第25章
恋人を信じたい①
雅 「ねえ、リーダー知ってた?最近JUMPの山ちゃん
随分ニノに熱あげてるらしいよ。」
智 「あ~、ほらそれって一緒に映画やったからでしょ?」
雅 「そうだけど、最近一緒にご飯食べたりとかもしてるみたいだし、
こないだスタッフから聞いた話だけど、
山ちゃんの方がかなりニノと仕事したいって
上に頼み込んでるらしいよ。」
智 「ふーん。」
雅 「ふーんって、リーダー心配じゃないの?」
智 「ええ?なんで?いいじゃん。後輩と仲良くするのは
別に悪い事じゃないよ・・・」
雅 「あ~、なるほどね。自分も以前は知念君、知念君って
言ってたもんね(笑)」
智 「ち・・・違うよ。あれは冗談で言ってたの。
おいらは最初からニノが好きなんだもん。」
雅 「とにかくさ、気を付けないとニノってああ見えて
最近は後輩からモテモテなんだよ。」
智 「そ、そうなの?」
雅 「ボーッとしてたら、略奪されても知んないよ?(笑)」
智 「ええ?もう、脅かさないでよぉ。」
その日は俺と相葉ちゃんは雑誌の仕事で
二人でロケに来ていた。
出掛ける時、ニノはそれを知ってたから、
相葉ちゃんに対してヤキモチ妬いてた。
昔から俺は雑誌やCMや番組のロケで
相葉ちゃんとコンビ組むことが多いから
ちょっとだけヤケるらしい。
そんなニノが後輩と浮気なんて考えられないよ。
でも、ニノにその気が無くても
確かに俺達の事は誰も知らないから
ニノは周りから完全にフリーだと思われてるわけだし
相葉ちゃんの心配も、少しは分からなくもない。
雅 「ニノはリーダーの内面に惚れてるから、
大丈夫だとは思うけどさ(笑)」
智 「えっ、なに、それ?」
雅 「こう言っちゃなんだけど・・・
リーダーももうそう若くはないでしょ(笑)
山ちゃんなんか幾つだと思ってるの?」
智 「あの子らだって平成生まれじゃん・・・」
雅 「そおだよ~。もうリーダーなんか完全に
あの子達からするとおじさんだからね(笑)
あ、それは俺もだけど。」
智 「ええ?仕方ないよ。俺だって好きで年取ったわけじゃないもん。」
雅 「一度でも若い子の味を覚えたら大変な事になるかもよ。
うひひひひっ・・・・」
智 「ま、マジか?」
雅 「ちゃんとニノを満足させてあげてるの?(笑)」
智 「そ、そんなの自分で分かんないもん。」
雅 「せめて若い子に負けないように身体作っといたら?」
智 「確かに・・・ドラマ終わったらまた太ってきたもんな。」
雅 「でしょう?それ駄目だよ。努力しないとさ。」
はぁ・・・そんな事言われてもなぁ。
いくらなんでも、平成生まれと勝負して勝てる気がしないよ。
山ちゃんかぁ・・・
確かにあの子際立って綺麗な顔立ちしてるもんな。
あんな王子様みたいな顔立ちして身体は結構鍛えてるしな。
たまたま楽屋のテーブルに載せられてた
テレビ誌に山ちゃんのグラビアを発見して
それを相葉ちゃんが俺にはいって手渡した。
雅 「リーダー、頑張ってね。応援してるから(笑)」
完全に相葉ちゃんは面白がってるな・・・。
もう、俺は相葉ちゃんのお陰で
頭の中はニノの事で一杯・・・。
仕事が終わって、家に帰り着くと
俺より先に仕事終わらせて帰ってたニノに走り寄って
いきなり彼を抱き締めた。
和 「えっ?(笑)いきなりどうした?」
智 「ニノ?俺の事好き?」
和 「う、うん・・・好きだけど(笑)どうしたの?」
智 「俺も世界で一番お前が好き・・・」
和 「ハハハッ・・・何?一体どうしちゃった?」
分かんなくていいんだよ。
俺がこんなに好きだってことだけ分かってくれれば。
俺はクスクス笑ってるニノの顎を持ち上げて
その真ん丸い薄茶色の瞳を見つめながら
いつもより沢山の気持ちを込めてキスをした。
つづく