この指とまれ

この指とまれ 49

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この指とまれ

第49話

 

 

 

「ゴメンね、なんか・・・」
「ニノが謝る事ないよ。」
「だって・・・」
「今の人が別れた奥さん?」
「うん・・・」
「よっぽどカズ君に逢いたいんだな。」
「逢う必要ないよ。」
「だけど、やっぱり母親だから自分のお腹痛めて産んだ子に
逢えなくて寂しいんだと思うよ?」
「今更遅いって話ですよ。散々好き勝手な事しといて
あんなの母親と名乗れる資格はありませんよ。」
「おいらは細かい事情は分からないけど、もうより戻す気は無いの?」
「大野さん?あなた俺の事好きじゃないの?」
「ええっ?す、好きだよ。もちろん・・・」
「だったらどうしてそんな事言うの?より戻すだなんて・・・」
「あ、いや、ゴメン。悪かったよ。」
「あいつは・・・美紗紀は俺の事は何とも思っちゃいませんよ。
和幸に逢いたいだけなんですよ。」
「でも、もしもだよ?彼女がニノとよりを戻したいって言ったとしたら?」
「あ、それは死んでも有りませんよ。」
「死んでもって・・・何で?」
「彼女は俺の事嫌いですから。」

一度は愛し合って結婚までしたというのに
一度関係が崩れるとこうまで毛嫌うようになるんだな。
夫婦なんて所詮血の繋がらない赤の他人とはよく言ったものだ。
終わってしまった事を蒸し返されるほど辛い事は無いだろうから
俺はこれ以上彼女についてはこちらから色々話さない方がいいと思った。
それにしても、あと少しで二度目のキスが叶ってたっていうのに
俺はどんだけタイミング悪いんだ。
こっから仕切り直してという訳にもいかなくなってしまった。

「大野さん?買い物付き合ってくれます?」
「えっ?ああ、いいよ。」

急なハプニングでその場の空気を変える意味でも
確かに外に出るっていうのは正解かもしんない。
早速俺達はニノの車でショッピングモールへと出掛けた。

「で・・・何買うの?」
「ここ数日は母さんも頼れないから食料品の買い出ししとこうかと思って。」
「あ、そうか、そうだよね。」
「何かリクエストとか有りますか?」
「え?ニノが作ってくれるの?」
「そこまで手の込んだのは無理よ。簡単なものしか作りませんけどね。」
「そんじゃおいらカレーでいい。」
「カレー好きなんですか?」
「うん、大好き。」
「へえ・・・。そっか、カレー良いですね。
何時もかずゆきが居ると甘口しか作んないから
たまには激辛のカレー食べたくなった。」
「大野さん、苦手なものとか有るの?」
「ううん、おいらは基本何でも食べれるよ。」
「へえ。あなたと結婚する人は楽でいいね。」
「えっ・・・」
「俺は結構苦手な物色々有りますから。」
「そ、そうなの?」
「生の魚介類は駄目だったり、脂身の多い肉も駄目です。」
「へえ・・・」

ニノは俺が他の人といずれ結婚しても良いと思ってるのかな?
付き合ってる相手からそういう台詞聞かされるのって
ちょっと俺からするとショックなんだけど。
まぁ、付き合ってると言ったって、ホントまだ何も始まってない感じではあるけど。
いきなり一緒になりたいとか言われたらニノだって流石に重いに決まってる。
そこは順番ってもんがあるとは思うんだけど・・・
俺としてはカズ君の事も含めてこの先二人の面倒みる覚悟も出来てる。
それだけ惚れてるって事なんだよな。
二人でショッピングカート押してスーパーの店内を見て回る。

「ねえねえ、カレーって豚肉ですか?牛肉ですか?」
「ええっ?どっちでもいいよ。」
「どっちでもいいが一番困るんだけど。」
「んふふっ、それじゃ豚肉で・・・」
「分かりました。それじゃ牛肉で。」
「何だよそれー?」
「あははは・・・」

さっき元嫁さんが現れた時はめちゃめちゃ落ち込んでたから
ちょっと心配したけど、ニノはすっかり何時ものニノに戻り
楽しそうに俺と買い物しながらとびきりの笑顔を見せた。
そしてひと通りの買い物を済ませると、俺達は再びニノの自宅へと戻ってった。

 

 

つづく

 

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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