Destiny,  もう一つの未来

Destiny もう一つの未来 14

Destiny

もう一つの未来 14

 

 

 
「いらっしゃいませぇー」

店内に入るなり、ちょっと香水の匂いがきつ過ぎて鼻に着いた。
ガサガサなハスキーボイスのニューハーフの人達が
数人で俺らの事を出迎える。

「わあ~おおちゃんじゃない?久し振りぃ。」

「おうっ、ご無沙汰。藍は?」

「呼んでくるから、こっち座ってて。」

露出が行き過ぎたドレスを身に着けたホステスが、
奥の方のボックス席に俺達を案内した。

「何か彼初めましてなんだけど、超可愛い。
 あたしテレビで見たこと有るぅ~。」

「は、初めまして・・・」

「おたく、前から居たっけ?」

「やだぁ。暫く来ないからってそれは無いでしょ?
 やよいちゃんです!もおー、おおちゃんその若さでボケるの
 幾らなんでも早過ぎるよ~。」

「やよい・・・?」

「もう、いい加減に藍なんかと別れてあたしとイイ事しようよ。」

そのホステスがグラスにさっさと水割りを作り始めたから、
慌てて智はそのグラスを取り上げた。

「あ、おいらは今夜はお茶でいいから。
 ニノに美味い酒飲ませてあげてよ。」

「えええ?おおちゃん飲まないの?何で?」

「いいからお茶くれ。」

ここまでの会話を黙って聞いてる限りやはり智はこの店の常連客だったのは
本当の話だって事は分かる。
それに、藍って人と智がプライベートで特別な関係だってことも
他のホステスも知ってるようだ。
やっぱり、智と藍さんはそういう関係に有るのか?
そんなことを考えて、ちょっと一人で落ち込んでると、
あの藍って人がようやく俺達の前に現れた。

「え?何?本当に連れて来ちゃったの?」

何か様子が可笑しい。
俺は智から藍さんがこの俺に会いたがってると聞いたから
一緒に着いて来たんだけど・・・

「ニノちゃん、お久し振り。」

「あ、その節はどうも・・・」

「な?分かっただろ?これでもうおいらのことは諦めてくれ。」

ん?諦めるってどういうことだ?

「ええーっ、まだ連れてきただけじゃ信じられない!」

「は?約束が違うじゃん・・・」

「や、約束って・・・?」

「あ、ニノには関係ないから気にしないでくれ。」

「えっ?」

気にするなと言われても俺の名前が出てるのに
気にしないでいられるわけがないじゃい。

「だったら今ここで証拠を見せてよ?」

「証拠?ニノをこうして連れてきたことが証拠だ。」

「そんな小学生みたいな嘘を誰が信じるのよ?
 おおちゃんの話が本当ならば、今ここで二人でチューして見せてよ。
 そしたら信じてあげるわ。」

「お、お前は馬鹿か?」

ま、待って。
一体この人達は何の話をしているの?
え?チューって誰と誰がすんの?

「お前なぁ、汚ねえぞ!」

「ほーら。やっぱりその場凌ぎで騙そうと思ってたんでしょ。
 本当に恋人ならチューなんて全然普通に出来る筈じゃん。」

「ひ、人前で出来っかよ。もうニノ帰ろう。こいつ話になんない。」

智が真っ赤な顔してその場から立ち上がった。

「え?で、でも、今来たばっかりなのに?」

「そうよ!おおちゃん、逃げるつもり?
 逃げるんなら別にそれでもいいけど。それならそれで、あたしも
 おおちゃんの事は絶対に諦めないからね。」

「んもう、面倒くせえなぁ。分かったよ。証拠見せりゃいいんだろ?」

智はそう言うと、俺の耳元に小さい声で囁いた。

「悪りぃけど、ちょっとだけ協力してくれ・・・」

「えっ?」

協力って何のこと?
さっぱり言ってる意味が分からなかった。

そして次の瞬間、智は俺の頬を両手で包み込んで
じっと俺の目を見つめた。
え?いや・・・これってもしかして?

あれこれと頭で考える暇も無かった。
あとはホント瞬殺・・・
智の柔らかい唇が俺の唇に重なっていた。


つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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