この指とまれ

この指とまれ 76

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この指とまれ

第76話

 

 

翔ちゃんと秘書の知念君と3人で仕事帰りに飲みに行って
おいらは途中からベロベロに酔ってしまい、
知念君に送って貰った事すら覚えて無かった。
翌朝、俺はちゃんと寝室のベッドの上でニノと寝てて
若干の二日酔いで目覚めた。

「おはよ。」
「んっ・・・おはよう。」
「覚えてます?夕べの事・・・」
「うううっ・・・あんまり覚えてない。」
「もう、大変だったんだからね。あなたべろんべろんに酔っ払って
帰って来たと思ったら、俺にキスを迫ってさ。ニノちゃーん、
ニノちゃーんって・・・」
「まっ、マジで?」
「何か俺に疚しいことでも有るのかと思っちゃった。」
「えええ?そりゃないよ。」
「そう?まぁ、でもこれからは気を付けて下さいよ。
記憶がなくなるまで飲むなんて、危なくてしょうがないよ。」
「う、うん・・・ゴメン。」
「だけど珍しいよね。あなたがここまで酔っ払うなんて。」
「翔ちゃんが強い酒勧めるからつい飲み過ぎちゃって・・・」
「あれっ?代表もいたの?」
「え?何で?」
「あなたをここまで送って来たのは知念君ですよ?
代表はいなかったけど。」
「ま、マジか?」
「まさかそれも覚えてないの?」
「うん、どうやって帰って来たのか覚えてない。」
「さいっていだな。あなた大丈夫?」
「え?大丈夫って?」
「襲われたりしなかった?」
「えええっ?」
「冗談ですよ。でも・・・俺がもしもあなたみたいに
ベロベロに酔っ払って帰ってきて、しかも物凄いイケメンが
俺を送って来たとしたらどうします?」
「そりゃ駄目だ。」
「でしょ?」
「絶対ダメだ。」
「俺だって一緒ですよ。」
「そっか・・・そうだよな。マジで悪かったわ。」
「分かってくれればいいですけど。」

ニノは笑いながらそう俺に言ってくれたけど
実際はすげえ頭に来たに違いない。
ニノが言う通り、これが逆の立場だったらと思うとゾッとする。
もしも何処か外の俺の目の届かない場所で誰かと酒なんて飲んで
記憶無くなるまで酔っ払ったとしたら・・・
想像もしたくない。
ニノは可愛いから、きっと襲われるに決まってる。
他のヤツがニノとキスとか想像しただけで心が萎える。
実際は何も無かったにしても、それをニノに想像させてしまった
自分自身が許せないし、腹が立つ。

「おいらさ、もう二度とあそこまで飲まないって約束する。」
「ウフフフッ・・・良いですよ。無理に約束なんてしなくても。」
「だって・・・」
「心配しなくても、俺は腹いせに同じことしたりしませんよ。
それに、男同士の付き合いだって有りますから。」
「ニノ・・・」
「俺は智のこと信じてますから。」
「うん、おいらにはニノしかいないから。」
「その言葉、よーく覚えときますね。さ、そろそろ起きて
支度しないと会社間に合わないですよ。」
「うん、おいらシャワー浴びて来る。」

やっぱりニノと結婚して良かったなって改めて思った。
夫の仕事に理解もあるし、何よりも自分の事をここまで
信頼してくれてる。
だから、余計に自分がもっとシッカリしなきゃって気になる。
俺にしてみれば出来過ぎた結婚相手かも知れない。
シャワーを済ませると、ちゃんと脱衣所に着替えが揃えて置いてある。
ドレッサーの前で髭を剃って、髪の毛をセットして
リビングに向かうと

「智、準備出来てるから急いで食べて。」
「おっ、すまない。」

トーストとフルーツとコーヒーがテーブルにセットされてる。
一人で住んでた時は朝食抜きなんてしょっちゅうだった。
しかも、二日酔いの薬までさりげなく横に置いてくれてる。
ここまで俺に尽くしてくれるニノを、何が有っても
不安にさせちゃならない。

「智、先車乗ってるよ?鍵閉めて来て下さいね。」
「おうっ。」

それにしても・・・
夕べ、俺は翔ちゃんと知念君と何の話したんだっけかな?
全く思い出せない・・・
ま、そこまで重要な事は話してないのは確かだし
あとでまた翔ちゃんに聞けばいい事か・・・

「ゴメン、お待たせ。」
「はい。それじゃ行きましょうか?」
「あ、待って!」
「え?忘れ物?」
「うん・・・忘れてる。」

俺は車の助手席に乗り込むと、
ニノの後頭部に手を添えて、軽くキスをした。

「もぉ///そういうのはうちの中でして下さい。」

そう言って耳まで真っ赤になるニノを見て
さっきよりも更に深く口付けた。

 

つづく

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蒼ミモザ

妄想小説が好きで自身でも書いています。 アイドルグループ嵐の大宮コンビが特に好きで、二人をモチーフにした 二次小説が中心のお話を書いています。 ブログを始めて7年目。お話を書き始めて約4年。 妄想小説を書くことが日常になってしまったアラフィフライターです。

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