偽装の先に待っているもの,  君への想いを,  第26章

偽装の先に待っているもの⑤

第26章

偽装の先に待っているもの⑤

 

 

 
(side nino)

リーダーは俺が思ってた以上に
俺の事を分かってくれてた。

その事が俺は何よりも嬉しくて
こういう表現って本当は決して好ましくはないけど
なんだかんだ言っても山田のお陰かなって
ちょっとだけ感謝したりなんかする俺・・・。

翌日、事務所に呼び出された俺は
チーフマネに今後の対策を提案された。
マスコミへの対応はとにかくノーコメント。
山田についても一切はぐらかしてくれと言われた。

ファンに対しても、
何処かのタイミングで
お騒がせして誠にすみませんでした・・・
というような、謝罪はするけれど
世間の騒ぎ具合をみるまでは
様子見という事らしい・・・。

いずれにしても、
俺は同事務所の若手を食い物にする
プレイボーイのレッテルを貼られるわけだ。

まぁ、俺は全くそういうのは
痛くも痒くもないけれど・・・
問題は他のメンバーに迷惑が掛かるって事。
それでも今回の週刊誌の件で
俺の偽造工作については
ピリオドを打ったことになるようで
そこは内心ホッとした。

山田に対しても
今後はプライベートで逢ったりしないようにと
釘を刺されたけど、
そんなの言われなくても
俺の方から逢う気はないもの。

リーダーと同棲してるの知ってるくせに
どこまでもデリカシーのない
事務的な発言と態度に
俺はちょっとだけムッとした。

そして、数日後
いよいよあの問題の週刊誌が発売された。
俺はその日、 ダンスの稽古で
リーダーと同じ車で稽古場に向かってた。

マネージャーからその問題の週刊誌が手渡されて
表紙にでかでかと俺と山田の名前・・・
「ジャニーズの密会愛」と見出しに書かれてあった。

リーダーも当然それを一緒に見てしまうわけで

和 「あなたは見ない方がいいよ・・・」

智 「なんで?お芝居なんだから全然平気だと思うけど」

和 「うん・・・でもちょっと待って・・・」

俺は付箋紙の付いたページを
リーダーに見せないように
ゆっくりと開いた。

それは予想通り・・・とでもいうか・・・
車のフロントガラスからバッチリと写る
二人の濃厚なキスシーン。
誰が見ても、山田が攻めで俺が受けって感じ。

なかなか綺麗に収まってる感じ・・・

それが、見開いて完全に1ページを占めている。

そして、俺が山田の車の助手席に乗り込んだり
その前の夜に泊まったホテルの写真とかが
散りばめられてて・・・
ざっくり読んだ感じだと
かなり好き勝手に想像で色んな事を書かれてる。

智 「なあ・・・いいから俺にも見せろや。」

和 「絶対怒らない?」

智 「怒んないってば・・・」

和 「約束だよ?怒ったらもう口効いてやんないからね」

智 「なんでだよ?そんなに凄いの?いいから貸せっ・・・」

リーダーは力ずくで俺からその雑誌を奪い取った。
俺は終始リーダーの顔色を伺って見てた。

俺が他のヤツとキスしてる写真。
決していい気はしないよな。
これが仕事のドラマやふざけたバラエティでも
俺だったら耐えられないもの。

リーダーは無表情でその記事を読んでる。
ちょっと口元がムッと尖ってるように見える。

鼻からフーッと大きい溜息を零したリーダーは
その雑誌をポイッとシートに放り投げて
何にも言わずに俺を抱き締めた。

和 「ちょっ・・・ここ家じゃないからね?」

俺はマネージャーの目が気になって
チラッとルームミラーを覗き込む・・・。
そしたら、次の瞬間、俺の顎を持ち上げて
ブチュッと唇を重ねた・・・。

俺はその行動に驚いちゃったけど
リーダーが今直ぐそうしたかった気持ち・・・
痛いくらい分かったんだ。

俺は左手で雑誌を探して
その雑誌で必死にマネージャーに見られないように
二人の顔を隠した。

ゴメン・・・数秒だけ・・・許してね。

もう、言葉なんて無くても
リーダーが俺に何を言いたいのか
全て分かるんだ。
「おまえも大変だったんだな・・・」
そんなリーダーの俺を労う心の中の声が
そのキスで伝わったきた。

唇が離れてお互いを見つめ合うと
リーダーがまた何も言わないで
俺の肩をそっと抱いた。
俺もリーダーに凭れ掛かった。

マネージャーも・・・
そんな俺達を見て見ぬフリをしてくれた。

つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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