この指とまれ

この指とまれ 50

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この指とまれ

第50話

 

 

それからニノの自宅に戻った俺達は二人で仲良く夕飯の準備に取り掛かった。

「あなたは手伝わなくても座っててくれて大丈夫ですよ?」
「いいよ。おいらも手伝うよ。だって待ってる間暇だもん。」
「それじゃゲームでもしとけば?」
「やった事のないゲームは教えて貰わなきゃ出来ないもの。」
「そうなんだ。それじゃ後で俺が教えてあげますよ。」
「うん・・・」
「そしたらそうだな・・・大野さん、玉ねぎ炒めて下さい。」
「あ、うん・・・あのさぁ。」
「はい?」
「その大野さんって呼ぶの何とかなんない?」
「ええっ?だって大野さんは大野さんでしょ?」
「何か他人行儀っていうか・・・智でいいよ。」
「それじゃぁ俺もカズでいい。」
「ええっ?だってカズはカズ君じゃん。」
「元々俺の方が先にカズなの。」
「え・・・あ、そりゃそうだな。かずゆきってニノが付けたの?」
「うん、そうですよ。なかなか良い名前でしょ?」
「うん。でも両方カズってなんかややこしいな。」
「かずゆきはかずゆきですよ。俺はカズ。」
「ええっ、やっぱニノはニノだよ。」
「そう?だったら俺も大野さんは大野さんです。」
「分かったよ。それじゃおいら今日から和也って呼ぶわ。」
「えっ///」

おいらが名前呼びしたらニノが急に真っ赤になった。
そんなに恥ずかしいの?恥ずかしがるところが
俺には堪んなく可愛いかったりするけど。

「ほら、和也もおいらのこと一回ちゃんと呼んでみ?」
「い、いいよ。俺は・・・」
「何だよ。おいらはちゃんと名前で呼んでるのに。」
「いいんだってば。ほら、大野さんたまねぎ焦げちゃうよ。」
「おおーっ、やべえ。」

何だかやっと恋人らしくなってきた?
色々お喋りしながらやってたら、あっという間に夕飯のカレーが完成した。

「美味そうな匂い。やっぱカレーはいいね。」
「もう食べるの?まだ夕飯には早くない?」
「まだちょっと早いですね。それじゃゲームでもします?」
「教えてくれんの?」
「勿論・・・」

そう言ってリビングに戻り、ニノはゲーム機を起動させて
コントローラーを俺に渡した。

「何やんの?」
「バトルゲームです。俺、先にやって見せるから大野さんは
少し見てて下さい。」
「あ、うん。」

元々ニノはゲームが趣味らしくて、かなりの腕らしい。
ゲームがスタートすると、その目がキラキラと輝き出して
もう俺の事なんか忘れてんじゃないの?ってなくらい
ゲームに夢中になってる。

「ね、ここ見といて!ここをクリアしたらファーストステージクリアなんで。」
「う、うん・・・」

ゲーム見てるより、ゲームに夢中になってるニノの方が
普段会社ではとても見せない表情だったりするから
何か凄い新鮮で、俺はついついニノの顔ばかり見てしまう。

「大野さん?」
「えっ?」
「ちゃんと見てた?」
「み、見てたよ。」
「嘘ばっか。俺の顔ばっか見てたでしょ。」
「えええっ?ちゃんと見てたって・・・」
「はい、それじゃあなたがやってみてよ。」
「いや、もう一回ニノがやって見せてくれよ。一回じゃ覚えらんないよ。」
「ファーストステージは簡単だから出来るって。」
「うん・・・でももう一回だけ頼むよ。」
「もぉー、仕方ないなぁ・・・あと一回だけですよ?」
「う、うん。」

だって・・・夢中になると、口が半開きになって可愛いんだよな。
ニノはムッと口を尖らせて仕方なくゲームを再起動させて
頭からプレイを再開してみせた。
で・・・俺はというと、またさっきと同じでゲームなんかそっちのけで
ニノの顔を見てるから流石に途中でそれに気付いて
ニノがコントローラーを床の上に置き、俺の顔を覗き込んだ。

「もう、見る気ないでしょ?」
「ええっ?有る有る・・・」
「もういいですよ。ちょっと早いけど飯にしましょうか?」

ニノがそう言ってその場から立ち上がろうとするから
俺はその手を掴んで自分の方に引き寄せた。
ニノはちょっと驚いて目を丸くしたけど、もうこの時
俺が何をしたいのかはきっと察してくれてて
軽く顎を引き上げて顔を近付けると、薄目を閉じて
俺を誘う様に唇を尖らせるから、ようやくここで俺達は
誰にも邪魔されること無く二度目のキスを交わした。

 

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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