この指とまれ

この指とまれ 64

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この指とまれ

第64話

 

 

ニノは色々と勘違いをしていたみたいだ。
それは勿論カズ君が行方不明になったりとか
バタバタしてしまってプロポーズの返事を
まともにしていなかった事が原因だと思うんだけど・・・
とにかく話が中途半端になってたものだから
先の事が見えなかったんだと思う。

何はともあれ俺のハワイ行きが確定した事で、
ハッキリとニノからプロポーズの返事も聞くことも出来たし
あとは9月のハワイ移住に向けて
ちょっとずつ準備していけばいいこと。
俺はニノとの結婚がなければ
今回のハワイ行きの話はきっと断っていたと思う。
元々これまで俺が今の会社でやってこれたのは
翔ちゃんの手厚いサポートが有ったからこそなんだ。
自分は代表なんかやれる器じゃ無いし
人に指示したり、引っ張ってくってタイプでも無い。
ずっとそんなふうに思っていたけれど、
結婚を考える様になってからというもの
仕事に対する考え方もかなり以前と比べても
前向きになったと思う。
守らなきゃなんない大切な人が出来るって、
こういうことなのかも知れない。
人ってこんなに変われるものなんだって
そこらへんは自分でもちょっと驚いたりしてる。

「金曜日、カズ君迎えに行くんだよね?」
「あ、うん。」
「そん時さ、ニノのお母さんに結婚の事話してみるよ。」
「え?ホントに?大丈夫かなぁ・・・」
「大丈夫だよ。きっと分かってくれるって。
もし反対されても9月までには絶対許して貰うつもりだから。」
「実はね、離婚の時に俺、母さんからちょっと釘を刺されてることがあって。」
「え?」
「離婚しても良いけど、再婚は和幸が大きくなるまでは
考えるなって言われてるんだよね。」
「えええっ?ま、マジかぁ。」
「うん、でもそれは和幸に継母が出来る事を敬遠しての話だと思うの。」
「あー、なるほどな。」
「そういう意味で言うと、あなたは俺と同じ男なわけだし
二人の間に今後子供作ろうにも、それは有り得ない話でしょ。
だから、あなたとの結婚に関しては反対しないんじゃないかって
俺は思うんだけど・・・
こればっかりは話してみないと分からないから。」
「そっか。可愛いカズ君の事を第一に考えると
ニノの幸せは最優先というわけにもいかないんだな・・・
でもさ、ニノがいつも笑って暮らしてる事が
カズ君の本当の幸せなんじゃないのかな。」
「あなたから復縁の話をされたでしょ?」
「ああ・・・あれはマジでゴメン。」
「ううん。そういう意味で言ってるんじゃないんだ。
俺もそうすることが和幸の幸せなんじゃないかって
一瞬考えてはみたんです。でもね、やっぱりどんなに考えても
一度壊れた関係は修復出来ないことも分かったし
無理して復縁したとしても、和幸が幸せになれるとは
思わないのよね・・・」
「おいらも、あんなこと軽はずみに言ってしまって
すげえ後悔してるし、反省してる。
復縁なんて、外野がどうこう言うことじゃないよね。
ゴメン・・・」
「俺が本当にショックだったのはね、そういう事よりも
あなたが簡単に俺を手放すんだって・・・
その事が大分ショックだったな・・・」
「簡単になんて手放せないよ。」
「うん、分かってる。和幸のことを考えての発言だったんでしょ?」
「そうなんだけどさ、やっぱどんな理由だったにせよ
おいらは後悔しまくってる。」
「フフフッ、もう何とも思ってませんよ。
それより、うちの親黙って結婚させてくれるといいけど。」
「うん・・・まあ、簡単に許して貰えるかは分かんないけど
許して貰えるまでおいら頑張るよ。」
「そうだね。まだ2か月以上も有るし、説得するには十分だよね。」
「おおっと、大事な事忘れてたわ・・・」
「えっ?」
「カズ君にもお許しを貰わなきゃだな。」
「和幸は大丈夫でしょ。」
「そうかな?」
「だって、和幸はあなたのこと大好きだから。」
「そぉか?それでも一応はちゃんとおいらは許しを貰う。」
「土壇場で嫌とか言ったらどうするんですか?」
「うーん・・・実は一番手強いのはカズ君だったりして。」
「うん、確かに。」

俺達はお互いの顔を見合わせて笑った。
俺達の心はとっくに決まってたけど
実は、このままスムーズに・・・とは物事は運ばなかったんだ。

 

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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