この指とまれ

この指とまれ 51

この指とまれ

第51話

 

 

うっとりするくらい柔らかいその唇に重ねた唇は
何度も角度を変えては啄むみたいにそれを繰り返した。
ようやく叶った二度目のキスだった。
あまりにも嬉しくてつい興奮して、どんどんそれはエスカレートしてく。
薄く開いたニノの唇を割って口内に忍ばせた舌先が
ニノの舌先と激しく絡み合う。
こんなのこのまま続けてたら、俺は間違いなく理性というものを失いそう。
俺は我に返って、一旦キスを中断してゆっくりとその唇を離した。
だけどニノは虚ろな目をして俺を見る。
それはまるで子犬みたいで、もっと欲しいと言わんばかりに
再び俺の胸元を掴んで引き寄せる。

「ん・・・駄目だよ・・・」
「・・・どーして?」
「だって・・・これ以上は我慢出来る自信がないよ。」
「それが何で駄目なんですか?」
「えっ・・・な、何でって・・・」
「まっ、いいけど。時間なんて幾らでも有るんだから・・・」
「えっ?」
「さっ、とっととカレー食べちゃいましょう。」

ニノはそう言って立ち上がり、再びキッチンへ向かった。
もしかして・・・怒らせちまった?
だって、キスは想定内だったにしても
そっから先を強引に迫ったりした方が絶対に怒らせてしまうと思ってた。
ニノは最初から俺とそうなる覚悟を決めてたって事か?
だとしたら、俺は今相当バカな事をしてしまった。
だってよくよく考えてみれば、俺達は正式に付き合ってるんだ。
カズ君が留守の時に泊まりに来るように誘ってきたのも
ひょっとすると誰にも邪魔されることもなく、
気遣いも要らないからとニノなりに考えての事?
それなのに俺ってヤツは、今間違いなくニノ本人に対して
めちゃくちゃ遠慮してしまったわけで・・・
俺の事を受け入れるつもりが無いのなら、
最初っからキスという行為自体も拒んだだろうし
嫌がるどころかむしろニノは完全に無抵抗だったもの。
それなのに・・・
これってニノに恥かかせちゃったのと同じだ。
もう一度仕切り直すにしても、もうニノは俺に呆れて
夕飯の準備に取り掛かってしまった。
ここはとにかく謝んないと・・・

「大野さん、何やってるの?食べますよ。」
「あっ、う、うん・・・」

俺は慌ててその場から立ち上がると、ニノが座ってる対面に腰を下ろした。

「あ、あのさ・・・」
「え・・・?」
「ちょっと何時もより早いけど食べましょ?」
「う、うん。に、ニノ?」
「別に俺、怒ってなんかいませんから。」
「えっ?」
「そりゃ、俺達男同士だし、お互い初めてだし戸惑うの分かりますよ。」
「ご、ゴメン・・・」
「でも、俺は悪いけどまだ諦めてないから。」
「え・・・諦めてないって・・・」
「ま、とにかく食べましょうよ。」
「う、うん・・・」
「いただきまーす。」
「いただきます。」
「うん、美味しい。」
「ホントだ。めっちゃ美味いな。」
「俺、何の為にあなたにここに泊まりに来てもらってると思います?」
「ええっ?・・・カズ君居なくて寂しいからでしょ?」
「違います!!ホント鈍いね、あなたって人は。」
「は?」
「俺は絶対にするんだから!」
「だ、だから何?」
「セックスです。」
「ゲホッ、ゲホッ、ゴホッ・・・」

そんな恥ずかしい事、よく真顔で言えるもんだ。
めちゃめちゃストレート過ぎるニノの言葉に
俺は食べてたカレーライスを喉に詰まらせてしまった。

「大丈夫ですか?はい、お水飲んで・・・」
「ニノ・・・」
「はい?何です?」
「やっぱ、ニノは可愛いよ。」

俺がそう言うと、ニノは片手で口元覆って
ようやく照れ臭そうに真っ赤になってクスクスと笑った。

 

 

つづく

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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