この指とまれ

この指とまれ 13

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この指とまれ

第13話

 

 

「安心してください。俺、誰にも言いませんから・・・」
「えっ・・・」

ちょっと待て!それは誤解だ。
俺は何もしちゃいないんだ。その言い方は、どう考えても俺がニノに
まるでふしだらな事でもしたかのように聞こえるんだけど。

「あ、あのさ・・・俺は確かに夕べ飲んでたけど・・・」
「お酒ね?うん、酔っ払った勢いなんでしょ?分かってますって。」
「いや・・・その・・・そういう事ではなくて。」
「え?どういうことですか?」
「あ・・・いや・・・」

何というか、こうなるとやはり必死で真実を訴えたとしても
それはかえって言い訳してるようにしか受け取って貰えないだろう。
俺は説明するのも面倒になったというか、もう正直な話諦めていた。

「うん、酔っ払ってたからあんまり覚えてない。」

と、心にも無い嘘をついた。

「だけど俺もあなたがいつ俺のベッドに入って来たとか全然分かんなかったんで
正直何されたかも覚えてないんですよね。」
「な、何もしてないよ?」
「あれ?あなたは覚えて無いんですよね?」
「お、覚えてないけど、絶対にそれはないって。」
「ウフフフ、何もそんなにムキになんなくたって。」
「だって、俺もニノも男だよ?そんな事すると思う?」
「だから分かってますって。」

全然分かってる顔じゃないし。
可笑しいの堪えながら話してるじゃねえか。

「こ、今夜は別々で部屋を取ろうか?」
「え?いいですよ、そんな事しなくても。」
「でも・・・」
「だって別室を頼んだりしたら自腹なんでしょ?勿体ないですよ。」
「そうだけど・・・」
「今夜は飲まなきゃいいじゃないですか。」
「そ、そういう問題かなぁ?」
「だって酔っ払って間違えて俺のベッドに寝てたんでしょ?」
「う、うん・・・」
「もう忘れましょう。夕べの事は。人間誰しも失敗は有るものです。
そんな小さい事気にしてたらこの先やっていけませんよ。」

ニノがベッドから落ちかけなきゃあんな事にはなってなかったのに。
まるで俺の失敗みたいな言い方されて、当然納得なんて出来なかった。
だけど反論しそうになった自分をなんとか抑えて
それ以上その話題には触れなかった。

そしてその夜、俺は1滴の酒も飲まずに早めにベッドに入った。
こうして二日間の出張は無事に何とか終了して、午前中の飛行機で
俺達は東京へと戻り、午後には会社に到着した。

「ただいまー」
「あ、お帰りなさい。宮古島どうでしたか?」
「めっちゃ暑かった。」
「おおちゃん、二宮くんお帰りぃ。別室取れた?」
「あっ、いや・・・あのまんまツインに泊まった。」
「へえ・・・そうなんだ?」
「な、なかなか広くていい部屋だったよ。あっ、ニノ、風磨にシェフから預かった
メニュー表渡しといてくれるか?」
「分かりました。」

「菊池君、これ宮古島のシェフから預かったメニュー表です。」
「・・・二宮さん?」
「ん?何?」
「あの、あんまり調子に乗んないで下さいね。」
「えっ?」
「同じ部屋に泊まられたそうじゃないですか。」
「あっ、うん。それがどうかした?」
「あなたが同行出来たのはたまたま俺が仕事重なってたからです。
きっと今回だけなんで。勘違いされない方が良いですよ。」
「えっとぉ・・・ごめん、それってどういう意味?」
「どういうって・・・」
「おーい、ニノ!」
「あっ、はーい。・・・ゴメンね。大野さん呼んでるから話はまた後で・・・」

ニノと風磨が何話してたかはちょっと離れてて分かんなかったけど
ニノはちょっとニヤニヤしながら俺の元に戻って来た。

「どうかしたの?」
「えっ?・・・いや、別に何もないですよ。」
「そうそう、向こうで貰ってる領収証を整理してくれる?
経理の長谷川君に出さなきゃなんないから。」
「了解です。」

そして俺達は定時まで出張の後処理の仕事に追われた。
その後、相葉君が段取りしてくれたニノの歓迎会の会場へと移動した。

 

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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