第28章
映画の仕事⑨
和 「ふはははっ・・・本気にしたの?そんな事するわけないでしょ。」
人のことをおちょくって楽しんでる。
頭にきて俺はベッドに横になり
ニノに背中を向けて怒ってるってアピールをした。
和 「あれ?怒ったの?(笑)」
智 「何でそんな嘘つくんだよ?」
和 「お前が俺に意地悪するからだよっ」
智 「はっ?」
俺はニノの言葉にビックリして
ニノの方に身体を向き直した。
智 「意地悪?俺が?・・・」
和 「しらばっくれやがって!」
智 「俺が何したっていうの?俺何もしてねえし。」
和 「こうまで言っても素直に謝れないんだったら、もういいよ。」
何なんだ?意味が分かんねえし・・・
今度はニノが俺に背中を向けた。
あー、もう面倒くさいっ・・・
俺はニノの肩を掴み
仰向けに寝かすと、彼の上に跨って見下ろした。
ニノは俺と目を合わすまいと
プイッと顔を横に向け俺から視線を逸らした。
俺はそんなニノの顎を掴んで
無理矢理正面に向かせて
不機嫌なその瞳を無視して
強引に唇を重ねた。
だけど今日のニノは頑固だ。
唇の隙間から強引に舌を忍ばせようと試みるも
口を真一文字に結んで必死で抵抗するし
両手で胸を推し返そうとして
イヤイヤと顔を横に振る。
えっ・・・何で?
強情だな・・・
俺はそれでも更に強引に
ニノの両手をガッツリ捕まえて
再び彼に口付けた。
それでもまだ俺の下で抵抗しようともがくニノ。
和 「んー・・・んんっ・・・」
智 「んはっ・・・かず・・・いい加減にしろや!」
そう言った瞬間
ニノの身体の力がフワッと抜けて
鼻でフフッと笑ったかと思ったら
俺の首にニノの腕が捲きついて
強烈なキスされた。
何なんだ?
俺はコロコロと変るニノの態度をおかしく思って
ニノから身体を離して彼の顔を覗き込んだ。
和 「どうしたの?続きをしましょうよ(笑)」
智 「な、何だよ?拗ねたりふざけたり・・・」
和 「明日のキスシーンですよ。」
智 「キスシーンがなんだよっ?」
和 「今の、なかなか上手でしたよ(笑)」
え?あ・・・そういうこと。
抵抗するニノを捕まえて強引に奪うって設定だったから
俺の事を試したな?
智 「・・・わざと、拗ねたの?」
和 「えっ?あ・・・わざとでもないよ(笑)」
智 「おいらが何をお前に意地悪したんだよ?」
和 「それは胸に手を当てて考えろよ・・・」
智 「だって何もしてねえじゃん。今日だってちゃんと
掃除、洗濯しといたじゃん。」
和 「うん、そうだよね。そこまではいいんだよ・・・」
智 「何だよ?俺なんかお前にしたか?」
和 「早く白状しなよ。何処に隠したの?」
智 「えっ?」
あ・・・俺が指輪隠したこと気付いてたんだ。
最初から分かってたのか?
智 「知ってたの?」
和 「当たり前だよ。あなたが考える事なんて全部お見通しです。」
智 「つまんねえな・・・」
和 「何処に隠したの?俺の大切な指輪・・・」
智 「教えない・・・」
和 「はぁ?馬鹿じゃないの?あれ失くしたらあなただって
頭に来るでしょ?」
智 「うん。だから、なんであんな所に置いてるんだって思った。」
和 「言っとくけど、忘れてたんじゃないですよ。」
智 「苦しい言い訳しなくてもいいよ・・・」
和 「あそこは所定の場所なんだから・・・わざと置いてたのに。」
智 「ふう~ん・・・」
和 「いいから教えろよっ。何処に隠したの?」
智 「俺を嵌めた罰だ。俺を満足させてくれたら教えてやる。」
和 「はぁ?いつからドMキャラになったの?」
智 「早く脱げ!」
和 「いいですよ(笑)
あなたを満足させることなんて朝飯前ですから。」
そう言いながらシャツを脱ぎ捨てて
上半身裸になり、俺に覆い被さるように
唇を重ねて、荒い吐息を零しながら
俺に激しく舌を絡ませた。
最初はされるがままの俺だったけど
やっぱり、俺もニノが欲しくなって
上下を入れ替わり
柔らかいニノの肌を味わってくと
和 「んっ・・・ああっ・・・駄目っ。
指輪の在り処を教えないなら
最後までイカセてやんないから。」
智 「マジか・・・」
俺は仕方なくローチェストの引き出しから
隠してた指輪を取り出しニノの左の薬指に嵌めた。
ニノは俺の顔を見てクスッと笑い・・・
和 「そこに隠してる事も、俺は実は知ってましたよ。」
智 「えええ?」
笑い転げるニノが小悪魔にしか見えず・・・
コイツにはマジで敵わないなって思いながら
疼いてる下半身を彼に教えて
続きをお願いした。
つづく