第25章
恋人を信じたい③
(nino side)
やっぱり、俺が考えてる以上に
リーダーは相当俺と山田のことを心配してるみたい。
相葉さんったら、いったいどんな言い方したんだろう?
その夜、二人で簡単なつまみを作って
2時間くらいかな・・・久し振りにゆっくり酒を飲んだ。
リーダーのペースはいつもよりハイペース。
リーダーは酒に酔うと、結構饒舌になる。
いつも以上に目尻は下がってふにゃふにゃになるし
素面だとそんなこと恥ずかしがって言わないような
エッチな事を自分で言ったりとかして爆笑するって感じ。
この日も嫌な事は飲んで忘れようとでも思ってるのか?
次々にグラスの酒を空にして、あっという間にヘロヘロになってる。
和 「ねえ・・・もう少しペース考えなよ。
幾ら家飲みだからって、明日も仕事は有るんだからね?」
智 「んふふふ。分かってるよ・・・
ニノが作ってくれたつまみが
最高に旨いから、酒が進むんだよ。」
和 「えっ・・・私は豆腐の薬味を刻んだだけですけど(笑)」
智 「それでも愛情が一杯篭もってるもん、へへへっ」
和 「ちゃんと料理覚えようかなぁ・・・」
智 「なんで?ニノは料理って好きじゃないでしょ?
もこみち君みたいに料理番組でもすんの?」
和 「ちがうよ。リーダーに食べさしてあげたいから・・・」
智 「ホントぉ?ニノは優しいなぁ~でもね・・・
おいらはニノが食べたいの・・・」
和 「あ(笑)出たよ・・・酔っ払いおじさん(笑)」
智 「ぐふふっ・・・あのね・・・ニノのことをおいらが
料理するの・・・調味料わぁ・・・いらねえかぁ」
和 「フフフッ、もう~何言ってるの(笑)」
智 「おいら、そのままのお前が大好き。グフフフッ。
調味料なんてなくてもニノはめっちゃ美味しいもんねぇ。」
和 「はいはい(笑)もう、そのくらいにしとく?」
智 「やだっ・・・まだニノと飲みたいっ!」
和 「またいつでも一緒に飲めるじゃないの。
そろそろ寝ましょうか?」
智 「ううっ、本当?本当にまた一緒に飲める?」
和 「約束しますから。」
俺はリーダーの腕を掴んで寝室へ上がった。
寝室の扉を開けるなり、ガバッと背中から抱き付いて来た。
智 「駄目だぞっ・・・これは俺のもんだから、誰にも渡さない!」
そうか・・・
酔ってても山田のこと気にしちゃってるんだな。
俺は何もやましい事なんかないんだけど
なんか、ちょっと申し訳ない気持ちになった。
後ろから頬ずりされて
耳元にリーダーの熱い息が掛かると
俺の身体も熱くなって全身から力が抜けるよう。
俺がリーダーの方に身体を向きなおして
腰に手を回すと
扉の方に身体を押さえられて
壁ドン状態になった。
で、当然ここから顎クイされて
俺の目をジッと見つめて
その後思いっきり噴出した・・・。
和 「何だよ?これやりたかっただけかよ?」
智 「うん・・・一回ニノとやってみたかったの(笑)」
和 「馬鹿馬鹿しい・・・寝ますよっ。」
そう言うと俺は服を脱いでベッドの中に潜った。
リーダーもヘラヘラ笑いながら
ベッドに入って来たから
俺はリーダーにしがみ付く様に抱き付いた。
そしてリーダーの頬を両手で包み込んで
俺の方からキスをする。
和 「う・・・酒臭いよ。明日二日酔い決まりだな(笑)」
智 「平気だよ。今日はそこまで強い酒飲んでないもん。」
和 「それじゃ、1回だけ・・・します?」
智 「や・・・やめとく・・・」
和 「何で?そこまで飲んでないなら出来るでしょ?」
智 「ん・・・でも今日はいいや・・・」
和 「なんか・・・ショックだな・・・」
智 「えっ?」
和 「リーダーから初めて断られた・・・」
智 「ううっ・・・比べない?」
和 「え?何を?」
智 「俺、若い子と比べない?」
和 「それって、どういう・・・意味?」
智 「なんでもないっ・・・お、おやすみ・・・」
リーダーは焦ったようにそう言って俺に背中を向けた。
呆れた。俺が若い子とリーダーを比較して
自分の事嫌いになるとでも思ってるんだな。
和 「リーダー?」
智 「・・・」
和 「もう、俺のこと抱いてくんないの?」
智 「そうじゃないけど・・・」
和 「あなたがそんなんだったら・・・
俺、外で浮気しても知んないからね?」
リーダーはそれを聞いて慌てて俺の方に身体を向き直した。
智 「えっ?やだっ・・・そんなの絶対やだっ・・・」
和 「だったら余計な事考えるなよ。
俺はあなたの事だけが好きだって、
何度言えば分かるの?」
俺の説得でようやく
リーダーは俺を抱く気になった。
だけど・・・
これ以上やっぱり山田に逢ったりするのは
リーダーを不安にさせるだけだから
明日はとにかく約束しちゃって今更断れないけど
明日を最後に当分は逢わないようにしようと
俺は心の中で決めていた。
つづく