第29章
100年先も愛を誓うよ⑦
それから普通の忙しい日常に戻って
俺達はそれぞれの仕事して
週1,2回のペースで仕事で一緒になる程度。
だけど仕事が終わればまたいつもの様に
ニノか俺のどちらかが先に戻ってて
二人で協力して家事を両立させながら
相変わらず仲良く暮らしてる。
今日は午後から久し振りに
雑誌の企画でニノと2人だけの取材。
午前中はお互いに別々の現場に行き
昼過ぎに撮影の現場で落ち合う。
和 「リーダーッ・・・」
嬉しそうに俺を探して走り寄る。
和 「随分早かったんだね?」
智 「ううん、おいらも今着いたとこ。」
ニノがいつもの様に
俺にくっ付いてくるけど
これはもう、世間では誰もが公認してるほど
それはニノのお決まりのスキンシップだから
周りの人間も全然それを見てさほど驚かない。
『それでは、お話を伺いますね…』
和 「今日のテーマは何だっけ?」
智 「あ・・・おいらもそれ聞いてなかった(笑)」
『お二人の将来について・・・ですね。』
和 「ふうん・・・将来ねえ・・・」
『お二人は映画の共演も今年大変話題でしたよね。』
和 「はははっ・・・あれね・・・」
『実際、嵐でも2人で映画に出られるのは初めての試みだったようですが。』
和 「とても新鮮だったよね。」
智 「うん、5人の芝居は何度かやらせて貰ってたけど
二人っていうのは今まで無かったから。」
『同性愛という設定の過激な内容でしたけど、
実際演じてみられていかがでしたか?』
和 「実際って・・・(笑)あくまでも演技ですからね。」
智 「おいらは難しかったな。」
和 「どうかなあ・・・元々我々普段も手とか
繋いでたりしてるから(笑)」
『本当にお二人は普段から仲良しの様ですけど
実際にお二人で何かプライベートでエピソードとか
あったら聞かせて頂きたいんですが。』
和 「あっ、何も無いです!」
『え?そ、そうなんですか?』
ニノは絶対プライベートを話さない。
特に俺と暮らすようになってから
口が堅くなった。
『それでは、同性愛についてお二人の考えを聞かせて貰えますか?』
智 「好きなら男も女も俺は関係ないと思う。」
和 「あれっ?・・・なんか今日語りますね(笑)」
智 「ニノがもし俺と付き合って欲しいって言ったら
俺、迷わず付き合うと思うよ(笑)」
和 「はっ///おーのさん?お熱計ります?(笑)」
『それだけ今回の共演で信頼関係が出来たってことですかね?』
和 「我々、Jrの頃から考えると20年の付き合いですからね。」
『なるほど。それでは大野さんから衝撃発言も飛び出しましたので(笑)
ご結婚についてのお考え等を聞かせて頂けたら・・・』
結婚・・・
まぁ、映画に因んだインタビューだから
その手の質問が多いのは仕方ないけど
流石にニノが嫌気さした顔を見せた。
和 「子供は欲しいって思うけど、結婚は全然昔から興味ないよ。
俺は休みも誰にも邪魔されずにゲームしたいしね。」
ニノったら・・・嘘ばっか。人一倍寂しがりのくせに・・・。
『大野さんはいかがですか?』
智 「俺もニノと一緒で結婚にはあまり興味ないかな。
あ、子供は欲しいって思うこと有るけど
多分、父親参観とか絶対行けないだろうし
なんか自分が親父になってるとこイメージ出来ないよ。」
『それでは嵐のグループ、または大野さんとニ宮さんの将来の関係性は
どうなってると思われますか?』
和 「多分、俺達50歳になってもやってる気がする(笑)
コンサートとかは続けていたいよね。メンバーも進化しつつ
体力勝負にはなってくるかもだけど(笑)」
智 「うん・・・関係性はずっと変らないと思うなぁ。
一つだけ言える事は有るけど・・・」
和 「え?何ですか?」
智 「俺はニノには約束出来る・・・」
和 「はっ?り、リーダー?」
智 「おいらはニノに100年先も愛を誓うよ(笑)」
和 「きっ・・・気持ち悪いよお///」
『はははっ。素敵なお話聞けて良かったです。
今日は有難うございました。』
和 「えええっ?それが締めなの?マジで?
んもお~何なのよ(笑)」
それからスタジオでグラビア撮影してから
俺達は衣装から普段着に着替えてスタジオを後にした。
帰りの車の中で、ニノがさっきのインタビューを
振り返り、突っ込みが始まる。
和 「リーダー、あんなこと言うなんてビックリだよ(笑)」
智 「あれ、マジだよ・・・」
和 「マジなの?(笑)だったら余計怖いよ。」
智 「どうせ皆、冗談としか思わないだろうけど。」
和 「だけど、嬉しかったな。俺も同じ気持ちですよ。」
智 「ごめん、マネージャー、絶対後ろ見るなよ。」
マ 「ええっ?」
智 「1分だけ、見ないでくれ、頼む・・・」
そう言って俺はニノとワゴン車の後部座席で
濃厚なキスを交わした。
***「君への想いを」
THE END***