第二章
心の扉開くとき④
マ 「おはようございます。ニ宮さん、珍しいですね。
大野さんちにお泊りなんて。」
和 「うん、夕べ二人で飲みに行って遅くなっちゃったからね。
帰るの面倒だから泊めてもらったの。」
マ 「こちらとしては助かりますけど。」
和 「そうだよね。現場が同じなんだから。今度から俺、
リーダーと仕事が一緒な時は毎回泊めて貰おうかな~(笑)」
智 「・・・」
マ 「大野さん?何処か具合でも悪いですか?」
和 「大丈夫じゃない?多分ただの二日酔いだと思うけど。」
俺はマネージャーからペットボトルの水を手渡されて
それを一気飲みした。
それにしても頭痛てえし・・・。
ニノだって夕べ相当酔ってた筈なのに
なんで平気な顔してんだよ?
それより、今朝のあれってなんなの?
朝からキスで起こされるなんて・・・
完全に女子がすることだろ?
和 「なんて顔してるの?お願いだから仕事中に
そんな顔しないで下さいよ。」
智 「分かってるよ・・・」
ニノは夕べの事も、今朝の事も全く何も無かったように
当たり前にゲームを取り出してそれを弄りながら
時々マネージャーと話しをしてる。
やっぱり、ニノって何を考えてるのか良く分からない。
きっと、俺の事おちょくって楽しんでるだけだよな。
ハァッ・・・と小さく溜息が出る。
そしてそんな俺を横目に見ながら
口元を手で覆ってクスクス笑うニノ。
人の気も知らないで・・・。
テレビ局の入り口で降ろされた俺達は
関係者通用口から中に入り
エレベーターに乗り込んだ。
和 「大丈夫?二日酔い・・・」
智 「ああ・・・なんとか。」
和 「昨日の事、話合わせとこうか?」
智 「え・・・あ、そうだな。」
和 「じゃ~俺と1時間位飲んだ後は
それぞれ帰ったってことにしとく?」
智 「うん・・・」
和 「あ、それから・・・Jにどういうつもりか聞いとく?」
智 「あっ、いや・・・それはもういいよ。」
和 「え?何で?」
智 「・・・」
和 「聞かないでも大野さんは分かってるって事?」
智 「いや、多分面白がってるだけだよ。」
和 「面白がる?何を?」
智 「・・・」
言える訳ねえじゃん・・・。
松潤はお膳立てしてくれた、だなんて。
俺が俯いて何も言わないから、またニノが勘付いたのか
クスクスと笑い出す。
和 「あのさぁ・・・」
智 「何だよ」
和 「まさか、昨日自分で行った事忘れてないですよね?」
智 「えっ?何を・・・」
和 「忘れたの?」
智 「だから何をさ?」
和 「覚えてないんだったら、もういいですよ!」
それからニノは超不機嫌になった。
控え室に入って衣装に着替えて椅子に腰掛けて
他のメンバーの到着を待つんだけど
俺は台本、ニノはゲーム。
お互い一切何も喋らない。
部屋の中がシーンと静まり返る。
何でそんなに怒ってるの?
昨日、俺なんか言ったか?
雅 「おっはよー。あれれ?お二人さん早いね。」
和 「相葉さん、ごめん。約束してた漫画持ってくるの忘れちゃった。」
雅 「ええ?楽しみにしてたのになぁ」
それから翔君、松潤と次々に楽屋入りする。
翔 「おはよう。大野さん顔色悪いけど大丈夫?」
潤 「ホントだ。どうかしたの?」
和 「ただの二日酔いですよっ」
潤 「はーん。で?どうだった?俺からのサプライズプレゼントは。」
智 「今その話は・・・」
和 「いいじゃん。正直にちゃんとご報告したら?」
さっきエレベーターで何の為に話合わせたんだよ?
これじゃ、話が全然違うじゃねえか。
っていうか、どうしてニノはそんなに機嫌悪いんだよ?
俺、何にもしてねえし。
潤 「報告してくれるような事があったの?」
松潤は大きな瞳をくりくりに輝かせて
身を乗り出して俺の顔を覗き込んだ。
ちょっと、もう頼むから勘弁してくれよ・・・。
つづく