Destiny,  もう一つの未来

Destiny もう一つの未来 18

Destiny

もう一つの未来 18

 

 

 
それは突然過ぎる告白だった。

「おいらが好きな人はニノだよ。」

「えっ・・・もう、またまたぁ。なぁーんてね・・・
 でしょう?」

「いや、おいらは真剣。」

「し、真剣って・・・」

こっちは今運転してるし、こんな状況で言われても
どこまで信用出来るかって話だよ。
だってよそ見出来ないし、表情も伺えないんだもの。

「おいら、路上ライブで知り合った時から
 ニノの事ずっと気になってた。」

「う、嘘?」

「ホントだよ。」

「どーして今頃なんですか?」

「どうしてだろうな。多分、ずっと傍にいれるだけで
 満足だったのかも・・・」

驚いた。だってそれって・・・全く俺と同じ理由じゃん。

「おいらの中で、ニノはとにかく大事な宝物みたいな存在だった。
 誰にも触れさせたく無いし、傷を付けられたくないっていうか。
 んふふふっ、何だろうね?自分でも同性にこんな気持ちになったのは
 生まれて初めてっていうかさ・・・」

「か、仮にですよ?それが本当の話だったとしてね、
 リーダーは俺とどうしたいの?」

「付き合いたい。ううん、結婚したい。」

「はっ?」

「返事は直ぐにじゃなくていいよ。おいらは本気だから。」

「え、ええっと・・・その、悪いけど俺今運転中なんで・・・
 その話はまた後でゆっくり聞きますよ。」

「んふふ。ゴメン、そうだよな・・・」

流石に今の話は冗談には聞こえなかった。
内心、信じられないのと嬉しいのとで胸がドキドキするし
勝手に顔が緩んでしまいそうになるのを俺は必死で堪えた。

なんとか平常心を保って都内の有名な病院まで運転した。

「さっ、着きましたよ。行きましょう。」

「う、うん・・・」

俺達は車を降りて、病院の受付を済ませた。
思ってたより患者が多くて、打ち合わせに間に合うか
ちょっと心配になってきた。
智にさっきの話の真意をちゃんと確認したい。
でもここじゃ周りに人も居るし流石にそれは無理だ。

それにしても突然の智の告白。
元々俺だって好きだったんだから、嬉しくないわけがない。
今は病気の原因を調べに来てるというのに
不謹慎にも顔がにやけて仕方ない。
待合いの椅子に腰掛けて、智は雑誌を読み始め
俺はスマホを取り出してゲームを起動させた。
それから30分程待って、ようやく智が診察室に呼ばれた。

「大野智さん、1番の診察室にお入りください。」

「じゃ、ちょっと行って来る。」

「うん、俺はここで待ってますね。」

智は昨日の症状から心療内科を受付で勧められた。
記憶が飛ぶって事は、俺は専門家じゃないから分からないけど
脳神経的なことが関係してるようにも思えるんだけど・・・

この分だと打ち合わせにはギリギリ間に合うかな。
そんな事を考えていたら、20分程経って、
智が深刻な顔つきで診察室から出て来て
無言で俺の隣に腰を下ろした。

「随分遅かったですね。で?どうだったの?先生、何だって?」

「ニノ・・・あのさぁ・・・」

「はい?」

「おいら、もう今の仕事出来ないかもしんない。」

「えっ?」

「おいらの病気、想ってた以上に深刻らしい。」

「はっ?」

「明日、家族連れてもう一度来いって。」

「まっ、待って。病気って・・・一体何て言われたの?」

「〇〇〇〇〇・・・だって・・・」

智が力なく俺に伝えた病名・・・それを聞いた俺は
途端に頭の中が真っ白になって完全に言葉を失った。
それはまさに・・・
さっきの幸せから一気にどん底へ突き落された気分だった。


つづく

 

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


%d人のブロガーが「いいね」をつけました。