恋愛小説,  黄色い泪

黄色い泪⑧

恋愛小説

黄色い泪⑧

 

 

 

「あの、俺は初めて会った時から、あなたのこと好きでした・・・」

「え?」

大野さんの足がピタリとその場に止まってしまった。

あー、どうしよ?言っちゃった。どうせこれって、ゴメンなさいって断られるパターンなんだよ。それでも、俺は言っちゃったから後には引けない。

右手を大野さんの前に差し出して

「お願いしますっ!俺と付き合って下さい!」

って、俺なりに必死さが伝わるように頭を下げた。頭を下げてるから表情は見えないけど、大野さんが驚いてるのは確かだ。

その証拠に暫く沈黙が続いた。

何秒くらい時が止まってただろう?もう、俺も必死だったから覚えてないけど、

「マジか・・・うん。本当に俺で良ければいいよ。」

と言って、俺の手を握った。俺は驚いて顔を上げて大野さんの様子を伺ったら、大野さんは照れくさそうに頭を掻きながら俺と握手した。

「ほ、本当に?」

「んふふっ・・・そっちこそ本気なの?」

「こ、こんなこと冗談で言えるわけないですよ///」

「あ、だけど俺、付き合うって言っても何したらいいか分かんないよ?俺、何したらいいの?」

「何したらって・・・俺のこと、いっぱい好きになって下さい。」

「フフッ、俺も最初っからカズのことは可愛いって思ってたよ。」

「本当にですか?何か信じられない、夢みたい。ああ、超嬉しい!」

「んふふふっ。なんか照れちゃうな。」

「そうだ!携帯、教えて貰えますか?」

「ああ、うん、いいよ。」

大野さんはポケットからスマホを取り出して俺に手渡した。

「そこにカズの番号入れて。」

俺は大野さんのスマホに自分の電話番号を素早く入力した。大野さんは、直ぐにその番号をタップして俺に電話を掛けた。

マナーモードにしてる俺のスマホがブルブルと震えた。大野さんと俺の携帯が繋がった証拠だ。

「それが俺の番号ね。登録しといて。」

「はい!あの、後でLINE繋いでもイイですか?」

「うん、いいよ。」

こんなにうまく行くとは思っていなかったから、嬉しすぎて足が震えてる。涙が出そう・・・

「さて、高橋に何て言い訳すっかなぁ・・・」

「あ・・・なんか、あなたの立場悪くしちゃいましたね。ゴメンなさい。」

「ううん。気にしないでいいよ。ちゃんと説明すれば分かってくれるだろ。」

「それならいいけど。」

出来る事なら、まだまだ一緒に居たいんだけど、俺の自宅は皮肉にもそのファミレスからそんなに離れてなくて、あっという間に我が家に辿り着いてしまう。

「あっ、ここです・・・」

「へえ・・・結構近いんだね?」

「あの、送ってくれてありがとうございました。」

「うん。それじゃ、俺も帰るね。また明日・・・」

「あ、あの・・・」

「ん?」

「後でLINEしてもいいですか?」

「んふふっ、いいよ。」

「じゃ、気を付けて。」

「うん。またね・・・」

俺は大野さんの後ろ姿を見えなくなるまでずっと見送った。

なんだか今でもまだ全てが信じられない。だって、何も悩まずに一つ返事で付き合っても良いと言ってくれた。

やっぱり、大野さんも俺の事は少しは意識してくれてたってことでしょ?そうじゃなきゃ、こんなに簡単に恋愛が成立するはずがないもの。

「お帰りカズ君、遅かったじゃない。ご飯さっさと食べなさい。」

「あ、ただいま・・・飯はいらない!」

「またあんた食べてきたの?どうして先に電話しないのよ。」

「ゴメン、今それでころじゃないんだ!」

「あんた、野球辞めたんなら塾でも行きなさいよ。」

「あ、母さん、俺演劇部に入ったから。」

「演劇?あんたが?」

「うん、だから暫く帰りはこれくらいになるから・・・」

「何で勝手にそういうことを決めるのよ?野球出来ないなら大学受験に切り替えるのが普通でしょう?」

あー、もう親から何言われても構わないよ。今は幸せ過ぎて何も耳に入らない。

俺は母さんの小言から逃げる様に二階の自分の部屋に駆け上がった。

制服を脱いで部屋着に着替えると、スマホを取り出してさっきの着信履歴から大野さんの番号を電話帳に登録した。

大野さんもそろそろ自宅に着いた頃かな?

俺はLINEを繋いで、早速大野さんにメッセージを入れた。

 

=さっきは、ご馳走様でした。そのうえ送って貰い、ありがとうございました♡♡♡

今度、良かったらちゃんとデートしませんか?=

ハートは余計だったかなぁ?でも、付き合ってるんだからいいか・・・

ニヤニヤしながら5分位待っても既読にならないから、まだ帰宅してないのかも。

仕方なく俺は先に風呂に入ることにした。急いで風呂から出て、スマホを確認すると大野さんから返信が来ていた。

「なになに・・・?」

=今度の休み、家に来るか?=

何て短い文章・・・だけど、どんな言葉よりも俺にとっては嬉しいひと言が記されていた。

俺はあんまり嬉しくてベッドの上にダイブして馬鹿みたいに手足をバタバタと動かして喜んだ。

もぉー本当に何なのよ?大野さんのエッチ!!

いきなりデート跳び抜かして家ってヤバくないか?まぁ、大野さんがその気なら俺も覚悟は出来てるけど・・・

=行きます!絶対!例え何があっても、死んでもお邪魔します!=

と、返信したら(笑)と一文字だけ返って来た。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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