第25章
恋人を信じたい②
(nino side)
なんかリーダーの様子が変だとは思った。
俺が聞いても何も答えようとしないし
いつも以上に俺に優しくするから
絶対何か企んでるとしか思えない。
数日後、レギュラー番組の収録で
メンバー全員と顔を合わせた時のこと。
俺はスタジオに向かおうと控え室から出ようとしたら
突然相葉さんに呼び止められた。
雅 「ニノってば。」
和 「何ですか?」
雅 「リーダーとうまくやってる?」
和 「うん。お陰様で・・・どうして?」
雅 「いや、それならいいんだよ。」
和 「なんだよ?何か言いたそうじゃん。」
雅 「あのさ、最近山ちゃんとご飯食べに行ったりしてるよね?」
和 「ああ~そのこと?映画でね、一緒になってから
やたらと誘ってくるのよ。変に断れないからたまに行くけど。
どうしてそれを相葉さんが知ってるの?」
雅 「うん、ちょっと色々回りまわって小耳に挟んだりしたからさ。」
和 「ああっ!もしかしてそれ、あの人にも話したでしょ?」
雅 「ええ?何の事?俺知らないよぉ。」
和 「やっぱり・・・」
雅 「話しちゃまずかった?」
和 「変な言い方しないでもらえます?」
雅 「俺は心配だから忠告してあげたんだよ。」
和 「忠告?」
雅 「そう、忠告だよ。」
翔 「ちょっと、何時まで話してるの?収録始まるよ。」
和 「あ・・・今行きます。」
雅 「またこの話は今度ね・・・」
翔 「何の話してたの?」
雅 「またゆっくり翔ちゃんには話すよ。」
和 「もう、やめてよ相葉さん。翔ちゃん、聞かなくていいからね。」
リーダーの様子がおかしい理由・・・
ようやくこれでハッキリした。
んもう・・・どんな言い方したんだろう?
きっと心配してるよね。俺のこと・・・
ところがその日、収録が終わり、
リーダーと帰ろうとしてるところに
山田から電話が入ったんだ。
和 「あ、もしもし?うん、どうした?」
山 「あ、お疲れ様です。先輩、
ちょっと聞いて貰いたい事あるんですけど。」
和 「え?何?仕事のこと?」
山 「いえ・・・ちょっとプライベートな話なんです。」
和 「うん、何?」
山 「ちょっと電話では・・・」
和 「あ・・・そうなの?どうしよう、俺もうこれから帰るんだけど。」
山 「先輩の家にお邪魔してもいいですか?」
和 「え?や・・・それはちょっと・・・。
明日仕事早く終われるから、どっかでまた飯でも食べながら
話さない?」
山 「そうですか。分かりました。明日何時頃ですか?」
和 「19時頃かな?」
山 「それじゃ、その位にまた連絡してもいいですか?」
和 「うん・・・」
山 「それじゃ、約束ですよ?」
和 「分かった」
俺が電話を切ると
すかさずリーダーが俺の顔を覗き込んだ。
智 「誰から?」
和 「あ・・・JUMPの山田・・・」
智 「ええ?」
和 「どうかしました?」
智 「えっ・・・ニノ?・・・そのさ・・・」
和 「どうしたの?」
智 「いやっ・・・何でもない・・・」
和 「明日、山田が話有るとか言うから一緒に飯に行って来るよ。」
智 「そ、そうなの?」
リーダーの顔色が一瞬変わった。
マズイな・・・。
和 「心配なんですか?」
智 「・・・」
和 「俺、あなた以外のヤツ好きになんてならないよ?」
そう言ってリーダーの手を握った。
そのまま送迎の車に乗り込んだけど
リーダーのテンションはずっと下がりっぱなしで
俺と全然会話が続かなかった・・・。
多分、相葉さんがおかしな言い方して
リーダーの不安を煽ってるんだ。
俺は直ぐに分かったけど
ここは変に気を使ったりしない方がいいなって思って
あえていつもの様に普通に振舞った。
和 「今日は収録早く終わったし、
たまにはゆっくり二人で飲もうよ。」
山田の話っていうのもなんか気になったけど
今はリーダーの不安を取り除いてあげる方が先だ。
俺は自分の気持ちがブレない自信が有った。
山田の話というのを聞くまでは。
つづく