ラブソングは君と,  第5章

君の中の真実⑪

第5章

君の中の真実⑪

 

しんと静まり返ったリビング。電気も点けないでソファーに寝転んで天井を見上げボーっとしてるうちに辺りはすっかり暗くなってしまった。

ニノを追い出しておきながら、自分で自分が許せない。ニノはやっと出会えた俺の運命の赤い糸だったんじゃなかったのかよ?

ソファーから何かを思い出したかのように俺は飛び起きて、ニノの部屋の扉を開けに行く。

クローゼットの中に吊るされてた洋服やテレビに接続されてた筈のゲーム機も何もかも無くなってて、本当にニノは出てってしまったんだって思い知らされる。

相葉君から連絡がないところをみると、恐らくあの後ニノは相葉君の家に行ったはず。お願いだからさっきのは冗談だって、笑いながら帰ってきてくれよ。

そんな俺の思いも虚しく、ニノはその日帰ってくることは無かった。

そしてその夜、俺は一睡もすることが出来ないまま朝を迎えた。

「先生、おはよーございます。あれ?二宮さんは?モデルのお仕事って今日からでしたっけ?」

「え?あ、おはよう。う、うん。今日からニノは仕事だよ。朝が早いし夜は遅くなるみたい。」

俺は平気で奈緒ちゃんにそんなウソをついた。

「先生?大丈夫ですよ。二宮さんが居ない間は私が以前みたいに身の回りのお世話してあげますから、安心して下さい!」

「あ、ううん。そ、それはニノが勘違いするから、やめてくれる?」

「確かに。二宮さんってヤキモチ凄そうですものねぇ。分かりました。残念だけど外野は引っ込んでますね。」

「ず、随分奈緒ちゃん、ものわかりが良くなったね?」

「あ、今私二宮さんと同盟結んでますから!」

「同盟?あっ!奈緒ちゃん?ニノにもしかして何か言った?」

「えっ?な、何のことでしょうか?」

「もう分かってるんだ。頼むよ。ニノに何を言ったのか教えてくれないかな?」

「わ、私は本当に何も・・・あ、あの新入りの彼の事は確かに言いましたけど。」

「何て言ったの?」

「気を付けた方がいいわよって。」

「それだけ?」

「ど、どうしてですか?二宮さんに直接聞かれてるんじゃないんですか?」

「ね?教えて!何を言ったの?」

「わ、私は、二宮さんが不在中、ちゃんと彼の事を見張っとくって言っただけです。」

「本当にそれだけ?」

「それだけですけど・・・」

「そうか。」

「先生?二宮さんと何か有ったんですか?」

「あ、いや。何でもないよ。」

やっぱり、ニノは実家に行く前はヤキモチ妬いてくれてたり、至って普通だったんだよな・・・

うちの親だってニノとは殆ど会話したというわけじゃないのに・・・一体何がニノにあんなことを言わせたんだろう?

俺の事をいいように利用してたなんて、絶対にそんな子じゃない事はこの俺が一番知ってるのに。

口先でああいうこと言われたからって、出て行けなんて・・・俺はなんて最低な男なんだろう。ニノが俺に嫌気がさして自分から出て行くのも時間の問題だったのかもしれないな。

「奈緒ちゃん?今日さぁ、ちょっとおいら外出する用事があるんだけど、山下君の引継ぎがまだ完全に出来てないらしいから、おいらが居ない間彼の仕事を見てやって欲しいんだけど。」

「え?どちらに行かれるんですか?」

「え?あ、ちょっと野暮用で実家に行って来る。何かあったら電話してくれていいから。」

「わ、分かりました。」

実家に行くと言うのは真っ赤な嘘だ。本当に俺が行きたいのはニノのアパートだ。まだモデルの仕事は明後日からとか言ってたから、もう一度話し合うチャンスが有るとしたら今しかないと俺は思った。

電車を乗り継いでニノのアパートに向かうと、玄関のドアノブには引っ越しされた後のような、ガスや水道の新しい入居者用の書類がぶら下がっていた。

「な、なんで?」

俺はただ驚きを隠せず、呆然とその前に立ち尽くしてた。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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