第23章
最優秀主演男優賞の恋人③
智 「ニノ・・・」
和 「ああ・・・サトシただいまあ・・・」
智 「どうしたの?こんなに酔っ払うなんて。」
和 「もうね~嬉しくってえ・・・えへへへっ」
智 「うん・・・とにかく靴脱いで・・・」
玄関で自力で立てないくらいヘロヘロなニノ。
和 「あっ・・・もうついでに服も脱いじゃおっと。」
智 「おいおい・・・ダメだって、こんなとこで。ほら、立てるか?」
和 「やだっ・・・立てないっ・・・」
智 「ほら、掴まれよ。」
和 「なんだよ?嬉しくないの?俺、最優秀取ったんだよ?」
智 「嬉しいに決まってるじゃん。もう、誰だよこんなになるまで
飲ませてさ・・・」
和 「岡田っちい(笑)岡田っちは優しいんだよ。」
智 「おいらと岡田っち、どっちが優しいんだよっ?」
和 「そりゃあ・・・フフフッ。」
ふらふら泥酔のニノを抱えて
リビングのソファーに座らせた。
キッチンでグラスに水を汲んでニノに飲ませた。
和 「やーだ・・・ビールがいいよお。」
智 「もう、明日二日酔いになっても知んないからな。」
和 「やっぱり岡田っちの方が優しいから好きぃ。」
智 「そ、そんなに岡田っちがいいなら岡田っちと一緒になれば!」
和 「言われなくてもそうしますぅだ!
あん・・・俺ね、岡田っちとチューしたよぉ・・・」
智 「うそ・・・」
和 「だって、あの人俺の事可愛い、可愛いってね・・・フフッ」
智 「もう俺寝るわ・・・」
何だよ・・・。
幾ら酔ってるからって酷すぎるだろ?
違う男にキスとかするかな、普通?
俺は酔い潰れたニノをリビングにほったらかして
寝室に上がった。
深夜1時・・・
ニノはそのまま寝てしまったのか?
俺はもう一度リビングに降りて
ニノの様子をみに行った。
ソファーでだらしなく寝てる寝顔は
悔しいけどめちゃめちゃ可愛い。
小さくひとつ溜息をついて
俺は酔い潰れたニノを抱き上げて
寝室に運び、服を脱がせて
ベッドに静かに寝かせた。
俺の大切な恋人・・・
お願いだから、俺を不安にさせないでくれよ。
すやすや眠ってるニノの前髪をかき上げるように
優しく撫でたら、それに気付いたのか?
俺の手を握って、またむにゃむにゃと
何か言いたそう・・・。
智 「ニノ・・・」
和 「んー岡田っちぃ・・・むにゃむにゃ・・・」
何なんだ?コイツ・・・
岡田の夢でも見てるのか?
許せないっ。
俺は酔っ払いと分かっていても
他の奴の寝言言うやつとは一緒に寝れないって
ゲストルームで寝る事にした。
俺が朝から居なかったら
さすがに驚くかな?
まあ、ちょっとは反省させよう。
俺にばっかいつもヤキモチ妬いてるんだ。
俺の気持ちもたまには分からせよう。
だけど、俺はその時のニノの心情に
ちっとも気付いてやれなかったんだ。
何も理由無しにニノは酔い潰れるまで
酒を飲んでしまうようなヤツじゃないのに。
ニノの恋人失格だなって
実際に俺が気付いたのは・・・
それから数日経ってからの事だった。
つづく