第24章
愛の証③
両腕が負ぶさるように
俺の身体の前で組まれて抱き付くニノが
肩越しに覗き込んで口付ける。
俺は身体をニノの方に向き直してそれに応戦した。
バスローブの胸元から手を忍び込ませて
突起した蕾に触れたら
ニノの鼻の奥から甘い吐息が零れて
激しく舌を絡ませて
角度を変えながらそのキスを繰り返すと
途中でここはベランダだった・・・って事に気が付いて
俺はニノの腕を掴んで
部屋の中に入り、ベッドの方へと導いた。
そのまま堪らずに彼を押し倒すと
肌蹴たバスローブの裾から
もう一人の主張しちゃってるニノが
チラリと顔を出した。
スベスベの太腿を撫でてあげながら
首筋に、顎にキスを落して
バスローブの帯を解いてやると
その色白の素肌がすっかり火照って
俺の事を欲しがってる。
じっとニノを見つめると
俺を煽るように切れ長の瞳を細めて
色っぽい表情で俺の事を見るから
またその紅い唇を貪るように口付けた。
・・・で、今からイイところって時に
俺のスマホに着信音が鳴り響いた。
和 「んッ・・・さとし・・・電話・・・」
智 「誰だよ?こんな時に・・・いいよ。出ない・・・」
和 「なんか、急用かもよ・・・出たら?」
無視してようと思ってるのに
なかなかその電話、鳴り止まない。
んもう・・・マジで誰だよ?
俺は仕方なくニノの身体を離れてスマホに手を伸ばすと
発信元の主は松潤だった。
智 「松潤か?・・・もしもし?」
潤 「あ、リーダー?ゴメン、お取り込み中だった?」
智 「うん、お取り込み中だった。」
潤 「ははっ・・・マジで?それは本当にすまないっ。
あのさ、明日なんだけど、翔さんと相葉さんと俺、
式に参列させて貰ってもいいかな?」
智 「ええっ?マジで?仕事じゃないの?」
潤 「それがさ、翔さんも俺も仕事午後からなんだ。
相葉さんは、偶然そこの近くでロケの仕事らしくてさ。」
智 「マジか?あ、そりゃ来てくれても全然構わないけど。」
潤 「俺達もそんなに長居は出来ないけどさ、
ひと目だけでも皆お祝いに駆けつけたいってなってね。」
智 「そうか・・・有難うな。でも無理はしないでよ。」
潤 「うん、大丈夫だよ。運転はマネージャーがしてくれるし。」
智 「そうか・・・」
潤 「じゃ、そういう事だから、ニノにも宜しく言っといて。
あ・・・お楽しみのところ邪魔して悪かったね(笑)」
智 「ホントだよぉ(笑)ん・・・じゃまたね。」
ニノが口を尖らせて身体を起こして俺の方を見てる。
あちゃ・・・萎えちゃったかぁ。
そりゃ萎えるよな。
和 「誰から?」
智 「松潤・・・明日式に3人で来てくれるってさ」
和 「えっ?断らなかったの?」
智 「だってわざわざこんな所まで俺達の為に時間割いて
来てくれるって言ってるんだぜ・・・」
和 「あなたはイイですよ。タキシードなんだし。」
智 「あ・・・それかぁ。」
和 「皆、俺の女装姿を見て笑うんだよ。」
智 「笑わないよ。あんなに可愛いのに・・・」
和 「はぁ・・・なんかテンション下がっちゃった。」
智 「そんなこと言わないで。ほら、続き、続き・・・」
和 「もう、そういう気分じゃないです。ルームサービス
届いてるから食べよう・・・」
智 「もう、ニノぉ~」
ニノはベッドから降りてガウンを羽織ると
テーブルに運ばれてるルームサービスの前に腰掛けて
淡々と食事を始めた。
智 「ニノ・・・他人がどう思ったとしても、
ニノの女装、俺は嫌いじゃないよ。
出来ればたまに女装して欲しいって
マジで思うくらい可愛いと思うもん。」
和 「そんな気を使わないでいいですよ。
俺、相当面倒臭いヤツみたいじゃん・・・」
智 「そんなこと無いって・・・」
和 「ねえ・・・やっぱ1杯だけ飲もうか?」
智 「マジで?」
和 「だってまだ11時前だよ。1杯位なら大丈夫でしょ?」
智 「そうだな・・・。なんか邪魔されちゃったし。
飲まないとやってらんないわ・・・」
和 「フフッ、心配しなくてもこれ食べたら続きするよ(笑)」
智 「ホント?怒ってないの?」
和 「だから、俺ってどんだけ面倒なヤツなんだよ(笑)」
智 「うん・・・そんなニノも俺は好き。」
和 「あ、そう・・・(笑)」
ニノが冷蔵庫からビール取り出して
グラスに注いでくれて二人で乾杯した・・・。
和 「それじゃ・・・独身最後の夜に・・・乾杯!」
智 「独身最後のニノに、乾杯・・・」
和 「何だよ?お前もだろうが(笑)」
智 「いいの・・・。独身最後も結婚後最初も・・・
ニノは俺のだから。全部俺のニノだから。」
なんか、そういう照れくさい事も
平気で言えるようになった俺。
そして相変わらず可愛く照れ臭そうに下を向いて笑うニノ。
俺達の独身最後の大切な夜は続いた。
つづく