第6章
次のステップへ②
智 「なあ・・ニノ?」
和 「何ですか?」
智 「どうして俺達ってこうなるまでに
こんなに時間掛かっちゃったのかな・・・」
俺は2度目の絶頂を迎えた後
ニノを腕の中に抱いたまま
ふと、そんな疑問を投げ掛けた。
和 「それは、あなたが鈍いからでしょ。」
智 「・・・ってことはさ、お前は昔からおいらとこういう関係に
なりたいって思ってたって事?」
和 「そうかもね。」
智 「何時から?」
和 「そりゃ、若い頃よ。でも途中で違うのかな?って
俺もあなたの態度を見てたら
自分の感情に自信なくなって来たりもしてたしね。」
智 「そうかぁ・・・。もっと早く打ち明ければ良かったのか。おいらバカだなぁ。」
和 「どうだろうね?今だから、お互い大人になったから
かえってスムーズだったと私は思いますけどね・・・」
智 「それで、どうよ?おいら・・・」
和 「えっ(笑)何が?」
智 「んふふっ。だってずっと期待してたでしょ?
実際、おいらはどうよ?」
和 「もぉー。どうしておじさんは変態な質問ばっかするんだよ?」
俺は頬っぺたを両手でギューッと抓られた。
智 「いっ、痛てえよ(笑)」
和 「期待ハズレです(笑)」
智 「嘘ばっか。」
和 「それより、明日休みならさ、早速上に相談してきてよ。
俺も本当なら一緒に行きたいところだけど。
仕事忙しくて無理だから・・・。」
智 「うん・・・まともに聞いてもらえるかな?」
和 「結婚と彼女の条件は俺も付けられても構わないから。」
智 「え?いいの?」
和 「当たり前だろっ。あなた一人の事じゃないんだから。」
智 「ホントに良いの?」
和 「その代わり、絶対そうなると俺達別れるとかも
簡単に出来ないですよ。分かってるとは思うけど。」
智 「だから、お前はそれで本当にいいんだな?」
和 「いいよ。俺はね・・・」
智 「よしっ、その覚悟出来てるなら反対なんてさせない。」
和 「随分、強気ですね(笑)」
智 「明日、お前にももしかすると事務所から呼び出し有るかもな」
和 「どうかな?嬉しい報告だといいけどね。」
智 「大丈夫だよ。心配すんな。」
和 「なんか心配だよ・・・肝心な時にあなたって
言葉足りなさそう(笑)」
智 「俺だってやるときはやるよ?」
和 「フフフッ。うん、意外とそうだよね。」
智 「意外と・・は余計だ(笑)」
俺は再びニノに唇を重ねた。
和 「っん・・・またぁ?」
智 「・・・嫌か?」
いいよってニノが口を薄く開いて俺を誘い込んだ。
俺と二人でこうしてる時にしか・・・
俺にしか見せない色っぽい表情。
俺もこうなるまで気が付かなかった事が実は一杯有る。
そしてまだまだ知らない事も沢山・・・。
一緒に暮らし始めたら
きっともっと俺はニノの事が好きで仕方なくなるかも。
俺は俺で逆にニノから嫌われないように
全力でニノの事を愛して守らなきゃだな。
だけどその前に今は
目の前のニノを満足させることだけに集中する。
和 」っう・・ハァッ・・・んッ・・・りぃ・・だぁ・・・」
殺風景なニノの寝室・・・。
俺達の影が部屋の壁に写って怪しく揺れた。
それは何度と貫いても足りなくて・・・
頭の中が真っ白になる快感を繰り返し味わった。
疲れ果てるまで愛し合った俺達は
朝までピッタリと身を寄せ合って眠った。
そして目が覚めると
やっぱり可愛い寝顔のニノが隣に居る。
なんて幸せなんだろう。
やっぱり、もう離れられないな。
何としてでも今日は上を説得して
一緒に暮らすことを認めてもらう。
ニノが一緒なら、おいらは仕事も頑張れる。
それはきっとニノも同じだよな・・・。
智 『愛してるよ・・・ニノ』
そっと髪を撫でながらそう囁くと
目を瞑ったまま俺の手を握り
また、そのまま子供みたいに眠ってしまうニノ。
この幸せな二人の時間が
どうかいつまでも続きますように。
つづく