第29章
100年先も愛を誓うよ⑥
ニノの母ちゃんに一緒に風呂に入れと言われて
マジか・・・ってさすがに
幾らなんでもそれはって思ったけど
ニノが開き直って
俺の手を引いて風呂場に連れてくから
智 「さすがにそりゃマズイだろ・・・」
って、戸惑った顔で後ずさりした。
和 「あのさ、うちはそういうの本当に平気なのよ。
変に恥ずかしがると、余計いやらしく考えちゃうから
こっちも平気な顔してないとダメだよ。」
智 「そうなの?」
なんかそこの家庭にもよるんだろうな。
っていうか、ニノの実家の風呂って
2人で住んでる今の家と変んないくらい広い。
一緒に風呂入れと言われただけなんだけど
俺はなんていうか、二人の関係を
ちゃんと認めてもらえたって
じわじわと嬉しさが込み上げて来た。
和 「智?」
智 「ん?なに?」
和 「さっきの、嬉しかった///」
智 「あ・・・あれか・・・」
和 「うん・・・あれ(笑)」
和也くんを僕に下さい・・・
あれは実は夕べから寝ないで考えた
俺の精一杯のおばさんへの挨拶だったんだ。
ニノはそれがよっぽど嬉しかったみたいで
湯船の中でずっとニヤニヤが止まらない様子。
智 「んふふっ・・・本当は順番が逆だよな。
ニノにプロポーズしたのも、
挙式の日の当日ギリギリだったし
おいら、そういうの段取りが苦手なんだよ。
だからホント、おばさんに悪いことしたと思ってる。」
和 「ううん・・・おふくろも喜んでくれてた。」
智 「親ってさ、何時まで経っても子供は子供だからな。
子供が幸せなら、きっとそれが親にとっても
一番の親孝行なんじゃないかな。」
和 「そうだね・・・」
智 「孫を見せてあげれないのがちょっと気の毒だけど。」
和 「うん、それはね・・・もうどうしようもないから。」
智 「いや、わかんねえよ。ニノはなんか産めそうな気がする。」
和 「だから、もうそういうことばかり言ってたら
マジでまた想像妊娠しちゃうでしょ(笑)」
智 「んふふふっ・・・」
和 「何?またやらしいこと考えてたでしょ?」
智 「うん(笑)ニノ、飯食ったらなるべく早く帰ろう。」
和 「言うと思いましたよ(笑)」
智 「だっておいら我慢出来ないもん。」
和 「それはいいけど、お正月の温泉旅行、早めに計画しないとね。」
智 「ああ・・・それはマジでちゃんとしよう。」
和 「その前にあなたの誕生日と俺達の1周年でしょ・・・
頭ごちゃごちゃになっちゃうよ。」
智 「誕生日は何もしなくていいよ。」
和 「そうはいかないよ。メンバーだってちゃんとお祝いくれるのに
俺だけ何もしないのって可笑しいでしょ?」
智 「いいよ。ニノにリボン付けてくれたら(笑)」
和 「はあ?」
智 「おいらはそれが何より嬉しいんだから。」
和 「あ、そう?じゃあーそうする(笑)」
智 「それじゃ、洗ってやるから来いよ。」
和 「え?いいですよ///ここ俺の実家だよ?」
智 「実家だと洗って貰うのはマズイのか?」
和 「当たり前でしょ///なに言ってるのさ。」
智 「そう?それじゃ、おいら先に上がるよ・・・」
和 「どうぞ・・・」
俺に洗ってもらったりなんかしたら
多分それだけじゃ何時も済まなくなるから
拒否したな・・・?
習慣って確かに怖いな(笑)
さすがに俺もおばさん居るの分かってんのに
風呂場でニノとそういうことしねえのにな。
ニノはホント可愛いよ。
それから俺達は
おばさんの手料理をご馳走になって
お酒も結構飲みながら
ニノの子供の頃の話とか聞いたりして
楽しい団欒を過ごした。
和 「それじゃ、また来るよ・・・」
智 「おばさん、色々ご馳走様でした。」
母 「また何時でもいらっしゃい。お父さんとお母さんにも
宜しく伝えてね・・・」
智 「はい。ありがとうございます。」
母 「ちょっと、あんた達、喧嘩別れだけは許さないからね。」
和 「そんな心配いらないよ。じゃ、またね・・・」
俺達はタクシーに乗って自宅へと戻った。
智 「やっぱりちゃんと挨拶して良かったよ。」
和 「うん・・・ちょっと肩の荷が下りたでしょ。」
智 「最後にすげープレッシャー掛けられちゃったけど(笑)」
和 「本当だね(笑)女ってこええよな・・・」
智 「うん・・・だからやっぱり俺はニノで良かったよ。」
和 「そう?俺は女より怖いかもよ(笑)」
智 「んふふ。それもそうだな・・・」
自宅に着いてニノが発した第一声・・・
それは
和 「ああ~やっぱりうちが一番落ち着くねぇ。」
そう・・・
もはや俺達の家は完全にここになっていた。
それは長年住んでた実家ではなく
まだ1年しか経ってないけど
もう、ここが俺達が一番心が安らげる場所なんだ。
つづく