Destiny

Destiny もう一つの未来 17

Destiny

もう一つの未来 17

 

 

 
その夜は、智を寝室のベッドで休ませて俺はソファーで一夜を明かした。
智が同じ屋根の下で寝てると思うと、なかなかすんなりと
寝付けなかったけど、それでもいつの間にか眠ってて
気が付けば朝になっていた。

時計を確認したら、まだ6時半だった。
今日の仕事は打ち合わせだけだから、集合は午前11時だけど
その前に智を病院へ連れてって、仕事に間に合うようにしないとだ。

俺はまだ少し眠い目を擦りながら顔を洗って
朝飯の準備を始めた。

普段はコーヒー飲んで食パン焼いて食べるくらいのことしかしない。
でも、智の為に今日は特別に何かまともなご飯作ってみようと
キッチンで試行錯誤しながら料理をしていると
7時過ぎた頃に寝室の扉が開いて、智がぬるっと姿を現した。

「おはよ・・・」

「あ、おはようございます。夕べは眠れた?」

「うん・・・悪りぃな。おいらばっかりベッド使っちゃって。」

「ううん。それは良いけど、薬とか飲まなくても
 眠れたじゃん。」

「ホントだ。何でだろ?」

「よっぽど疲れてたんですよ。」

「そうかなぁ・・・。あれじゃね?」

「はっ?」

「ニノの匂いだよ。」

「えっ?匂いって・・・」

「布団がね、ニノの匂いした。」

「えええっ?俺は無味無臭だと思ってたけど。」

「なんかさぁ、落ち着けるっていうの?」

「な、何それ?」

言ってる事が嬉しいのは嬉しいんだけど恥ずかし過ぎて、
俺はそれ聞いて真っ赤になった。

「あ、顔洗ってきなよ。もう直ぐご飯出来るから。」

「へえ・・・ニノって料理するんだ?」

「しますよ、わたしだって。」

何か・・・こういうの悪くないって思ったりした。
朝から好きな人に食事準備してあげるなんて
柄じゃないって思ってたけど、ちょっとだけ恋人になれたような
変な錯覚に陥ってしまう。

事情がどうであれ、ここに泊ってくれた事で
こんなに幸せな気分になれるんだもの
俺ってやっぱり、智の事が好きなんだなって再認識してしまう。

テーブルの上に向かい合わせに朝食を並べて
何時でも食べれるようにセッティングした。

「うわぁ。美味そうじゃん。」

「それじゃ食べましょうか。」

「うん、頂きまーす。」

「どう?味付けは大丈夫?」

「めっちゃ美味いよ。」

「良かったぁ。味噌汁とか久々作ったから。」

「ニノは良いお嫁さんになれるぞ。どうだ?おいらの嫁さんになるか?」

「えっ///や、やだなぁ。冗談やめて下さいよ。
 俺も一応男ですよ?」

「おいら冗談なんかで言ってないよ。」

「はぁ?」

「おいらはニノとなら結婚したいけど。」

「な、何朝から馬鹿な事言ってんですか?」

「おいら、こんなんだけど、お前のことちゃんと幸せにする自信ある。」

「お、大野さん?」

「なーんてな(笑)」

「な、何だよ!やっぱふざけてるじゃん!」

「だって・・・そんな困った顔されりゃ、ふざけるしかないじゃん。」

俺、困った顔してたんだ?
自分では驚いたっていうか、嬉しすぎて泣きそうになったんだけど。

「リーダーって、同性に興味あるんすか?」

「え?どうして?」

「だって、藍さんも言うて男なわけでしょ?」

「あいつはどっちでもないよ。」

「んまぁ、ニューハーフだもんね。」

「そうじゃなくて、あいつを恋愛対象として一度も見たこと無いよ。」

「ふうん。それじゃどうしてプライベートで仲いいの?」

「あいつはただの友達。」

「藍さんはリーダーの事好きなのに?」

「だから困ってたんじゃん。おいらその気持ちには応えられないもん。」

「それはオカマだから?」

「いや、そういう理由じゃないよ。」

「それじゃどういう理由なの?」

「それは・・・」

「ん?」

「それはだな、おいら他に好きな人が居るから。」

「へ、へえ・・・」

自分から色々質問しておいて、一番聞きたくないワードを
この人の口から導き出してしまって後悔する。

「誰だと思う?」

「お、俺が知ってる人ですか?」

「うん。」

「へぇ・・・誰だろう?」

俺が知ってる人だなんて。
もう、出来ればこれ以上聞きたくないよ。
俺の想いとは真逆。
直ぐにでも俺にその相手の名前を言いたそうな顔。

「あっ!そろそろ病院始まるね。行こうか?」

「えっ?あ、ああ・・・」

ギリギリなんとか俺はその地獄みたいな会話から逃げ出した。
完全に逃げ出したつもりだったのに
俺の車で病院へ向かう途中・・・

「さっきの・・・誰か分かる?」

って、ニヤニヤしながら運転する俺に問い掛ける。

「ええっ?分かんないよ。」

「おいらね、ずっと前からその子のことが好きだったんだけど
 多分さ、その子もおいらのことが好きなんだよねぇ。」

「え・・・誰だろう?俺が知ってる人でしょ?」

「多分一番知ってる。寧ろおいらより知ってるかも。」

智と共通の知り合いで俺の方が仲イイ女の子なんて居たかな?

「わっかんないですよ。その人に打ち明けたの?」

「いや・・・でも今から告ろうかと思ってる。」

「へ、へえ。今って、今は無理でしょ?」

「お前もホント鈍いな・・・」

「ええっ?」

「おいらが好きな人はなぁ・・・」

「もう、何だよ?勿体ぶるなら教えないでいいですよ!」

「ニノだよ。」

聞き間違い?いや・・・確かに・・・
俺の耳が異常とかじゃないなら智は間違いなくそう言った。

つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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