かったですよ。
来週の収録にはもう復帰出来るそうですね。」

智 「え?そうなの?俺はまだ何も聞いてないけど。」

デ 「あれ?メンバーにはもうお話してあるのかと思いましたけど。」

智 「それってうちの事務所から聞いたの?」

デ 「あ、それもですけど。
おととい二宮さんが事故に遭われたって聞いて
スタッフ全員で緊急会議してたんですよ。
そしたらニ宮さん本人から直接連絡有りましてね。」

智 「え?本人から?」

デ 「ええ。お騒がせしてすみませんって。」

智 「そ、そうなんだ・・・」

記憶が無いって言ってたのに・・・
仕事の事は覚えてたのかな?
だけど嵐の事すら思い出せないって
俺には言ってたのに。

デ 「来週もロケが入ってるので、そちらも櫻井さんに
お願いすると言ったんですけど、
櫻井さんもスペシャル番組とか入ってて忙しいから、
俺がやりますって、随分メンバーのスケジュールとかも
把握されてて、流石ですよね・・・」

智 「ええ?それ本当にニノがそう言ったの?」

デ 「え?はぁ、そうですけど・・・」

マジか・・・
ニノ、俺に嘘付いてるの?
記憶なんて失くしてないって事だよね。
メンバーのスケジュールまで把握してるってことは。

それじゃどうしてそんな嘘付いたんだろう?
もしかして・・・俺の事も覚えてないフリをしてるの?
全てはニノのお芝居?

それが分かった俺は、いったいどんな顔して
今夜ニノに逢えばいいんだろう。

つづく

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投稿者: 蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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