君への想いを,  新たなる出発,  第7章

新たなる出発③

第7章

新たなる出発③

風呂から出るとなんかちょっと腹が減った。
俺は冷蔵庫の中を覗いて、とりあえず家にある食材で
ニノになんか作ってあげようと思った。

とはいえ、俺も料理が得意ってほどじゃないから
簡単な炒飯くらいしか出来ないけど。

仕事がハードだからとはいえ、ニノは最近本当に
細くなりすぎだ。一時期はお腹がぽっこり出ちゃって
それが可愛かったりもしたけど
役作りにしてはちょっと心配になるくらい
痩せちゃってて、こんなんじゃ体力持たないよな。

キッチンに立って手際よく炒飯の準備をする俺。
気になってニノがそれを覗きに来る。

和 「何してるの?」

後ろから抱き付いて甘えるように俺に聞く。

智 「直ぐ出来るから待っててよ。」

和 「俺の為に作ってくれてるの?」

智 「そうだよ・・・」

和 「へえ。優しいんだ。」

智 「今頃気が付いた?(笑)」

和 「昔からあなた俺には優しいよね。」

智 「んふふふっ。そりゃそうだよ。」

俺ずっと前からニノの事大好きだったんだもん。

和 「ありがと。さとし」

俺の頬にチュッと軽く音を立ててキスをした。
なんか不思議だよな。想いが通じるまでは
お互いに恥ずかしがってたせいか
素直に「ありがとう」とか言えなかったのに
今じゃ、思ってること全部言葉にして伝える事が出来るんだから。

ニノがここまで甘えてくれるのも俺にとってはめちゃくちゃ嬉しい。
だって本当は甘えたいのを我慢してたんだなって
そう思えるから・・・。
俺も全力でそれを受け止めてあげたい。
だけど、今は料理してて手が離せない。

智 「ニノ、もう少しで出来るから、あっちで遊んでろ。」

和 「え~、つまんないよ。」

智 「ゲームでもしててよ』。」

ニノはつまらなそうにリビングに戻り
けん玉取り出して遊んでる。

智 「出来たぞぉ。」

和 「あっ、いい匂い。なんか旨そう。」

俺は出来たてのレタス炒飯を更に盛り付けて
テーブルの上に置いた。

智 「今日はお祝いだから、外で飲みたい気分だけどさ。」

和 「いいよ。外食とか出前ばっかりで飽きちゃってるから。」

智 「だよなっ。」

俺達は缶ビールで乾杯した。

和 「いっただきまーす。あー美味しい。」

智 「んふふっ。そうだろうっ。」

和 「あなたって本当に何やらせても器用だよね。」

智 「でも料理が一番苦手かも・・・」

和 「基本、面倒くさがりだよね(笑)」

智 「うん。ニノもだよな。」

和 「俺は料理とか無理。」

智 「おいらも嫌いだけどさ、ちゃんと自炊しないと外食ばっかじゃ
不健康だからな・・・」

和 「俺も暇になったら料理しますよ。」

智 「ニノの手料理、楽しみだなぁ。」

和 「Jみたいに高級食材は使わないですよ(笑)」

智 「あんなお洒落なのじゃなくていいよ(笑)」

まだまだ引越しは先だけど、二人の生活を思い描くだけで
俺達は嬉しくてワクワクした。
どんなに恋人同士になったとしても、離れて暮らしてたら
不安なことが付き纏うものなんだよな。
これからは毎日一緒に居れるんだから、そのストレスからは
解消されるんだもの。

絶対良い意味でお互いに仕事にも身が入るに決まってるし。
社長もそれはお見通しなんだろうな。

お腹一杯になった俺は暫くテレビ見ながら
ダラダラと飲み続けてた。
ニノはテーブルの上を片付けて洗いモノをしてくれた。

時計を見ると12時を廻ってた。
そろそろ寝るか・・・
俺は歯磨きをして寝室のベッドに潜り込む。
ニノも一緒に歯磨きしてたけど
なかなか寝室に来ようとしないんで
俺はリビングへニノの様子を見に行った。

ソファーに腰掛てるニノの後姿。ニノは俺が居る事に
全く気が付かない。
声を掛けようとしたんだけど
何やらボソボソと囁くような声がする。
何を独り言いってんだろ?

すると、ニノの膝の上には3冊程の台本が有った。
多分台詞を覚えてるんだ。
全く俺に気が付かないってことは相当集中してる証拠だ。

それにしても一度に3冊の台本・・・
そりゃ大変だよな。
俺には到底無理・・・。
ニノだから出来るんだ。
現場では当たり前に覚えてくる台本。

裏では血の滲むような努力・・・。
ニノは決してそれを人に知られないようにやるんだよ。

だから俺の前でも決して台本を開かなかったんだ。
俺もそれを邪魔しちゃいけないんだ。

一緒に暮らすって事は
そういう事なんだって改めて俺は思った。

俺達の職業はアイドルで
定休日もなければ現場に居ない時は遊んでると思われがちだけど
実際はそうじゃない。
完全に24時間営業だ。
俺達は同じ職業だからその大変さを分かり合えて
一緒に暮らすこと出来るけど
一般の人となると、なかなかそれは理解し難い部分だろう。

俺はニノに話し掛けるのをやめて
そのまま寝室に戻り、腹筋と腕立て伏せして
ベッドに寝転がった。
そしていつの間にか俺は眠ってて
気が付くとその隣にはニノがピッタリと身体をくっ付けて眠ってた。

つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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