Destiny

Destiny もう一つの未来 24

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もう一つの未来 24

 

 

 

 
「おばさーん、こんにちは。」

「あら、裕樹くんじゃないの?」

「おおちゃん帰ってるでしょ?」

「えっ?智なら近所のコンビニに行ったけど・・・」

「ほら、ビンゴ!」

藍さんは俺の方を振り返って親指を立てた。
藍さんの本名は裕樹っていうんだな。
見た目普通に女性だから違和感が有るな。
智のお母さんも普通に接してるから
藍さんは本当に智の幼馴染みなんだろう。

「あら?そちらは智のバンドの・・・」

「初めまして。二宮です。いつもリーダーにはお世話になってます。」

「いえいえこちらこそ、智がお世話になってます。
 今日はどうなさったの?」

「リーダーと連絡が取れなくて、藍さんがここじゃないかって・・・」

「とにかく散らかってるけど上がってお茶でも飲んでって。
 智も直ぐに戻ると思うから・・・」

「おばさん、おおちゃん勝手に外出なんてさせていいの?」

「大丈夫でしょ。一人でここにも帰って来たんだし。
 今直ぐにどうにかなる様な症状でもないって
 お医者さまもそう言ってたし・・・
 とにかくこんな所で立ち話もなんだから
 上がってちょうだい。」

「コンビニでしょ?心配だからニノちゃん様子見てきたら?」

「う、うん・・・」

俺は藍さんにそう言われて一人で智をコンビニまで探しに行った。
智の実家から歩いて5分程のコンビニ。
俺は中に入ってキョロキョロと店内を見回したけど
智の姿は見当たらない。

参ったな・・・
ここに居ないとなると、何処へ行っちゃったんだろう?
携帯も持ってないのに、もしも帰れなくなったらどうするんだよ。

頭の中で最悪の事態を考えてしまう俺は
急に不安になって、とりあえず店の周辺を歩いて探して回った。
そして、諦めて一旦智の実家に戻ろうとした時だった。
自宅と反対方向に位置する場所に腕組みして立ってる
智の姿をようやく見つけた。

俺は全力でその場所まで走った。
智は俺に気付くこともなく何かをジッと覗き込んでいた。
そこは古い画材専門店だった。

「リーダー?」

「え・・・あぁっ?ニノ?」

「えっ、じゃないよ!何やってんすか?」

「な、何って・・・散歩だけど・・・」

「人が・・・どれだけ心配したと思ってるんだよっ!」

「えっ・・・」

俺はそう言いながら智の身体を抱き締めていた。

「二、ニノ?」

「俺、今日病院まで迎えに行くって言いましたよね?」

「あ、うん・・・」

「覚えてるんだ?」

「覚えてる・・・」

「それじゃ、どうして勝手に退院して実家になんて戻ったりするんですか!」

「ご、ごめん。」

「俺が一緒に居ると迷惑?」

「えっ、あ・・・いや、そーいうことじゃ・・・」

「だったら何なの?どうして逃げたの?」

「に、逃げるっていうか・・・あのさ・・・ニノ?」

「何ですか!」

「と、とりあえず離れようか?人が見てる。」

「構いませんよ!人目なんか俺、全然平気です。」

「いや、ほらマスコミに書かれたら大変だよ?」

「平気です。」

「ニノ・・・」

「あなた、俺に打ち明けたの、あれ冗談だったの?
 俺の事おちょくってたんですか?」

「いや・・・冗談ではないけど・・・
 あの時はまだ病気だって分かってなかったからさ。」

「は?」

「その、ほら・・・今からおいらどうなるか分かんないし
 ニノの足手まといになるだけかもしんないじゃん。」

「それで?」

「それでって・・・」

「言いたいことはそれだけ?」

「そ、そうだけど。」

「帰りましょう。」

「か、帰るけど、ニノがどうしておいらの実家とか知ってるの?」

「藍さんが案内してくれた。」

「あ、そうなんだ。」

「おばさんに救急搬送されたこと、話したの?」

「あ、いや・・・まだ。」

「話す必要はないからね。それ聞いたらあなたに実家に戻って
 暮らすように言うに決まってるから。」

「え?」

「あなたは俺と帰るんですよ。あなたのマンションにね。」

「いや、だからさ・・・」

「俺も・・・言ってなかったけどあなたの事ずっと好きだった。」

「えっ?」

「だから俺はあなたが病気だと知ったからといって、
 あなたから離れるつもりはないよ!」

ここで言わなきゃ何時言うんだって勢いで
遂に俺も打ち明けてしまった。

つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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