第21章
リアル復活ラブ⑧
和 「俺さ・・・思い出したから」
ニノがとうとう俺のところに
帰って来てくれた・・・。
おそらく、今日、昼間翔ちゃんが来てた筈だから
何か助言でもしてくれたんだろうって思った。
智 「思い出した?」
和 「そう、全部思い出したの・・・」
智 「そうか・・・」
和 「うん。あなたに沢山迷惑掛けちゃったね・・・」
智 「ううん・・・。いいんだ。それよりさ・・・」
和 「うん、何?」
智 「俺の事さ、思い出したら嫌になった?」
和 「どうしてよ?」
智 「嫌いにならなかった?」
和 「なるわけないでしょ(笑)」
智 「良かった・・・」
和 「逆だよ。俺にはあなたが居ない人生なんて
やっぱり考えられないって思った。」
智 「ニノ・・・」
和 「冷めないうちに食べてよ。特製カレー。」
智 「ニノ・・・」
和 「なんだよ(笑)」
智 「チューしたい・・・」
和 「あ・・・それは後から幾らでもしてあげるよ(笑)」
智 「本当に?」
和 「はははっ・・・我慢してたんだ?」
智 「笑いごとじゃねえし・・・」
和 「ゴメンね・・・サトシ」
俺は、久し振りにニノからサトシって呼ばれて
嬉しくて泣けてきた・・・。
和 「やだ、なに泣いてるの?(笑)」
智 「だって・・・お前・・・大野さん、大野さんて・・・
めっちゃ他人行儀だったじゃん。」
和 「あはは・・・ゴメン、ゴメン・・・」
ニノのカレーを腹一杯食べて
俺は今夜もニノと風呂に入った。
まだ傷跡が生々しくて
肩や背中の傷に優しく口付けた。
和 「だいぶ治ってきたでしょ。
あなたが毎日手当てしてくれたお陰です・・・」
智 「明後日のロケにはもう復帰するって本当か?」
和 「え?何でそれ知ってるの?」
智 「んふふ、スタッフに聞いた。」
ニノはそこで自分のミスに気が付いたみたい。
自分でスタッフに電話したことをスッカリ忘れてたようだ。
左手で口元を覆って目配せしてマズイって顔をした。
俺はその手を握って
笑いながらニノの顔を覗き込んだ。
和 「知ってたの?」
智 「んふふっ。」
和 「どうしてその時に何も言わなかったの?」
智 「ニノには考えがあっての芝居だったんだろう?」
和 「そりゃそうですけど・・・」
智 「俺にお前の事責める資格なんて何処にも無いよ。
お前がここに帰って来てくれただけで、俺は嬉しかったの。
でもね・・・一つだけ俺にも誤算はあったよ。」
和 「誤算?」
智 「お前の裸毎日見ても、何にも出来ないなんて
死ねと言われてるのと同じだったってこと・・・」
和 「あっ///」
智 「お前はよく平気だったな。」
和 「平気なんかじゃなかったよ。」
智 「そうか?それじゃお前も我慢してたのか?」
和 「まあね・・・」
智 「意味わかんねえけど・・・ま、いいや・・・」
俺はニノ唇を荒々しく貪るように口付けた。
智 「あーもう、限界だわ。早く風呂出よう・・・。」
まだ、消毒やら包帯しなくちゃなんなくて
そっちの方が先だもの・・・。
いつものように丁寧に消毒を済ませて
数箇所に包帯捲いてあげて。
髪の毛をドライヤーで乾かしてあげたら
ニノの手を握って・・・
智 「早く・・・しよ。」
って2階の寝室に連れてった。
バスタオル1枚腰に捲きつけてた俺は
それをさっさと剥ぎ取って
素っ裸でニノをベッドに押し倒した。
俺の下半身を見て大笑いしながら
和 「もう、どんんだけスタンバイしてんの?(笑)」
って、俺の首に腕を捲きつけてキスを誘った。
そういうニノだって我慢してたくせに・・・。
智 「ニノ・・・今日はお前全然動かなくていいからな。」
和 「え?」
智 「まだ、あちこち痛いだろ?」
和 「あ、うん・・・」
まだ傷が生々しいニノを
優しく労る様に愛撫してあげると
和 「ンッ・・・サトシ・・・スキッ・・・」
って甘い溜息みたいな吐息を漏らしながら
俺にそう囁いた・・・。
智 「お帰り・・・カズ・・・」
もう二度と何処へも行くなよ。
つづく