この指とまれ

この指とまれ 39

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この指とまれ

第39話

 

 

「ええええっ?それホントなの?」

これはいつもの事だけど・・・
翔ちゃんは驚きの表現がかなりオーバー気味になる。

「分かんないよ。でもニノがそう言うんだからそうなんじゃないの?」
「ま、ま、待ってよ。それにしても俺達のシナリオには無い展開だよな。
それで?あなた何て言ったの?」
「そんなの決まってるじゃん、分かったって言うしかないもん。」
「そ、そうだよな・・・えー、でもさぁ、それって本当なのかなぁ。
だって、あなたの話を聞いてるとさ、一度は俺の話をしてる時、
微妙な反応だったって言うじゃない?」
「う、うん。最初はおいらニノが妬いてくれてるって思い込んでた。」
「でしょう?って事はだよ、大野さんの気持ちがもう自分に向いて無いと分かって
それでちょっとやけくそになって口から出まかせ言った可能性も無くはないよね。」
「そうかなぁ。でもさ、まさかニノも俺に話が有るとは思わないじゃん。」
「あなたの話を先に聞いたところがポイントだと思うけどな。」
「え?どういう事?」
「あなたの相談次第では、実はもっと他の話を用意してたのかもしれないよ。
あなたがまさか自分に恋愛相談持ち掛けて来るとは思ってなかっただろうから
当然戸惑っただろうしね。咄嗟に話を変更したとしか思えない。」
「そ、そうかなぁ・・・完全に応援モードだったけど・・・」
「そうせざるを得なかったのかもよ?」
「翔ちゃん、もういいよ。色々と有難うね。」
「え?何?大野さん、まさかこのままニノの事諦めるの?」
「だって、好きな人がいるんじゃどうしようもないよ・・・」
「だから、まだそれは確定じゃないでしょ?大体さぁ、あなただって
俺とのことはまるっきりの作り話じゃない。」
「そりゃそうだけど・・・」
「まぁ、いずれにせよニノはあなたの気持ちを俺に伝えに来るんだよね?」
「え?あ、うん・・・」
「まあとにかく俺に任せといてよ。」
「ええ?だからもうそれはいいんだって。」
「最後まで望みは捨てちゃ駄目だよ、大野さん。」

どうして翔ちゃんがそこまで必死になってくれるのかは
俺には分からなかったけど、今の俺には翔ちゃんの優しさは沁みる。

「ねえ、翔ちゃん?」
「何?大野さん?」
「もう、おいら翔ちゃんでもいいや・・・」
「はあああっ?」

電話の向こうから翔ちゃんの声でどれだけビックリしたリアクションしてるかが
想像がついて笑えた。

「じょ、冗談はよしてよぉ。た、確かに大野さんと俺はかれこれ10年以上の
付き合いになるけどさ、俺は一度たりともヨコシマな目であなたの事を
見たことはないからね?しかも翔ちゃんでもって言い方・・・」
「んふふっ。分かってるよ。そんな本気になんなくてもいいじゃん。」
「わ、分かってるの?それならいいけど。あー焦ったわぁ。」
「でもね、翔ちゃんにはホント感謝してんだよ。」
「何だよ。みずくさいな。俺はあなたには本当に好きな人と幸せになって
貰いたい、それだけだよ。」
「翔ちゃん・・・」
「連絡ありがとう。とにかくまだ何もかも諦めるには早過ぎると思う。
ニノが俺の所に来たら、あなたに対しては友達以上の感情は抱けないって
突っ撥ねるから、そこからの彼の反応と動きをとにかく注意して
みておくしかないと思う。もしも俺の読みが当たってたとしたら
まだ可能性は十分有ると思うから・・・」
「う、うん・・・」
「いい?俺が連絡するまでは失恋したものにして勝手に落ち込んだりしちゃ駄目だからね?」
「分かった。」

そうは言うけど、ニノの口からもう逢わない様にしましょうと言われたのは
相当ショックだった。
翔ちゃんが言うみたいに、俺が恋愛相談をしたことで咄嗟に出た言葉なら良いけど。
俺のニノに対する感情を抑えられなかった事が勿論今回の一番の原因ではあるけど
こんなことになるくらいなら、やっぱりあんな嘘つかなきゃ良かった。
逢えなくなるくらいなら、まだ友達のままの方がマシだったかも。
後悔したところで今更どうにもならないのは分かってるけど
物事が自分の意とは反対に進めば進むほど、
俺のニノに対する想いはどんどん大きく膨らんで
まだ別れて数時間も経っていないのに、直ぐにでもまた逢いたさが募った。

 

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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