第27章
恋人の秘密⑦
それから暫くしてニノが迎えに来てくれて
車の助手席に乗り込んだ俺は
シートベルトを締めて
ニノの左手をギュッと握り締めた。
ニノがそんな俺の態度を不安そうに覗き込む。
和 「どうか・・・したの?」
智 「うん、いや・・・何でもない。」
和 「なんでもないって顔じゃないですけどね(笑)」
智 「はぁ~っ」
和 「どういう話だったの?」
智 「いや・・・予想してた通りというか・・・」
和 「というか・・・?」
智 「想像以上にあれはお前に惚れてるかも・・・」
和 「えっ?やだ。そうなの?」
智 「俺は少なくともそう感じた。」
和 「だけどちゃんと断るから大丈夫ですよ。」
智 「なんかさぁ、山田に嘘付いて喜ばせといてさ・・・
可哀想な気がしてきたっていうかさ。」
和 「ふーん・・・」
智 「ふーんってお前は何とも無いのかよ?」
和 「それじゃ俺達の事話しちゃう?」
智 「いやっ、それは駄目だ・・・」
和 「それなら一度だけあいつの事抱いてやるといい?」
智 「だっ、抱いてって・・・おい!」
和 「冗談ですよ(笑)」
智 「やめろよ。今そういう冗談はキツイぞ・・・」
和 「だって可哀想とかあなたが言うからでしょ。」
智 「純粋に俺達の事信じてるから、罪悪感が湧くんだよ。」
和 「あなたは優しいからね・・・」
智 「お前は?お前も悪いって思わないの?」
和 「そりゃ思うけど・・・
だからってどうする事も出来ないじゃない。
二人の関係は明かせないんだし。
同情で一晩寝て済む様な話でもないだろうし。」
智 「それは絶対許さない・・・」
和 「当たり前です(笑)」
智 「はぁ。とにかく段取りは任せろって言っちゃったからさ
お前は近いうちに山ちゃんと逢って話をつけて来いよ。」
和 「そうだね・・・。」
智 「いや、やっぱ駄目だ!」
和 「はぁ?どうしちゃったの?」
智 「だって、俺のニノが・・・」
和 「フフフッ、大丈夫だって。
何を急に弱気になってるんですか?俺の事信じてよ。」
智 「う、うん・・・」
和 「ほら、着いたよ。お風呂溜めてきたから入りなよ。」
智 「うん・・・ニノも一緒に入る?」
和 「何だよ(笑)そんな甘えた声出して・・・」
智 「いいから、一緒に入ろうよ?」
俺は車から降りてニノの手を握ると
そのまま身体を抱き寄せて口付けた。
和 「んんっ・・・家の中で・・・しようよ・・・」
智 「やだ・・・ここでするっ・・・」
和 「我儘言ってんじゃないよ。ほら、家に入るよ(笑)」
笑いながら玄関の鍵を開ける。
靴を脱いでリビングに入ると俺は背中から
ニノを抱き締めて首筋に唇を這わせた。
和 「うっ・・・くすぐったいよ。お風呂入りますよ・・・」
智 「やだ・・・一回するっ」
和 「あのねぇ・・・もう、何なのよ?その情緒不安定は。
そんなに焦んなくても俺は逃げも隠れもしないから(笑)」
焦らされると余計に身体が熱くなって
止まらなくなる。
抱き締めた腰の辺りから
ゆっくりとニノの膨らんだところに手を伸ばすと
和 「んっ・・・駄目だって・・・」
智 「俺も・・・駄目だもん・・・我慢出来ねえし。」
和 「もぉ!しょうがない人だな(笑)」
くるっと身体を俺の方に向き直して
両手で頬を包み込むようにして
唇を重ねてくるから
俺は堪らずそんなニノを抱きかかえて
ソファーに降ろし
自分の着てる服を焦りながら
全部その場に脱ぎ捨てた。
つづく