第23章
最優秀主演男優賞の恋人⑤
潤 「待って!なんで俺の方があなた達の思い出の場所とか知ってるんだよ(笑)」
智 「確かに・・・」
雅 「だけど、そもそも松潤はさぁ、
二人のキューピット役だったんでしょう?」
潤 「まあね。だから、大野さん、最初に俺が引き合わせた
あの店にまた誘えば?」
智 「おっ、なるほど・・・」
雅 「そこでちゃんと結婚を申し込んだら?」
智 「俺達もう、結婚してるのと一緒だよ・・・」
潤 「それじゃ、指輪とかあげたの?挙式は何処かで済ませた?」
智 「あ・・・そういえば想像妊娠騒動で忘れてたわ。」
雅 「ほらねっ。頑張らないと、リーダー。うひひひっ」
智 「う・・・うん・・・」
潤 「この撮影終わったらちょっとだけ時間が空くけど、
指輪買いに行くなら付き合うけど・・・」
智 「そうしてくれる?おいらそういうのさっぱり分かんないから。」
雅 「俺達だって結婚してないから分かんないよな(笑)
あ・・・でも松潤はセンス良いから着いて来て貰ったほうが
いいかもね・・・」
潤 「それじゃ、早速リーダーはニノに連絡入れて。
今夜は仕事は?」
智 「うん、もうこれ終わったら何もない・・・」
潤 「了解・・・それじゃ、あの店19時に予約でいいかな」
智 「うん、多分ニノも今日は夕方には終わると思うから。」
俺はニノに電話をしてみた。
仕事中かな?数回コールして出ないから
俺は仕事に戻った。
夕方に撮影が終わって
着替えを済ませると
俺は松潤とアクセサリー専門店へ指輪を買いに行く事に。
潤 「あのさ、教会で式も挙げたら?
二人のスケジュールが分かるなら俺、
それも予約しといてあげるから・・・」
智 「ありがとう、松潤。ホント助かるよ・・・」
潤 「大野さんはタキシードでいいけどさ、ニノはどうすんの?」
智 「二人共タキシードじゃマズイ?」
潤 「あなたドレス着たら?昔さ、番組で女装した時、
結構イケてたよね(笑)」
智 「おいら、がに股だから無理だよぉ。」
潤 「それじゃ、やっぱりニノか。」
そんな時、ニノから着信が入る。
智 「あ・・・もしもし、ニノ?」
和 「うん・・・電話した?」
ニノの声はやっぱり朝の事が有ったからか、元気が無かった。
そりゃ、俺から今朝あんな言い方されてるから
自分が何言ったのか思い出せないだろうし
不安なんだと思う。
智 「あのさ、今夜ちょっと二人で飲みに行かない?」
和 「え?どうしたの?急に・・・」
松潤が色々言うなって、隣で俺にシーッて
人差し指を唇の前に立てて合図した。
智 「うん・・・いいから、とにかく〇ビルの前に
19時ちょっと前に待ってるから。」
和 「あ・・・うん。なんか分かんないけど、行けばいいのね?」
智 「ちょっとはお洒落して来いよ。」
和 「え?どうして?」
智 「いいから、たまにはお洒落しろっ(笑)」
電話を切ると、松潤がそんな俺の電話の会話を聞いて
ゲラゲラ笑ってる。
そりゃ、そうだよな。
松潤は言わなくても出掛けるとなると
とことんお洒落な普段着を決め込むけど
俺らはそういうの全く無頓着だから
出掛ける、外飯・・・といっても
せいぜいラーメン屋がいいところだから
お洒落なんて一切考えないからな。
潤 「ハハハッ、とりあえず指輪見ますか?」
智 「うん・・・」
ジュエリーショップの店員と
昔からかお馴染みなんじゃねえの?
ってなくらい、親しげに話をする松潤。
俺はわけが分かんなくて、まるで親の買い物に着いて来た
子供みたいに松潤の後ろにピッタリとくっ付いて
店内を物珍しげに見て回った。
潤 「結婚指輪が欲しいんだけど・・・あ、俺じゃないよ(笑)」
店員 「ビックリした。松本さんかと思いましたよ・・・」
潤 「俺もそのうちお世話になりますよ(笑)
そうだなあ・・・シンプルなのが良いと思うけど。」
店員 「それじゃ、こちらなんかいかがですか?」
潤 「どう?大野さん・・・これシンプルでいいんじゃない?」
店員 「え?大野さんの・・・ですか?」
潤 「それも近いけど違うよ(笑)」
智 「俺、分かんないから任せるよ」
潤 「値段とか勝手に決められないから、ちゃんと見てよ。」
智 「うわっ・・・結構高いな・・・」
潤 「女の子なら婚約指輪だけでも家が買えるよ。
この位稼いでるから安いもんでしょ(笑)」
智 「むう・・・なんで俺が出さなきゃなんないの?
ニノだって男じゃん・・・」
潤 「他のヤツならニノに買ってやるんじゃない?
例えば・・・岡田君だとか(笑)」
智 「わ、分かった。買うよ。買えばいいんでしょ?」
潤 「それじゃ、決まりねっ。」
俺は店員にイニシャルと日付を伝えて
指輪の裏に彫って貰う・・・。
カードで支払いを済ませると
松潤とはお別れ。
智 「色々と有難うね。」
潤 「今夜は岡田君の話は絶対にしちゃダメだよ。」
それじゃねって俺を残して
松潤は次の仕事に戻って行った。
つづく