この指とまれ

この指とまれ 27

この指とまれ

第27話

 

side nino

 

昨日から俺はずっとイライラしてる。
今日、あいつが昨日と同じ服装で会社に出てきてた事で
更に俺のイライラは増幅してしまった。
俺はきっとああいう菊池みたいなタイプが苦手なんだ。
だって今まで生きてきて、俺の周りにああいうタイプは居なかった。
自分にとっていくら目障りな存在だからといって、俺のプライベートな事まで調べたあげく
人の人格まで否定するようなヤツは何も信用出来ない。
そんなあいつのことを受け入れようとしてる大野さんが
俺はきっと許せないんだって思う。
大野さんとはたまたまプライベートで先に知り合って
かずゆきがとてもあの人に懐いたって事も有るんだけど
これは勝手に俺がそう思っちゃってる事なんだけど
あの人はどことなく身内感っていうか、
何か一緒に居て他人とは思えない安心感みたいなものが有る。

大野さんが誰を好きになろうとそれはあの人の自由。
俺は大野さんにそう言ったけど、あれは何か多分・・・
自分自身に言い聞かせてたんだと思う。
このイライラはヤキモチなんだって事、俺はもう気が付いていた。
離婚に纏わる争いが続いてた最中、あの人に出会った俺は
精神的にちょっと疲れてたのも有るけど
甘えたかったんだと思う・・・
宮古島のホテルで起きた出来事は、勿論全て分かってわざとやった。
大野さんには悪いとは思ったけど、ベッドから落ちそうになった俺を
抱きかかえて元の位置に戻そうとしてくれた時、
実は流石にあの時、眠りから覚めていた。
凄い身勝手なのは分かってたけど、俺は大野さんの優しさに甘えたかったんだと思う。
初めの感情はその程度だったのに、あいつが俺に対して敵対視して噛みついて来たものだから
俺は自分の感情をコントロール出来なくなっていた。
自分でも不思議なんだけど、あんなやつには負けたくない。
次第にそんな感情まで芽生えてきてしまってた。

俺が代表の部屋を退席してから、暫く経つけど大野さんはまだデスクに戻って来ない。
まだ俺の事で代表と何か話してるんだろう・・・

「二宮君、今度の週末の夜って何か予定有る?」

同じ企画の松本さんが俺に話し掛けてきた。

「今週末・・・ですか?」
「うん。」
「え?何か有るんですか?」
「合コンなんだけど、頭数足りなくて困ってんだよね。」
「ご、合コン?」
「もし予定なければどうかなって思って。」
「で、でも俺は独身じゃないけど・・・」
「あ、勿論頭数合わせるだけだし、結婚してるとか内緒にしといてくれて大丈夫だから。」
「いや、でも俺そういうのは・・・」

しっかりここは断ろうとしていたら横からシッカリあいつが割り込んで来た。

「二宮さん、既婚者というよりもう独身でしょ?あ、子供さんは居るけど。
再婚相手、真面目に探したらどうですか?お子さんの為にも
早く次のお母さんは探した方が良いと思いますけどね。」

余計なお世話だ。

「ええ?二宮君ってバツイチなの?」
「え、ええ・・・まぁ・・・」
「それなら尚更参加しなよ。出会いが有るかもしんないよ。」
「そうだ、菊池君が行けば?」
「俺はイイですよ。俺には彼女とか必要有りませんしね。」
「なぁ、二宮君頼むよ。何とか参加してくんない?」

丁度そんな話をしていると、タイミング悪く大野さんがデスクに戻って来た。

「何?何の話してたの?」
「あ、大野さん。二宮さん合コンに誘われてたんですよ。
次の金曜日だそうです。」

マジで余計な事ばっか言いやがって。

「ふ、ふうん・・・合コンかぁ。ニノ行くの?」
「え・・・あ、ハイ。参加させて貰います。」

もう、俺は何言ってんだよ。

「おっ、ホント?そりゃ助かるよ。それじゃ時間と場所は後で連絡するから
間違いなく空けといてね。」
「う、うん・・・」

成り行きとは言え、ちっとも行く気の無かった合コンに
つい行くと軽はずみにも返事をしてしまった俺。
何も知らない松本さんは参加すると言った俺の返事に上機嫌で自分の席に戻っていった。

 

 

つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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