第三章
怖がらずに②
智 「俺はお前の事好き、じゃなくて・・・そう、愛してるの。」
和 「それ証明してくれます?」
智 「えっ、証明って・・・」
和 「そんな安々と愛してるなんて言われても、今どき証拠も無しに
信じるヤツなんて何処にも居ないですよ。」
智 「証拠とか言われても。愛してるものは愛してる。それは本当だもの。」
和 「うん、信じるよ。だったらキスしてよ。」
智 「え///いいの?」
和 「良いも悪いもないでしょ?
証拠を見せろって言ってるのは俺ですよ。」
智 「いや、いいよ。恥ずかしいから・・・」
和 「愛してるなんて言う方が恥ずかしいと思うけど(笑)」
智 「ええ~いいから信じてよ。」
和 「ダーメ、信じない。あーやっぱりふざけてるんだ?」
智 「ふざけてなんていないよ。真剣に言ってんのに・・・」
和 「そう?いいですよ。だったら信じないから。」
もう、やっぱりおちょくってるのかよ?
でも、俺は大真面目なんだ。
そこまで言うならもう遠慮なんてしねえし。
智 「もう、どうなっても知らねえぞ。」
俺は立ち上がってニノの腕を掴むと、
ニノもその場に立ち上がって、いつになく真剣な表情でお互いを見つめ合った。
俺はその身体を引き寄せてゆっくりと胸の中に抱き締めた。
そして、もう一度見つめ合い、まるで磁石みたいに吸い寄せられる唇。
頭の先から電流が流れるみたいに痺れてく。
後ろから支えるようにしてニノの頭に手を添えながら
深く忍ばせていくと、何の抵抗もなく迎え入れたニノの舌が
俺に激しく絡みついた。
和 『う・・・んんっ・・・ハァッ・・んっ・・・』
智 『んっ・・・ハッ・・・んんんっ・・・』
ああ、どうしよう・・・。
これはもうブレーキが効かない。
完全に、自分に身を委ねてくれてるニノが、もう堪らなく愛おしい。
ニノの全部が欲しい・・・俺のものにしたい。
一つになりたい。
俺はニノから一瞬離れてその顔を覗き込む。
そしたら、彼もうっとりとした表情で目を細め
まるでお替りを強請るみたいに色っぽくその唇を尖らせてみせる。
智 「ね、信じてくれた?」
和 「ん・・・大野さん、意外とキス上手だね。」
智 「そう?ニノだって上手いよ。」
そう言ったらニノの顔が真っ赤になり、
恥ずかしそうに堪らず俺から視線を逸らした。
俺はニノの手を掴んで寝室へと誘い導くと、ニノも全く抵抗する事なく着いて来た。
セミダブルのベッドの縁に2人で腰掛けてから
リモコンで部屋の灯を暗くした。
智 「あのさ・・・」
和 「なに?」
智 「お願いだから、おいらのこと嫌いにならないでね?」
和 「え?俺に嫌われるような事でもするの?(笑)」
智 「うん、今からするっ!」
和 「それってさ、嫌われないようには出来ないの?」
智 「わかんねえ。それを判断するのはニノだから・・・」
和 「そっか、いいですよ。その代わり俺、結構判定厳しいから覚悟してね(笑)」
智 「うっ、マジか・・・」
俺達はお互い顔を見合わせてフフッて笑った。
それからニノの肩に腕を回して優しく抱いた。
ニノも俺の首に両腕を回して自分から唇を近付けた。
さっきよりも激しいキスを繰り返すと
二人の熱い吐息がどんどんそれをエスカレートさせてった。
俺は興奮して思わずニノをベッドの上に押し倒し
その身体の上に覆い被さった。
そして再び甘い口付けを続けながら、
シャツの下から滑らかな素肌に触れた。
急に怖くなったのか、ニノは躊躇いがちに俺の右手を掴んで拒む仕草をみせた。
だけど俺はもうとっくにその気になってるから、今更中断とかは絶対に有り得ない。
「大丈夫だから・・・」
俺はニノの耳元でそう囁いた。
つづく