この指とまれ

この指とまれ 52

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この指とまれ

第52話

 

 

「あ、もしもし、母さん?俺だけど、ちょっとかずゆきに代わって。
・・・あ、かずゆき?ちゃんとご飯食べたか?おばあちゃんの言うこと
ちゃんと聞いて、良い子にしてるんだぞ?」

夕飯を終えたニノがカズ君と電話で話してる。
やっぱりニノはパパなんだよな・・・

「大丈夫だよ。ちゃんと良い子にしてたらパパが迎えに行くから。
・・・うん、早く寝なさい。おやすみ・・・」

死ぬほど優しいトーンで話すニノ。
ニノは普段から声張り上げるタイプじゃない。
優しいイメージは何時も俺の中にあるけど
ここまで優しい喋り方するのはカズ君に対してだけだし
そんなニノを見てると何か癒される。

「カズ君寂しがってなかった?」
「うん、大丈夫みたい。」
「ニノの方が寂しいんじゃないの?」
「そりゃ寂しいよ。だって何時もならここからお風呂入れて
絵本読んであげて、寝かしつけて・・・バタバタだもの。
でも、俺にはあなたも居るから平気です。」

そう言いながらもやっぱりちょっと寂しそう・・・
というか、多分カズ君が心配なんだろう。

「さてと・・・飯も済んだことだし、今から何します?」
「え・・・」
「俺、お風呂溜めてきます。」
「う、うん。」

ふ、風呂か。風呂入っちゃったらあと寝るだけじゃん。
さっきのニノが言ってた事を思い出した。
今夜・・・つまりは・・・そのつもりなのかな?
もう本人がそう言ってんだから、俺は遠慮なんてしない。

「大野さん、ちょっと手伝って下さい。」
「えっ?あ、うん。」

ニノにそう声を掛けられて俺は二階に上がった。
二階は二部屋あって、片方は寝室として使ってるみたいで
もう片方はニノの部屋らしい。
俺は寝室の方に呼ばれて..、中に入った。

「普段はここに布団敷いてかずゆきと寝てるの。
ベッドはかずゆきがまだ小さいし、万が一落っこちたりしたら
大変でしょ。」
「そうなんだ。それで?手伝うって?」
「ベッドメイク手伝って欲しいの。今夜は俺の部屋に寝て貰うから。」

ん?ってことは、やっぱり別々の部屋に寝るのか・・・
俺は今のニノの言葉を勝手にそう解釈したんだけど
ニノに手渡されたベッドシーツを持って
ニノの部屋に移動すると、自分の解釈自体が間違っているということに
俺は即時に気が付く事になる。
だって・・・部屋に入るなり俺の目に飛び込んで来たのは
窓際に置かれたかなりの大きさのダブルベッドだったからだ。

「ちょっと?そんなところに突っ立ってないでさっさとこっち来て手伝ってよ。」
「えっ?あ、ああ・・・」

それは完全に俺の勘違いだった。
やっぱりニノは今夜ここに俺と一緒に寝る気満々のようだ。

「普段は使いもしないのにさぁ、無駄にこんなデカいの買っちゃって
俺、相当後悔してたんだけど、まさかこんなに早く役に立つ日が
来るとは思わなかったなぁ。あっ、すみません。
そっち持ってて貰っていいですか?」
「あ、うん・・・」
「こいつデカいからさ、一人でベッドメイクするのはかなりの重労働なのよ。」
「そ、そうだろうな。」
「はぁ・・・終わったぁ。ありがと。これでもういつでも寝れますよ。」
「いつでもって・・・」
「ウフフッ、まだ8時かぁ。ちょっと寝るには早いかな。
あ、そろそろお風呂溜まったかも?大野さん、先に良いですよ?」
「え?いや、おいら後からでいいよ。」
「そう?なんなら一緒に入る?」
「い、いいよ。ニノ先に入りなよ。」
「恥ずかしがること無いのに。男同士で風呂なんて普通に
銭湯行ったと思えばなんてことないでしょ。」
「え?ホントいいの?」
「やっぱりやーめた。」
「え?何で?」
「だって大野さん、絶対俺の事エッチな目で見そうだもん。
俺先に入りますから、テレビでも観て待ってて下さい。」

ニノは笑いながらテレビのリモコンを握り、テレビに向かって
スイッチを入れると、そのまま風呂に入ると言って1階に降りて行った。
さっきのニノの大胆発言にしても、このダブルベッドのベッドメイクにしても
これはもうどう考えたってこれからエッチな事しようって流れのはずなのに
俺からエッチな目で見られるの嫌ってどういう事だよ?
これってもしかして、ニノは俺の事じらしてるのかな?

 

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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